9月県議会 文教委員会  2008年9月26日
教員採用選考試験について

【堀江県議】
 教員採用選考試験の1点にかかわって質問したいというふうに思います。
 先ほど、山田(博)委員の質問にかかわって資料が出されました。
 教職経験を有することによる一部免除の人員が回答としてありました。応募が204名でそのうち免除者が34名と、合格者が12名というふうに聞きましたが、この合格者の12名のうち免除者は何人なのかということを一つ教えてください。
 
 それから、長崎県は平成14年から実施をしているということですが、これまでも校長、あるいは保護者から、こういうふうに人材として大事ではないかと、ある意味特例を認めてほしいという要望があったかと思うんですが、それでもなお平成14年度に実施に至ったという、この経緯をわかれば、もう少し説明をしてください。

 それから、3点目に出された資料は、文部科学省の「教員採用等の改善に係る取り組み事例」となっていますよね。そうしますと、長崎県が今やっている教職経験を有することによる一部免除というのは、これは改善の例なんですか。この疑問を持ちますので、3点教えてください。

【池田義務教育課人事管理監】
まず、1点目の合格者数12名の件でございますが、これは1次免除者34名中、1次試験に合格した受験者の数でございます。
 それから、2点目の平成14年度の経緯でございますけれども、一応その当時の担当の方に話をいろいろお聞きいたしまして、その折に今朝お話を申し上げたような話をお聞きいたしました。それ以上のことは私の方では今、情報として持ち合わせておりませんけれども、その情報程度でございます。

 それからもう一点、「教員採用等の改善に係る取り組み事例」というのは、実は文部科学省が平成20年1月に出したこの冊子のことでございますけれども、改善に係る取り組み事例というのは、いい方向にこのようにやっていますという、その取り組みの事例を集めたものというふうに理解いたしております。
 以上でございます。

【池田義務教育課人事管理監】
  まず、申請者が104名というのはそれぞれ個人が1次試験の一部免除の申請をしたいということで、その申請書を提出してまいります。この数が204名でございます。その後、先ほどご説明いたしましたいろんな経緯を持ちながら、県教育委員会の方で1次試験の一部免除を受けた数が34名でございます。この34名のうち、1次試験をクリアした数、これが12名でございます。今、この者が先般2次試験を受けましたけれども、当然これはほかにも1次試験の合格者はおりますけれども、そのうちの12名が1次試験の一部免除を受けた者の合格者という形になります。

【堀江県議】 
 私が聞きたいのは、全体の合格者の中で1次試験を免除された方がどれくらいいるのかです。

【池田義務教育課人事管理監】
 1次試験の合格者は小中を合わせまして177名でございます。そのうち12名が1次試験一部免除者の数になります。

【堀江県議】
  そしたら、1次試験の合格者のうち、一部免除が約1割の人たちがいるということになりますか、おおよその数で177名のうち12名が合格をされているということになりますよね。わかりました。
 
それで、平成14年からなぜしたのかということでは、今の状況ではわからないということでしたが、これは改善になるんですか。先ほども教育長が答弁しましたように、公平性を高めるという点からは研究したいというふうに見解を述べられましたね。

 そうしますと、これは教員採用等の改善になるんですか。この内容を聞いただけでも、公平性をより高めるとなったら、スタートラインでやはり皆同じように、どういう条件であっても、条件としては皆同じでしないといけないということが今、求められている中でどうして文部科学省はこういう長崎の採用を改善ととるんですか、そこが理解できないので、もう少し説明してもらえますか。

【池田義務教育課人事管理監】
 いわゆる教員採用試験の場合には、選考試験という形で実施いたしております。
 ですから、私どもとしては、当然本県の教育を担えるような、そういった人物を採用したい、まずこれが基本的な考え方であります。

 その中で、当然、公平性を担保するために、一定同じような土俵の中で試験を受けていただいて選考を行うということは、これは基本的にはそういう考え方でいくわけですけれども、その中で特に現場の中で非常に実績を上げている、あるいは上司の先生、あるいは保護者からも非常にこの先生の力を認めていただいている、そういった先生については一応公平性を担保するということを前提にしながら、小学校の教員でいきますと、一部教職一般教養のこの部分についてのみ免除を行うといったような形で進めさせていただいております。

