2010年6月議会 文教厚生委員会
認定こども園について *最下部に反対討論
【堀江議員】
 認定こども園ですが、26カ所ある施設を92カ所にするということですが、現在、長崎県の設置数、全国との比較はどうか。

【嶋田こども未来課長】

現在、県内の認定こども園の数は、4月1日に開所しているものを含めまして37園ございます。一番多いのは東京都でその次が長崎県となっておりまして、全国で2位の数字になっております。

【堀江議員】
 全国では、ゼロ、1〜2施設が11府県あります。47都道府県の中で11の都府県が0とか1、あるいは2という認定こども園の施設数に対し、長崎県は東京都に次いで2番目に多い施設の数ですが、これはどう見たらいいんですか。

【嶋田こども未来課長】
 長崎県の取り組みは、この制度自体が平成18年の途中から制度が開始されました。平成18年にこども政策局ができまして、その中で幼稚園と保育所を一体的に進めるということで、こども未来課の中に幼保連携班というのを設けております。そういった意味では両方のよさ、幼稚園、保育所のそれぞれのよさを踏まえて、認定こども園の目的であります一体化することで保育であったり幼児教育が高まるということを長崎県としても理解し、市町と話をしながら進めてきた結果で、ほかの都道府県とは違って先駆的に取り組んできた結果だと理解しております。

【堀江議員】
 そこで、保育料について質問いたします。
保育料は市町が決定をして徴収をするんですけれども、認定こども園ではどういう方式になりますか。

【嶋田こども未来課長】
 基本的に保育部門は認可の部分と無認可の部分とございます。今日お配りいたしました資料の中で幼保連携型というのがございます。この保育料については、認可保育所と同じ形態でしております。一方、幼稚園型は、いわゆる保育部門が無認可の形になっております。そこについては一時預かりでありますとか、延長保育という形の利用料ということで、その分については徴収をしているということでございます。

【堀江議員】

 そうしますと、保育料については、認定こども園は自分たちで設定されると私は理解をしていますが、それでいいのか。

 それから、認定こども園に直接入所を申し込みますから、通常の保育所ですと市町に保育料を払いますが、これは直接、園に支払うでいいのか。

【嶋田こども未来課長】
 基本的には認可外の部分は園が決めますし、保育料については園が直接、保護者から徴収をするということになります。認可の方も園が決めて、それは市町の方に承認申請を出すことになっておりますが、基本的には園の方が決めることになっております。

【堀江議員】

 普通の保育所の場合は、滞納した時には、明日から出てくださいとはならないんですが、認定こども園の場合、滞納した時、直接施設に納めますよね。施設の運営費としても、保育料が直接かかわってくると思うんですが、認定こども園の滞納した場合の対応はどうなるんですか。

【大串こども政策局次長】
 少々細かい話になってきておりますので答えさせていただきます。
 滞納した場合は同じでございます。すぐにやめてくれということは言わないようにという指導がなされております。

 それと、保育料は、例えばその子の保育単価が5万円とすると、保護者から取るのが1万円か2万円か3万円かということは市町の保育料と同じく階層区分によって決まりますが、残りは市町から支弁を受けます。残りはほかの保育所と同じように市町から送金される仕組みでございます。そして、退園に関しても同じような取り扱いをするようにという指導がなされております。

【堀江議員】
 では、緊急度、優先度の問題です。例えば、子どもを預けるという時に、行政の窓口に行って申し込みます。その時に市全体、町全体で保育に欠けるという形での優先度をどう判断するかという視点に立つわけです。

 そうしますと、認定こども園の場合は、直接、保護者がそこの保育所に申し込みに行きますので、ここの場合の優先度、認定度というのは、どのように考えたらいいですか。

【大串こども政策局次長】

 入園申し込みを園にしますと、同時に、その入園申込書を市町に送るようになっております。そして、優先度の判断は市町が行うこととなりますので、同等の判断が、現在は「保育に欠ける子」と呼んでおりますが、そういった判断をすることになっております。

【堀江議員】
 もう一つお尋ねしますけれど、保育の違いの問題です。幼稚園の場合は根拠になる法律が学校教育法。保育所の場合は児童福祉法。幼稚園は幼稚園なりの教育、保育所は保育所なりの教育があって、そこが一緒になるわけですね。

 この保育の違いというのはどう解消されていくのか、対応されていくのか、教えてください。
【嶋田こども未来課長】
 確かにおっしゃるように、法律は保育所と幼稚園は違います。それを一緒の形態でやっているわけですけれども、なぜ一緒の方がいいかというと、例えば保育だけであれば、学校教育法に基づく教育というのが薄い部分がございます。というのは、幼稚園教育というのが保育所単体の場合はなかなか設置できない。それを一体化することによって、その教育も受けることができるということでプラスの面が結構大きいと思っております。

