2009年12月議会 文教厚生委員会
養護学校の校名変更について
12月10日
【堀江議員】
 全国では校名の改正というのはどのようになっているのか、現状を教えてください。

【尼ア総務課県立学校改革推進室長】
 本年4月の時点で全国の都道府県の校名変更の状況は、変更済みの県が21道府県ございます。そのうち「特別支援学校」の名称になった県が13県、「支援学校」という名称になった県が7県、「総合支援学校」という名称を使った県が1県でございます。

【堀江議員】

 全国で21の県しか変更されていない。そしたら約半分もいってないんですが、変更されていない他県の理由、変更しない問題はどのように把握しておられますか。

【尼ア総務課県立学校改革推進室長】
 4月の時点で実施済みが21道府県でございますけれども、今後、「変更を検討していく」、「変更したい」と言っている県を合わせますと41都道府県が予定している状況で、大半の都道府県が校名の変更を実施する方向がございます。

【堀江議員】

 長崎県の場合も学校教育法の改正を受けて2年間の経過を見て、一つの理由として「特別支援学校」という言葉が広く認知をされてきた、使われたということをもって今回の条例改正になるわけです。そうしますと、残りの20県については検討中だと。そして、それも含めたら41の全国の都道府県はするんだけと、完全に全部するとは今の段階ではなってないですね。

 私の認識の中に、学校教育法の改正で、盲・ろう・養護から特別支援学校にということの中には、まだ十分な国民の合意が得られていないという気持ちもあります。例えば、盲・ろう学校についても長い歴史をぜひ残してほしいという思いがあるので、今回の学校教育法の改正によって、すべでの学校が校名を変更しないことについては、どんな見解をお持ちですか。

【尼ア総務課県立学校改革推進室長】
 今回の変更を実施いたしますのは、養護学校、盲学校、ろう学校は、まだ変更をいたしません。それは委員お話しされたように、同窓会とか、そういったものが校名については歴史と伝統を踏まえて、できるだけ残してほしいという声が私どの方にも伝わっております。もう少し時間が必要であるということから、盲学校、ろう学校は変更せずに、養護学校について変更をしようと考えております。

 養護学校に変更する、その広まっているという中には、やはり保護者の方からも学校の方に、「いつ名称が変わるんですか」というような声が出ております。

 また、実務的なことで言いますと、養護学校という校名がいろいろな場面で使われるんですけれども、法律上は平成19年4月に特別支援学校という名称に変わっておりますので、その2つの使い分けということでいろいろ不便さを生じてきているということがございます。ですから、学校としては、できるだけ早く1つにして、なおかつ、特別支援教育というものが一層推進されるようにしてほしいという声がありますので、それらのことを総合的に考えて、今回、その時期に来たということで提案させていただいております。

【堀江議員】
 今回は養護学校が「特別支援学校」ということになるわけですけど、盲学校、そしてろう学校については、やはり関係者の皆さんの合意のもとに今後進めていくという理解でいいですか。

 【尼ア総務課県立学校改革推進室長】
 盲学校、ろう学校につきましても、校名の変更が必要と教育委員会としては考えております。

 ただ、やはり歴史もありますし、保護者や関係者の気持ちというのがございますので、十分説明をしながら、仮に実施するとしたらどういう名称がいいのか検討しながら、時間を少し置いて対応していきたいと考えております。

【堀江議員】
 そこで、今回の校名変更にかかわっても質問したいんですが、長崎県知的障害養護学校PTA連合会の会長にあられる方が、11月1日付の新聞に投書いたしまして、「この校名変更に伴って、いつまでに、何をすればいいのか何ら提示されないまま、間近になって調査となって、会として対応する場を失ってしまった」という投稿をしておられます。

