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ただ今議題となりました、第107号議案 長崎県教育振興基本計画(以下、基本計画)については、次の理由で反対いたします。
今、県民が求めている教育への要望は、「子ども一人ひとりに目が行き届く少人数学級の実施」「教職員の増員」「高すぎる学費のひき下げ」「小・中学校の耐震化へ県の補助を」「私学助成の増額」「どの子ものびのびとすごせる学校生活を」など、憲法・子どもの権利条約を具体化することにほかなりません。
教育条件の整備は、そのためにも中心にすえられるべきであり、財源の確保は不可欠です。ところが、基本計画は教育条件整備を放棄しています。少人数学級をどう拡充していくか。教職員を何年かけて、どれだけの教員を確保するか。小・中学校の耐震化のために県がどう財源を確保するか。など、教育条件整備の具体的な数値目標がありません。
基本計画は、教育の自主性を侵し、子どもの柔らかい心を、国が定める鋳型に押し込める内容です。求める人間像のために、新学習指導要領の全面実施、学力テストが、推進されていきます。
文教委員会の審議では、「学習指導要領にのっとっていることを、基本計画に載せたまで」と、答弁がありました。新学習指導要領は、小学校低学年から、超詰め込み教育をおこない、「できる子」と「ついていけない子」を早期に選別し、習熟度別授業をすすめるという、差別・選別、過酷な競争の教育を押し進めます。そして、全国学力テストでランク付けをおこない、競争の教育を押しつけていきます。そもそも学力テストの結果に反映されるのは、さまざまな教育活動のごく一部にすぎません。その成績だけを上げることだけが、教育委員会や教師の仕事のようになると、ますます教育はゆがめられてしまいます。
求める人間像のために、道徳教育が推進されます。文教委員会の審議では、「戦前の道徳教育が、全て悪とは思わない。」と答弁がありました。戦前の道徳教育の中心にあったのが、教育勅語です。天皇制をたすける大目的のために、教育勅語が植えつけられ、その結果国民は、人道にも反する侵略戦争にかりだされました。
戦前の道徳教育批判のうえに、戦後の道徳教育があります。現在の憲法、子どもの権利条約などの国際的なとりきめに基づいて、人間の尊厳、基本的人権に基礎をおいた人間的モラル、民主主義社会にふさわしい道徳教育こそ、求められています。
基本計画は、努力義務です。国の押しつけや統制に応える必要は、ありません。冒頭述べました、県民が求めている施策にこそ、長崎県は応えるべきです。改悪された教育基本法による、国の支配・介入から教育を守るため、子どもたちに豊かな教育を保障する条件整備をすすめるために、長崎県教育振興基本計画の撤回を求めて、反対討論といたします。 |
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