2011年2月県議会文教厚生委委員会
社会福祉法人の監査のあり方について(社会福祉法人民生会)3/15
【堀江議員】
 社会福祉法人の監査のあり方について、まず、諏訪保育園の問題につきましては、子どもの健やかな成長の場を保障し、また確保するという立場からも厳しく対応していただきたいと思います。

 私は、同じ社会福祉法人でも民生会に係ることについて質問したいと思います。

 社会福祉法人民生会の問題につきまして、幾つかの資料が私のところに寄せられました。その一つに嘆願書があります。社会福祉法人民生会にかかわる有志一同の皆さんから、私の方に嘆願書が寄せられて、「そもそも民生会の運営費の原資は、国民の大切な税金で運営されています。監査指導課の責任は重い。情報提供者がいたのに、今までプロの監査指導課が摘発できなかったのは、監査指導課のていたらくだと言いたい。職員は毎月、給与支給日の後、現金で封筒に入れて毎月6,000円、ボーナスで6,000円、年間計8万4,000円納めています。この大事な私たちの寄附金が何にどのように使われていたのか、収支報告書もなく、何もわかりません」と。

 もう一つは、この民生会の問題は現在告発をされておりまして、長崎地方検察庁佐世保支部に告発された告発状の写しも私のところに寄せられているんですが、この中で、社会福祉法人民生会の仕事等は一切していなかった人物が、別紙証拠のとおり毎月多額の報酬を受け取っていたというようなことです。

 寄附金の問題は法人内の問題ですので、ここでどうこう言うことはないんですが、私としては、この給与の問題で質問します。

 先月、監査指導課が出された「社会福祉法人民生会に係る監査について」という中で、昨年11月に、県民からの情報提供を踏まえて監査を実施したと、そして今年の1月に特別監査を実施しておりますけれども、給与の問題にかかわってどこをどう監査したのか、まずこの点から質問します。

【諸岡監査指導課長】
 一連の今回の民生会に対する監査の中で、給与の支払い状況等についても確認をさせていただいております。

 併せまして、平成18年度から法人内部、あるいは施設内部の実相について、実態について確認いたしまして今後の監査に役立てるということで、任意に職員の中から抽出いたしましてヒアリングを行うといった手法も駆使してまいりました。今回も、10名弱の職員の方から、法人の内部の運営について問題がないかどうかということについてヒアリングをいたしました。その中でも、給与の支払いについての不適切な状況があるとかといったような申し立てはございませんでした。

【堀江議員】
 支払い台帳を確認したと、そして職員からヒアリングをしたけれども、給与の支払いについて問題はなかったと。

 この2月16日付で監査指導課が文教厚生委員会の委員に配りました「社会福祉法人民生会にかかる監査について」の中で、例えば昇給管理が不適切であった幹部3職員の大幅減俸とか、あるいは一部職員の就業時間中の社会福祉法人業務以外へ従事していた実態の是正とあります。

 告発状によれば、社会福祉法人の仕事はしていないのに高額の給与を受け取っていたのではないかという指摘があるんですが、こういうことについての対応は図られたということになるんですか。

【諸岡監査指導課長】
 まず、2点目にご指摘がございました、法人の本来の業務以外に従事しておったということの事実の確認につきまして、私どもも厳正に監査をさせていただきました。

 法人幹部の中に、いわゆる渉外的な業務、対外的な折衝業務等を本来業務として持っている方もいらっしゃいましたので、そういう方につきましては、今回の監査の中で直近の勤務実績等の報告もいただきまして、それをもとに一定抽出いたしまして、これは従来やっておらなかった監査手法でございますけど、取引先等に、実際にそういった実態があったのかというようなことまで監査いたしました。それ以外に、内部での会議録等の照合も行いまして、一部不適切な実態、すなわち就業規則で定められておる勤務時間中に本来の法人業務以外の業務に従事しておったという事実が一部確認できました。

 しかしながら、その法人外業務への従事割合等につきまして具体的に特定するところまでは及びませんで、一応今回は改善勧告ということで、今後の改善を指導したということでございます。

 それから給与の問題でございます。法人幹部職員の大幅減俸につきましては、法人の給与規程の中で、どういった条件のもとに昇給できるかということが規定されております。それに照らしまして非常に不適切であるということで、監査途中で改善を指導いたしまして、その結果、今回は自主的な改善計画の中で幹部3職員の大幅減俸をいたしますということが誓約されたということでございまして、改善報告でもその点は確認をいたしております。
【堀江議員】
 今の話の中では、法人の業務以外に従事していた事実が一部わかったので、一部不適切ということで、この部分については部長名で指導したということですが、これまで、給与にかかわって民生会について指導なりをしたことがありますか。今回が初めてですか。

