6月県議会 文教厚生委員会
国体施設 整備・補助について
【堀江議員】
 国体の施設補助金について確認をしたいと思います。最初の質問は、この財政力指数の補助率を撤廃してくれ、それから5,000万円という補助限度額を1億円にしてほしいという、この点についてはどのような検討をされたのかということをお尋ねいたします。

【徳永国体準備課長】

 委員ご指摘の市長会等の要望の内容につきましては、これをすべてやりますと大分県の制度と同じ制度になるわけでございます。大分県の制度といいますのが先催県の中では飛び抜けて手厚い制度になっております。このことにつきましては大分県に確認したところ、ちょうど大分県が制度をつくった時期といますのが平成14〜15年ごろに当たるんですが、この時期は大分県で合併をどんどん推進している時期に当たっていたと。その時期にちょうど国体においては競技会場地を決めなければいけない時期に当たっていたということで、その国体の競技会場地を決めようと思っていたのですが、合併推進ということで、各市町村が合併実現のためにかなり事務をとられてしまって、国体の会場地を決める段ではなかったということで、会場地を決めることに資するためにも手厚い補助制度にしたという特別な背景、事情があったと聞いております。ですから、委員がおっしゃるところの補助率の2分の1均一化、さらに上限1億円というところまでやる、大分県並みにするというところにつきましては、そこまでの助成は本県はとる必要はないのではないかと考えております。本県の見直し案の結果の数字といいますのは、大分県に次いで市町の負担が少ない制度であるということも考えて、今の見直し案ということで考えたところでございます。

【堀江議員】
 今回、現行補助制度ということで、これは最初から提示されたわけではないですよね。例えば、お話を聞きますと、去年の5月ぐらいから、知事との意見交換の中で、国体準備にかかわる施設の整備をどうするかという中で、それぞれの自治体に施設の整備も含めてお願いをしたいということの最初から2分の1であるとか、5,000万円であるとか、起債充当額は示さずに、「どこか手を挙げてください」ということで、こういう施設の準備にかかったと私は経緯を聞いているんです。そこら辺はどうなんですか。そのときに受ける側の市町の担当が受けたイメージは、大分県のイメージを持っていたので、2分の1相当額を県が補助してくれる、1億円の補助限度額があるというイメージがあって、こうした補助制度についてはまず最初の認識を持ったと長崎市の担当課の方は言うのですが、そこら辺の認識としては、県はどうですか。

【徳永国体準備課長】
 今のご質問の関係ですが、この補助率、限度額、あと額算定の際の考え方につきましては、最終的にこういうふうになりましたけれども、途中段階では、いろいろどういうふうにすべきかということでずっと検討を続けていた状況ですので、その検討中の段階では、例えば、市町からご質問があれば、先催県の状況を勘案しながら、先催県並みの助成にしたいということで何とか頑張りたいということで申し上げていた状況でございます。

【堀江議員】
 今回長崎県が補助をするという最終的に示した補助の案と、しかし、これまでの経緯の中で、先催県ということで言って、受け取った市町側の担当課は、大分県の状況を思って、長崎県が応分な負担をしてくれると思った。まずこの補助の制度にかかわる認識の違いがあると私は1つ思います。

 そこで、私が最初に質問をしました2分の1の補助率の問題についてどうなのか、それから5,000万円ではなく1億円ということでは、最終的にはこれは検討したということでしょうね、大分県の補助が飛び抜けての補助であり、手厚い補助制度なので、これは該当しないというふうな判断なんですけれども、そこで質問なんですが、確かに補足説明で文化・スポーツ振興部長が読まれましたように、2月定例会で本年度の予算を承認いただいたところです。しかし、2月定例会では、今回の国体にかかわる施設整備事業費の補助の新たな制度を設けますという内容しか言われていないんですね。具体的に今回の3点目の起債充当額を撤廃するということによって、1つの事例を国体準備課長は言われましたけれども、ちょっとこれではわからないので、今回の財政支援が630万円という当初予算だったと私は認識しているのですが、この630万円の当初予算が今回一部見直しによってどうなるのか、この額を教えてください。さっきは、1つの事例に基づいて、長崎県の補助は倍になりますと言ったんですけれども、当初予算の場合は630万円という数字は出さなかったんですよ。横長の資料にも出ておりません。しかし、私が調べたところで、長崎県として市町に出す国体の施設整備の補助は630万円という数字が出ていますので、この630万円が今回の一部見直しでどういう額になるんですか。それを教えてください。

