2010年9月県議会文教厚生委員会
不登校への対応について9/29
 不登校の対応について質問します。
 
 長崎県には、不登校になった時のマニュアルはありますか。まず、このことから教えてください。

【松尾児童生徒支援室長】 
 平成21年度から各市町の教育委員会の担当が集まる問題行動対策協議会では不登校をテーマとしておりまして、そこで県教委として「中1不登校の未然防止のために」という資料の配布を各市町にいたしております。各市町は、これまでも市町ごとに状況に応じて対策をつくっておりますので、それをもとに発展させていただくようなマニュアルという形で提供いたしたものでございます。

【堀江議員】
 例えば、子どもが学校に行かなかった時にどういう対応をするかということですけれども、3日以上休んだら、先生が生徒に必ず電話をする、あるいは家庭に電話をする。電話をしたということを記録に書いて校長に提出をする。何回、電話をして働きかけたかということを記録をするという形、これは長崎県ではないんですが、全国では、いわゆる不登校減少計画というマニュアルなんかはそういうふうにあります。要は、休んだ時に学校側がどれだけ働きかけたかということを記録に書くという方向ですが、つまり子どもが学校に行かなくなった時に、長崎県としても学校に来なさいと働きかけますか、基本的には。その点を教えてください。

【松尾児童生徒支援室長】
 今、委員がおっしゃったことは、国の教育研究所が出した基本的なマニュアルをもとにして全国的に普及されているものだろうと思います。基本的にはそのような働きかけは原則として行っているものと思われます。

【堀江議員】
 子どもが学校に行かなくなった時に学校に行かせるということが、果たして不登校対策としていいのかということでは、不登校を抱える保護者の皆さんからさまざまな意見が寄せられています。

 ここに「登校拒否を考える親の会」という冊子が、20年たちましたとあるんですが、この冊子を活用して文教厚生委員会の中で発言をするということは、関係者の皆さんに了解をいただいております。

 子どもが学校に行かなくなったからと、子どもに学校に行こうとさせるその働きかけが、子どもの心を癒すのではなく、ますます傷つけることになるんだというその思いを学校の先生はわかってほしいと20年間、訴えてきたと言われます。子どもたちが傷ついて学校に行けないとなった時には教師は待つということをしてほしいと強い要望があっています。

 目の前にいる子どもたちに話をして指導するということがプロの先生たちにしてみれば、子どもが学校に来ないというこの事態が認められない。だから、不登校というと、すぐ学校に来なさいという対応になるんですが、それがますます子どもの心を傷つけて、結局は、それがまた子どもに負担をかけて昼夜逆転の生活になり、あるいは家庭の中で暴力を振るうようになりと逆に悪化すると言われています。

 基本的に、国もそうだし、長崎県としても、結果として学校に来なくなった子どもたちを学校に行かせる、そういう立場に立っていると言われたので、まずは、こういう親の会の会合などに先生たちが働きかけて親の話をぜひ聞いてほしいと思っております。その待つということも指導の一つであるということをどれだけの先生が広く認識するかによって不登校の対応は変わってくると私は思っています。

 この登校拒否を考える親の会を初めとして、登校拒否、不登校で悩んでおられる子どもを抱える保護者の会合などにぜひ出席してほしいと思っているんですが、見解を求めます。

【松尾児童生徒支援室長】

 今、委員がおっしゃったように、心に寄り添うということは非常に大切なことであろうと我々も考えております。

 また、そういった団体の皆様との接触は、今後、県が新たな事業の中で接する機会が出てくるように聞いておりますので、心がけていきたいと思っております。

【堀江議員】
 室長、心がけていきたいじゃなくて、登校拒否を考える親の会という会が実際に長崎県内にもあるので、こういうところに県教委がかかわり、皆さんが出かけていくということをしてほしいと私は思うんですよ。心がけるじゃなくて、ぜひ一度行ってみますぐらいの、そういう答弁でお話を聞いていただきたいと思うんですが、端的に答弁してください。

【松尾児童生徒支援室長】
 不登校及び引きこもりに関する新しい事業がございますので、そこで接触をする形になると思います。まずはそれから始めていきたいと思っております。

【堀江議員】
 接触すると言いましたけど、ぜひお話を聞いていただきたい、そういう機会を持っていただきたいということを要望したいと思います。