 今回の校名変更にかかわってどのような経緯のもとに関係者の合意を十分得たのかこの機会に説明を求めます。

【尼ア総務課県立学校改革推進室長】
 校名変更につきましては、学校と私ども教育委員会では、昨年度からどのように進めていくか検討してまいりました。

 そして、特別支援学校長会の中で数回検討してもらい、そして、一人ひとりの保護者に確認をするという手続がなかなかできないものですから、PTA役員さんなどの意見も聞いてもらうということを通して、校長会から「『特別支援学校』という名称にすることについて大きな異見はないです」というような校長会からの報告を受けながら、本年度になりまして22年度改正に向けて進めようと考えてまいりました。

 そして、最終的に確認する必要があるということで、9月に保護者と総会の代表者に向けたアンケートをとりまして、そのアンケートの実施時期については、当初、いろいろご意見もあったようでございますけれども、アンケート調査の結果、約48%の保護者の方から「特別支援学校という名称がいい」という結果が出ましたので、特別支援学校という名称に対する抵抗というものもほとんどないのではないかと変更することを決断した次第でございます。

【堀江議員】
 
長崎県知的障害養護学校PTA連合会の会長さんが、「9月15日に県教委が校名変更に関する調査を該当校のPTA会長、副会長、理事などの役員、学校評議員、主任クラスの教員に限定して実施をしたけれども、該当校の全保護者と教職員の意向が十分反映される方法を講じるべきではなかったのか」と意見を載せておられます。

 さっき、「今回、養護学校については校名を変えると。しかし、盲・ろう学校については、保護者の意見を十分聞いて検討したい」と言われました。そうしますと、一部の方にアンケートをとって、それに基づいて決断をする。しかも、来年度からやろうというのに夏過ぎて9月以降にやるというふうなやり方は、もうちょっと時間をかけてもいいのではないかという意見もあっております。今回の方法が、すべての該当校の保護者と教職員の意向が反映される方法を講じるべきではなかったのかということについての見解と、今後、養護学校ではなく、盲・ろう学校についての対応をどのようにされようとしているのか、2点質問します。

【尼ア総務課県立学校改革推進室長】
 保護者全員の意向ということなんですけれども、一応、PTAの各学年の理事というものを単位にアンケート調査をいたしました。抽出調査でございます。全体の生徒数のうち、約4分の1程度が対象となっておりまして、意識調査などを実施する場合は標本調査というのは一般的に行われているものだと考えております。

 また、特別支援学校の生徒といいますのは、寄宿舎にいる生徒、あるいは施設にいる生徒等さまざまでございまして、通学生、また、保護者の住居地が遠いというようなこともありまして、アンケートを実施する際にはかなりご負担もあったり、回収なども非常に難しいという面もございますので、抽出調査ということで最終的に実施いたしました。

 結果については、保護者の意向というのは反映されているものと私どもは考えております。
 盲学校、ろう学校の今後の取り扱いにつきましては、先ほどもご回答したかと思いますけれども、同窓会、あるいは保護者、職員の意見をこれから、聞きながら、校名の案というものもいろいろご意見を聞きながら考えて実施に向けた理解を得ていきたいと、考えております。

【堀江議員】
 子どもたちの状況がさまざまなのでということは、それは一定理解するんですが、私が言いたいのは、「PTA会長どうですか」と聞かれた時に、PTA会長としては会としてどうなのかという意見をまとめた上でPTA会長としての意見を出したかったんだと。しかし、そういう会としての対応ができないままにアンケートをとったと言われるから、そういうやり方はどうなのかということの一つの意見だと私は思いますから、会長や副会長や、その任にある方だけの意見をとったことが、そのまますべての保護者の意見ととらないでほしいということを会長さんは言われていると思いますので、保護者の意見を十分反映するという対応をしていただきたいと改めて要望します。

 最後に今回、校名を変えることによって、どれくらいの経費がかかると見積もりをしておられますか。

【吉田教育環境整備課長】
 校名が変わることによりまして、校名の名盤とか、あるいは校印でありますとか、影響が出てくるんだろうと思っております。それにつきましては、今、学校の話を聞いている段階でございます。