2012年  8月定例月議会 文教厚生委員会  09月27日
長崎県戦没者追悼式への高校生の参加について

◆堀江県議  

 長崎県戦没追悼式への高校生の参加について質問します。

 まず、長崎県戦没者追悼式というのはどういうものか。

◎玉島高校教育課長 

 長崎県戦没者追悼式でございますが、知事を会長とする長崎県戦没者慰霊奉賛会が主催する式典で、趣旨としましては、戦争により犠牲となられた本県の戦没者に対して、哀悼の意をあらわし、我が国の恒久平和を祈念することが目的だと聞いております。

◆堀江県議 

 今年は10月19日に開かれるわけですが、これは平日ですね。平日に授業を休んで高校生が参加をすると聞いたんですが、これは事実ですか。

◎玉島高校教育課長 

 大村市内の3つの公立高校から生徒が数名参加する方向で検討していると聞いています。

◆堀江県議 

 では、現段階確定していないんですか。1つの学校は参加を決めたと聞いたんですが。

◎玉島高校教育課長 

 3校ありますので、そういう学校もあれば、まだ保護者の了解を今から取る準備を進めているという学校もありますので、すべての学校が参加できるとはなっていないということでございます。

◆堀江県議 

 今の段階で参加を確定をしている学校が実際あるわけですね。
そこで、質問しますが、このことについて県教育委員会はどうかかわったんですか。

◎玉島高校教育課長 

 追悼式の県の担当課であります原爆被爆者援護課から、7月に高校教育課に参加の検討ができないかと要請を受けました。それを受けまして、課内で協議をして、大村市内の公立高校3校に要請の内容を伝え、我々の方も参加の検討をお願いしたということでございます。

◆堀江県議 

 県教委としては、大村の3つの学校に参加をできないか。打診をしたということですか。

◎玉島高校教育課長 

 最終的には学校長の判断がありますので、ぜひ参加をしてください、もう絶対参加をしてくださいという、そういう依頼の仕方はしておりません。

◆堀江県議 

 では、よければ参加をお願いしますと言ったということですね。
 そこで、このことにかかわっては、異議があるという声が、私のところへ届いているんです。

 どういうことかというと、今、課長は本県の戦没者と言われました。長崎県戦没者追悼式という、原爆被爆者援護課のホームページを開くと、これが出てくるんですけど、この中には60,723という数字が出て、長崎県護国神社で祭られる方々というのを明確に書いているんですよ。だから、戦争で犠牲になられた方々について、そのことについて恒久平和を求めるという立場から、戦争を二度と起こしてはいけないということで、それは若い世代にそのことを継承するということはもちろんいいと思うんですよ。ですが、長崎県の戦没者は60,723という数じゃないでしょう。これには被爆の人は含まれていないでしょう。

 だから、そういう意味では、この一つのところだけの亡くなった方々を祭るという、そこになぜ高校生が参加をしなきゃいけないのかと、しかも平日に、授業中に、休んで。そこがどうなのかという疑義があるという声が、私のところに届けられたんです。長崎県教育委員会として、検討できないかと打診した根拠は何ですか。

◎玉島高校教育課長 
 
 平成21年2月定例県議会の一般質問で、当時の教育長が答弁をしている内容を根拠といたしました。
 一部紹介いたします。「長崎県戦没者慰霊追悼式は、平成8年から宗教的活動や宗教色のない現在の方式で実施されており、学校教育の一環として児童生徒が参加することも可能である」ということでございます。

◆堀江県議 

 学校教育の一環として児童生徒が参加することは可能だと、平成21年の3月に本会議で当時の教育長が答弁をした。ここが今回、じゃ、行けないかということを打診した根拠になるんですけど、これは教育長、確かに宗教的な活動や宗教色のないという方式ということで、大村のシーハットでするようになりましたけれど、でも言われるように長崎県で亡くなった方はこれだけじゃないでしょう。戦争を二度としないと、平和の尊さを訴えるという時に一つのところだけを祭るという、そういうところに高校生が参加をすると、これは宗教色に、異議があるということを言われても、私は否定できないんじゃないかと思うんですが、その点はどうですか。

◎渡辺教育長 

 この主催者は、先ほど高校教育課長が説明したように、県知事が会長となっております長崎県戦没者慰霊奉賛会でございます。この団体につきましては、県の戦没者の慰霊奉賛を行うことを目的に設置された団体でございまして、特定の宗教の信仰、あるいは礼拝とか普及、そういった宗教的活動を行うことを本来の目的とした団体ではございませんので、我々としては、宗教団体ではないと理解をいたしております。それをもって今回の追悼式については、先ほど説明がありました平成21年2月定例会の教育長答弁と何ら違いが出るものじゃないということで、これに基づいて今回検討をお願いしたところでございます。

◆堀江県議 

  
 いわゆる護国神社という一つの部分だけを祭っているところになぜ、県民の間からも疑義があるんですよ、宗教色の疑いがあるのではないかと。そういうところに高校生をわざわざ参加をさせなければいけないのかということですよ。
 
 そういう意味では、私は可能であるという答弁は見直して、これは慎重に対応すべきですよ。もちろんその時の答弁に保護者の考えも十分配慮しながらというふうには言っているんだけど、教育長が可能であると答弁したから、こういう事態が起きてくるわけでしょう。これは答弁を見直す考えはありませんか。

◎渡辺教育長 

 私どもとしては、見直す考えはございません。

◆堀江県議 

 私としては、今回の問題は、長崎県で亡くなった方たちを、今後、恒久平和を目指すということで、若い世代にその思いを伝えるというのは、それはそれとしていいんですが、言われるように、じゃ、戦没者追悼式って何なのという時に、どなたを祭っているのという時に一部の人しか祭っていないという、そこに私は少なくとも問題があると思っている。この問題については、県民からの、疑義があると意見も出されておりますから、指摘をしておきます。