 実際に認定こども園を行っている園の方にお尋ねした場合も、就学前の学習でありますとか、そういう面では認定こども園をやってよかったと。それは、そういう園に預けておられるご両親が、子どもにとってもよかったということを承っておりますので、先ほど堀江議員がおっしゃったような、今後、いろいろ課題もございますけれども、そういうことを含めながら今後ともやっていきたいと思っております。

【堀江議員】
 幼稚園と保育所が一緒になった時に、例えば、働いているお母さんの子どもさんと、それからそうでない子どもさんと、朝同じように預けても、昼に迎えに来る、あるいはもっと早く迎えに来る。4時に迎えに来るお母さんもいれば、延長保育も含めて、その後、後で迎えに来る子どもさんもいます。そうなった時に、目の前で同じクラスの友達はお母さんと一緒に帰る。でも、そういう光景を見せたくないというか、寂しくなりますから。だから、その時間になったら、その子どもさんはこっちの部屋に行く。実際にお迎えの場所を今までは園庭だったのを別の教室にするという事例だってあるわけですが、そういった部分ですよね。言われるように、認定こども園は異年齢の子どもたちが集団生活が送れるというメリットがあるかもしれません。しかし、もともと保育そのものの違いを一緒にしようというところに無理があるのではないかという専門家の皆さんの声も一方ではある。保育所は保育所としての保育、幼稚園は幼稚園としての教育を、そこをそれぞれに伸ばしていくことがいいのではないか。そのことについてはどのような見解をお持ちですか。

【大串こども政策局次長】
 お迎えの時間等の違いは、実は現在の保育所でも起こっております。自営業者の皆様と、それから企業で働く皆様とでは退庁時間がおのずと違ってまいります。また、違いを違いとして認めるのかどうか。子どもたちに差はございませんので、そこのところを配慮しながら、子どもたちへの配慮をしながら行っていくというのがいいのではないか。

 もう一つは、午前中は幼稚園教育要領に基づいた教育を施す、そして、午後は保育所保育指針に基づいた保育を行うという点は同じでございまして、いろんな配慮をなさりながら子どもたちを傷つけないように気を使っておられます。

 もう一つは、その2つの教育のあり方というのは、同じように実は指針の中では扱われておりますけれども、現場の皆さんからすると、保育はオーダーメイドである。先ほどのお迎えの時間にもあらわれたことですが、一人ひとりの個に応じた教育、保育を行っている。また、幼稚園の方は全体の中での子どもを見るという視点があるということで、そこが戸惑われる点でもありますが、そこを調整しながらやっていくことは非常にためになったと現場の声があります。

 そしてもう一つは、全部を認定子ども園にしようということではなくて、保育所と幼稚園があり、新たな選択肢として認定こども園が準備されているということでございます。私どもの計画の中でも、中学校区に1つというようなイメージで92園を目指しておりますが、それは全部を認定こども園にしようと考えているわけではございません。

【堀江議員】
 数値目標の根拠の設定についてということで資料が出されていますが、認定こども園の必要性ということで述べられております。実施をされてこの間、いわゆる問題点というのはないのか。すべて、それこそよしということになるのか。現時点での認定こども園の問題点ということも明らかにしてください。

【嶋田こども未来課長】
 先ほども申しましたように、やってよかったという声をお聞きはしましたけれども、今まで認定こども園からも、認定こども園に子どもを預けている親からも、認定こども園はこういう問題がありますということはほとんど聞いておりません。

 一方で、財源問題というのが少しございますけれども、それ以外は保育の部分でありますとか、そういう処分に関しては苦情といいますか、そういうのは実際お聞きしておりません。
2010年6月議会 文教厚生委員会
認定こども園の数値目標に反対


【堀江議員】
 第83号議案「長崎県子育て条例行動計画について」は、以下の理由で反対いたします。

 本行動計画は、長崎県子育て条例に基づいて設定される計画です。
 私は、条例について、1、国、長崎県の責任が明確にされていないこと。2、子ども保護育成の対象と見ていることを理由に反対をいたしました。

 条例に反対をしていることと、具体的に行動計画の中では数値目標として認定こども園の設置数が掲げられています。認定こども園については、認定こども園と保護者との直接契約であることから、以下の状況が危惧されます。

 施設ごとに保育料が自由に設定されることで、保育が必要な子どもが保育を受けられない事態、滞納、未払いを理由に子どもが退所という事態です。国、自治体が責任を負っている公的保育制度を崩すことになりかねません。また、本会議には認定こども園の設置に係る慎重な取り扱いを求める要望もあっています。

 こうした状況の中で数値目標を掲げて進めることは同意できないことを申し上げます。