【諸岡監査指導課長】
 過去の一般の定期監査におきましても、給与関係については指導をした経緯がございます。

【堀江議員】
 過去の一般の監査ですね。 

 私の手元にあるのが、平成17年度の社会福祉法人等監査及び指定施設等の実施指導についてというものです。これは、平成17年ですから年号17、監査の指導、監指第58号によれば、監査対象法人が民生会、この中で、るる指摘があるんですが、「給与規程と支給実態が乖離している事例が散見されたが、規程を変更するか、特例である根拠を明確にすること」という指摘事項が幾つか述べられています。

 この給与規程と支給実態が乖離している事例が多く見られたという意味は、どういうことですか。

【諸岡監査指導課長】
 申しわけありません。その点について、その当時の監査の資料を私も詳細に確認しておりませんので、多分こういうことであろという推測でございますけど、先ほど申したとおり、法人の給与を支出する際には法人の給与規程が大もとになります。その際の給与の支出について、給与規程と勤務実態が合っていない部分があったという指摘だと思います。すみませんが、それ以上の状況はこの場では答弁できません。

【堀江議員】
 この民生会については、給与の問題が過去もあったんでしょう。それは課長が答弁の中で、私がこの給与の問題については今回の指摘だけなのかと聞いたら、過去にもありましたと言ったじゃないですか。そうであれば、過去にどういう指摘が給与に関わってあったのかということについては、手元に平成17年度の監査指導における指導事項がないにしても、民生会についてはこれまで給与についてどういう指導があって、それがなぜまた5年以上もたった現在も指摘があるのか、これは同じ指導なのかどうかということは、資料がなくてもわかるという状況ではないんですか。これは担当が変わると、もうわからないんですか。

【諸岡監査指導課長】
 申しわけございません。先ほど申し上げましたとおりで、その当時の指摘の具体的な内容については、今承知いたしておりません。

【堀江議員】
 私が言いたいのは、結局この民生会に関しては、給与の問題で長年指摘があっているんですよ。

 例えば佐世保市内在住というふうにしておきましょうか。この方は、給与は総額が22万円、手取りが17万円になるんですが、自分は実際11万円を超えて手取りの給与をもらったことがないと私に言っているんです。しかし、その給与明細書を見せてくださいと言ったら、そこまでは怖くてできないというふうに本人も言っているわけです。

 民生会については、県民からの情報提供を踏まえてからでないと監査できない、できないわけではないんですが。これまで幾つも寄せられている。それなのに、給与の是正という点で、平成17年の規程と実際の給与が乖離しているという問題、今でも給与の部分についてはいろいろ指摘をしなきゃいけない実態であるというのは、本当に監査としての役割を果たしているのかということを私は改めて指摘をしたく、その状況をどこまで把握しているのかということでですね。

 手元に平成17年分の資料がなくても、民生会については過去にこういうことがあって、今回の一般監査、特別監査になったという認識をもって監査に当たらないと、監査の意味がないのではないかというふうに私は思うんですけれど。見解を求めます。

【池松福祉保健部長】
 申しわけございません。平成17年ですから、書類が残っているか、保存期間が5年ですので、今、探させております。

 まず、堀江委員のところに職員の方からお話があったということでございますが、我々も今回、監査におきましては個別に職員の方々にお話を聞いております。その際に、これは県だからかもしれませんけれども、そういう具体的なお話がないわけです。

 先ほど申し上げたとおり、法律上我々は、いわゆる司法捜査に入ったわけではないわけですから、一定資料の提出等についても限界があるというのは現実でございます。いろんな情報を総合して、一般監査に入る時も、通常の一般監査ではなくて、そういう情報を踏まえて入らせていただいた経緯がございます。

 それと、給与水準について明確に、例えば理事長が幾ら、施設長が幾らという基準はございませんので、要は社会福祉法人として適切かどうかということでございますから、一定だれかが高いというふうに言われましても、それで法人がうまく回っておれば、我々としては、給与は幾らが高くて幾らが適当かといういわば物差しがないという現実もございます。
 ただ、職員の方々の処遇改善についても十分配慮をしてくださいということですし、当然理事長さんだけとか、施設長さんだけ飛び抜けて高い給与だと、それは法人の適正な運営として問題があるかもしれませんので、その辺は十分理事会でも話をしてくださいというような指導をしている状況でございます。

 堀江委員にいろんなお話があって、それでも給与明細は見せられなかったということでございました。我々に対してだと、いろんなことでまずいというようなことで生の声が届かないという現実もございますが、先ほど申し上げたとおり、職員の個人の方々にはそれぞれ個別に聞いたという経緯がございます。