【堀江県議】
  文部科学省の見解では、改善というふうな見解で、いわば長崎方式の今のやり方がその一つの方向かと思うんですが、言われるように、これまで当たり前であったことも果たしてそうなのかというのが問われているのが、この大分県の汚職というか、大変な問題だというふうに思いますので、そういう意味では寺田教育長が公平性を高めるために研究したいというふうに答弁はあっているんですけれども、この点についてはぜひ研究していただきたい。

 これは私は改善にはならないと、少なくとも同じ土俵にのっていないという、選考をどうするかという問題があるとすれば、そこの点をより研究していただきたいというふうに思うんです。

 そのことと関連して、さきの文教委員会からこれまでの間で、文教委員会の中でこの教員採用問題にかかわって審議されなかったことの一つに、今の問題もあるんですが、もう一つは1次試験の結果発表を県議会議員に伝えていたという問題がありますね。

 この問題は、7月定例会では論議されなかった問題だと思いますので、この機会に一つ聞きたいんですが、新聞報道によれば、寺田教育長はこれは圧力には当たらないというふうな見解を出しましたけれども、県議会議員に1次試験の結果を発表した。

 今でいえば、177名が合格したんですね。その時点で、例えば、Aさんはどうなのかと、ある県議会議員が聞いて、じゃあ、Aさんがどうだったのかということを1次試験が終わった段階で、ある県議会議員に伝えるという、こういう形になるわけですね。これはいつの時期からあったのかというのは答えられませんか。

 個別に連絡の時期や件数は把握をしていないということでしたけれども、これはいつごろからあったのか。いや、昔からあったんだとなるのか、そこ、件数やだれがどうしたのかというのは答弁できないでしょうけど、いつごろから県議会議員に1次試験の後、長崎でも問われたら答えていたのかという、このいつごろからかというのは、それもわかりませんか。

 教育長、教育長が入った時はもうされていたんですか。

【寺田教育長】
──だと思いますが、私は直接にタッチしていません。確かなことは申し上げられません。ただ、あくまでもこれは通知を発送した後ということは、きちっと守ってまいりました。したがって、また、それによって合否に影響を受けるということはなかったと。これはもう繰り返し自信を持って申し上げます。

【堀江県議】
  私が疑問に思うのは、確かに記憶に頼るだけでそれはお答えできないかと思うんですが、長く議員をされた方にお話を聞きますと、教職経験を有することによる一部免除、平成14年から実施をした、その経緯には、議会が働きかけたと仄聞もあるんです。

 県議会議員の働きかけと、この一部免除によるいわば特別選考という部分がリンクするのではないかという疑問、危惧がどうしても私の中でぬぐえないんですよ。それで、この質問をさせていただいたんですが、見解としてどうですか。

【寺田教育長】
  議会での発言があったかどうか、あったと私は聞いておるんですけれども、ただ、これはその問題とは全く別の問題でありまして、要するに、ペーパーテストだけで教員の指導力をはかるのではなくして、要するにペーパーテストの点数のいい人よりも本当に指導力があって人格のすぐれた人を採用、要するに人間重視の人物重視の採用ということなんですが、人物重視の採用にしようというのが全国的な大きな課題であったんです。

 ペーパーテストでは、はかれない学力をと。その一環として、何年かの学校での臨時的任用の経験があって、十分その指導力が実証された方には何らかの機会について、少し見ていいんじゃないかと、そういう流れの中でこれは取り入れられた制度なんですね。

 したがって、その人物重視の採用ということで文部科学省もこれは改善に当たるというふうな見方をして、今回の調査にもそういう観点から人物重視の、本当に指導力のある者を採用するあり方として、一つ例として挙げているということなんです。ただ、申しましたように、今非常に枠が狭くなっている中で、これを続けることがどうなのかということについては、朝から申し上げましたとおり、研究をいたしたいと思います。

【堀江県議】
最後にしますが、大分県ではその面接の基準も明らかにしなさいと。テストの結果、試験の結果ももちろんだけれども、面接の基準も明らかにしなさいと、今、そういう流れになっているということを聞けば、人物重視ということも非常に第三者がわかる方向でないと、これは今後は公平さを保つということでは非常に難しいだろうと思います。

 7月定例会の時も教育長は、疑念をきちっと払いたいと、そういう対応を今後したいと答弁しておりますので、私はそれを了としておるんですが、ぜひさらに公平性を保つ、より透明にする、県民が納得するということで、教員採用選考試験というのはかかわっていただきたいということを要望したいと思います。