【徳永国体準備課長】
 その例につきまして、試算もしております。といいますのは、委員がおっしゃったように、当初予算に計上いたしましたのは、まだ予算要求段階でお聞きした内容だったので、その段階で予定で上がっておりましたのは、佐世保市の体育館整備と諫早市の体育館整備ということで、ともに設計等の経費を今年度、申請することもあると聞いておりましたので、そのことで試算をしております。それで、当初段階で試算しました内容といいますのは、両方とも起債が使えるということの前提で算定しておりまして、結果的に、算出の額を出す場合に、起債の充当残額になってしまうとさっき申し上げたのですが、その額のところで、例えば佐世保市であれば500万円、諫早市であれば130万円ということで、その金額で当初予算を計上させていただきました。この分につきまして、新たな見直しに沿ったところで考えますと、最終的な起債充当残になりませんので、佐世保市で言いますと500万円が約1,100万円ほど、諫早市が130万円が280万円ほどになるという試算でございます。

【堀江議員】
 そうしますと、今回の国体準備補助にかかわる予算としては、この6月補正では額としては上げていませんが、当初予算で630万円上げていた、これは佐世保市と諫早市の分だけですよね。ほかの自治体の分の予算については、県が出すという補助分については今後どうなるのか、9月の補正で出るんですか。この予算計上の問題はどういうふうになるんですか。今回一部見直しましたと知事も言い、この委員会でも言ったんですけれども、実際お金がどうなるのかという最終的な部分は、今の段階で何ともなっていないですよね。これはどういうふうになるんですか。

【徳永国体準備課長】
 現在の段階が、関係する市町の方で施設整備計画なるものを立てていらっしゃる状況でございます。現段階では、まだ各市町ごとに具体的な計画の詰めができていないということだろうと思うんですが、まだ申請も上がっていない状況でして、例えば、平成21年度にこの整備をこれだけやるというところまでの詰めがまだ各市町ともに具体的にはできていらっしゃらない状況ですので、これが今後計画を詰めていく中で、市町の方で平成21年度について補助金の必要性があれば申請されるでしょうし、その場合に、具体的に数字が出てきますので、その出た数字によって、必要があれば補正をしなければならないと考えております。まだ現段階では上がっておりません。

【堀江議員】

 私は、この陳情が3項目出されていますので、そういう意味では、文化・スポーツ振興部長は直接各市町の担当を回られてご意見を聞いた上に、最終的に3つ目の部分の起債充当額の部分を撤廃するという判断をされて、そういう方向を出されたんですけれども、私は、それぞれの自治体はまだ納得されていないと思うんですよ。県としては「ご理解をください」というふうに言われるかと思うんですが、私は、なかなか難しいと思うんです。そういう意味では、私の要望としては、この陳情の立場で検討していただきたいと思うんですが、最後に2つ質問をします。

 長崎市の担当が一番言うのは、国体というのはどこが実施するんだと。国民体育大会開催基準要綱というのがありますよね。私が申し上げるまでもないのですが、この国民体育大会開催基準要綱の中には、大会の主催者は、財団法人日本体育協会と文科省と開催地都道府県、明確に県が主催となっているじゃないかと。そうしたら、県が主催するのだから、それに長崎市の施設を使うのだから、応分の負担を県はしてほしいと、これが担当課の正直な思いですよ。何で長崎市がそれ以上に負担しなくてはいけないのかと、県と長崎市と2分の1でいいじゃないかと、国体を開催するのは県じゃないかと、そういう立場で、どこが実施をするのかということを考えてほしいと言われているんです。このことについての見解が1つ。もう一つは、基金です。国体準備基金の額が現在405億円ですか、400億円を超えてあるんですが、これは何に使われるのか。こういう施設整備のためにも使われるんじゃないかと。これだけ財政が厳しい中で、長崎県下の自治体がここまで負担をしなくてはならないのか。基金が400億円あるんだったら、これを使えばいいじゃないかという声もあるんです。この2つの疑問に答えてください。

【徳永国体準備課長】
 まず1点目の国体の主催者はという意味だと思うんですが、おっしゃったように、開催基準要綱というものがございます。その中で、国体の主催者につきましては、おっしゃるとおりでございます。1つは日本体育協会、1つは文部科学省、もう一つは開催都道府県でございます。さらに、その規定の中に、その国体の主催者はというところ以外に、競技会の主催はというところの部分で言いますと、そこには関係します市町村と競技団体ということも明記されているわけでして、当然ながら、県も市町村も国体に向けてともに協力し合って、開催に向けて努力するということであるんだろうと考えているところでございます。

 もう1点でございますが、基金につきましては、平成18年度から7年間の予定で、毎年10億円、合計70億円基金を積む予定でおります。その中には、当然ながら、県から出します今回の一般競技施設についての補助金、さらに今後構築します特殊競技施設に対する補助金、さらに大会の運営に係る運営交付金、そういうものもその基金の中で捻出して、そこで対応しようと現在でも考えているところでございます。

【堀江議員】
 国体の問題につきましては、先ほど文化・スポーツ振興部長が言われましたように、県と市町が信頼関係を確立し、お互いの立場を尊重しつつ、一体となって開催準備を進めることが何よりも重要だと、私もそう思います。3つの点については市町から出された要望でありますので、私は、十分話し合いを進めていただきたいということを要望して、質問を終わります。