|
【堀江議員】
高機能病院に対する今後の県の対応について質問したいと思います。
本来、救命救急センターを含む高機能病院の設置は、県立病院として県が責任を持って行うべきだと私は思っております。
これまで長崎県は、県立病院を設置するどころか、むしろ県立病院の民間委託を進めてきました。そうした県の責任は棚上げして、長崎市だけに県の役割を求めた今回の県から長崎市への申し入れは、筋違いだったと私は思います。
県の根本となりました公立病院改革ガイドライン、平たく言えば赤字の公立病院を縮小・再編・統廃合しなさいという内容です。しかも、総務省は国会答弁で、「公立病院改革ガイドラインに沿った各自治体の改革プランは、義務ではない」と明確に答弁しています。つまり、つくらなくても、つくってもいいんだと、そういうふうに答弁をし、さらに1月9日、当時の厚生環境委員会で明らかになったように、総務省自ら、先ほども矢野病院事業管理者は答えましたけれども、もともとの長崎市案でもガイドラインに沿って十分にやっていけると、これは判断をしていたんです。それでも県は高機能病院を3点セットでということで、長崎市に求めてきました。結果として、長崎市が当初案を見直して、県の提案は受け入れないと回答をしてきました。この結果について、これまでの質疑の中で矢野病院事業管理者は、「高機能病院の医療内容については、長崎市の案はかなり県案に近づいてきた。しかし、集約・統合して高機能病院をつくるとはならなかった」と答弁をされました。
こうした経緯、答弁から考えまして、高機能病院に対する今後の県の対応というのは、県内のどこかの病院が統合・再編をしないと高機能病院の建設は考えないのか。まず、このことをお尋ねします。1点目です。
2点目は、これまでの答弁の中で矢野病院事業管理者は、「長崎市と今後、再度協議をしたい」と答弁をしています。長崎市の新市立病院の今後について、医師確保をどうするか、そういったことで協議をするということでは理解をいたします。しかし、長崎市に対し、県案を再度考えてくれと協議するのではないかという疑問も私は持ちました。県が申し入れて、市が回答してきた今回の案件を、再度協議するのではないかという疑問も持ちますので、その協議をするといった内容を明らかにしていただきたい。
【矢野病院事業管理者】
委員の質問の中で最初の県の責任とおっしゃいましたけれども、長崎県は地理上から見ましても離島が非常に多くて、人口も非常に多いので、どちらかというと、そちらに力を注ぎながら県の医療を守ってきたというのが現状で、これは一つの政策であったというふうに私は思っています。
現に、例えば熊本市でも救命救急センターは市内に2つございますけれども、県立は1つもございません。そのほかのところでは市などでつくっているところが非常にたくさんございます。
それから、集約できなかったから、すべてのところが統合しなければできないんじゃないかというふうなおっしゃり方でございますけれども、今、長崎県内の自治体病院25を見ますと、やはり統合しないと本当にそのほかの起死回生の案というのは存在しないというふうに私は思っています。統合、あるいは機能を変えていかないと、機能しないと思っています。
それから、2番目のご質問の中の今後の協議とおっしゃいましたけれども、これは長崎ができるという時に、どういうふうに自分たちはつくりたいが、そういうことについて助言、その他がありますかという時の協議ということでございまして、今、これだけ市が3点セットをどうしてもだめと正式にお断りになったのに、県案を蒸し返して、さらに県案を押しつけるというようなことはあり得ないんじゃないかと私は思っています。
【堀江議員】
県が高機能病院をどう考えるか、どう取り組むのかという問題について、私の見解と矢野病院事業管理者の見解は当然違うというふうに私も認識しておりましたので、私の見解を最初に述べさせていただいて、質問をさせていただいたところです。
そこで、1点目の部分の今回の件で私が疑問として持っておりました、今後、長崎市との再度の協議の中の内容ということでは、今回の案件をさらに蒸し返すようなことはしないというふうに言われましたので、私としては、これはこれとして既に県が申し入れ、そして長崎市が回答して、先ほど矢野病院事業管理者が言われましたように、決着した問題でございます。
しかし、今後、新市立病院がどういうふうになっていくのか、そして医師の確保をはじめといたしまして、長崎市を含めた、そして長崎県全体で高機能病院、地域医療をどう進めていくのかという協議は十分にしていただきたいというふうに私自身は思っております。
各派代表者会議の時に、私は例えば大学病院と長崎市の関係等を含めて、知事に対し、さざ波が立ったのではないかというふうに質問しました。知事は、「さざ波が立ったとは思わないけれども、もしそういう状況であれば、それは善処したい」というふうに言われました。
矢野病院事業管理者としても、今回の案件について、それこそ何もないというふうに先ほど答弁をされましたけれども、医師確保の問題を含め、市民から本当に大学と長崎市の関係は大丈夫かという不安もあっておりますので、そうした関係については、これまでどおり、これは円滑に進むというふうに理解をしてよろしいんでしょうか。最後の質問にします。
【矢野病院事業管理者】
先ほどの答弁の中で、県案を蒸し返すことはないというふうに申し上げましたけれども、あちらからお話があったら、これは別でございます。市から話があったら別でございます。
それから、今のお話で、私は個人的にはわだかまりは全くないということは申し上げました。
ただ、大学がどういうふうな対応をするかというのは、私にはちょっとわかりません。
と申しますのは、医師派遣がすべて今医局制度なんですね。医学部長が一人で行って、どうなるという問題じゃなくて、婦人科は婦人科の教授、医局長が対応していますし、脳外科は脳外科で対応していますので、それが一枚岩になってわだかまりがある、ないと言われますと、これは私からは答弁できないということでございます。
【堀江議員】
あと1分残っていると思いますので。
一番最初の説明の時に、最初30分の説明をされた時に、福祉保健部長にしても、福祉保健課長にしても、矢野病院事業管理者にしても、長崎市の新しい市立病院の新案ということについては、今後は県として可能な支援をしていきたいという答弁をしておりますので、私はぜひ長崎市の案については、長崎県が可能な支援をしていくという立場でかかわっていただきたいということを強く申し上げまして、私の質問を終わります。
|