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【堀江県議】
次に、なぜ教育振興基本計画に目指す人間像というのをつくるのか。それを聞きたいと思うんです。
先ほど午前中に、長崎市の教育振興計画で総務課長は、「長崎市の教育振興計画は県とほぼ同じなんです」という答弁をいたしましたが、これが長崎県とどう違うか、目指す人間像ないんですよ。どういう行政をするかということはあっても、目指す人間像ということでは明確に書いていない、県と市の違いなんです。目指す人間像をなぜつくらなければいけないのか、それを答えてください。
【相川総務課長】
午前中に申し上げました長崎市の計画との関連性ですが、私は構成と申しますか、そういった構成の流れが同じような考え方ということで申し上げたつもりでございます。
本県教育が目指す人間像ということでございますが、この計画自体が教育基本法でありますとか、県の教育方針を具体化するというものでございます。
それから、教育基本法の第1条に教育の目的ということで、教育自体が何を目指して、どういう人間を育てるのかというのが、第1条「教育の目的」に掲げております。これは人間像でございます。だから、どういった人間像を目標にして国は取り組んでいくのかといった形で、第1条に記載しております。そして、第2条に「具体的な教育の目標」ということで、「人間像を達成するための具体的な事柄」ということで、1号から5号までいろんな形で、教育の目的を具体化していこうという一つの教育の目標が設定されております。
本県につきましても、こういった教育基本法の教育の目標を具体化しながら、本県教育の基本目標、本県教育が目指す人間像と、要するに、どういった人間像を目指して本県の教育に取り組んでいくのかと、こういった人間像という形でお示しをさせていただいております。
【堀江県議】
「本県教育が目指す人間像」の(3)と(4)ですね、「郷土及び国家を担う責任を自覚し、その形成と発展に主体的に参画する人間」、「我が国と郷土の伝統文化や自然を誇りに思い、これからの国際社会を生きる人間」、教育基本法の改正、私は改悪だと思うんですが、当時の安倍首相は、いわゆる靖国派と言われた方ですよね。つまり侵略戦争を美化し、戦争を肯定すると、そして、平たく言えばお国のために命を投げ出すということを徳とする、そういう人間像とも言えるのかなと私は思うんです。
午前中の松田委員の答弁に、総務課長はこんなに言われましたね、「人間像というのはどういう像か」と言われたことに対して、「たくさんの思いを込めて盛り込んでいる。だから、言葉の取り方によってはいろんな人間像が出てくる」と。
私が読んだ部分を、例えば改正された教育基本法の理念を盛り込んでいないととられる人もいれば、私のように、逆に戦前の人間像を見ているのかととる人間もいる。そういう意味では、人間像というのは、取り方によって非常に違ってくる。何が本県の目指す人間像なのかということでは、ここではわからないと私は思うんですけれども、人間像というのはしなければいけないのか、つくらなければいけないのか。例えば長崎市の振興計画では、目指す人間像ということを明確に書いてないでしょう。他県のだって書いてないんですよ、教育基本法が改正される前につくられた基本計画にはですね。
目指す人間像というのは、県民の間でいろんな波紋を呼び、意見をもたらし、論議を起こす部分だと思うんですが、その点についてはどうですか。
【相川総務課長】
A3の色刷りの資料があるかと思います。要するに3段構成になっているんですが、本県教育が目指す人間像というのを掲げまして、こういった人間像を目指して教育をやると、そのために7つの重点施策を掲載しまして、今後5年間で重点的に取り組む施策、それから具体的な主要施策と。
要するに、こういった目標を掲げて本県教育は重点施策、主要施策に取り組んでいくんだと、こういった考え方、本県教育が目指す人間像を明確にいたしまして、こういった形で具体的に重点施策、主要施策に取り組んでいくと、こういった考え方で本計画をまとめているわけでございます。
【堀江県議】
戦前の教育の一番の大きな誤りは、国家のために死ぬことができると、そのために教育を使うと。そういう人間像、そこに当てはめようとしてきたんですよ。だから、当てはめようとすると、当てはまらない子どもたちが出てくるんです、そこには。
どうなるか、一つの学校で5校に進学をする、あるいは某大学に進学をする、そういう子たちをつくるということで能力別の学級をつくっていくと、そこには当てはまらない子どもたちが出てくる。こういう人間像をつくるということになっていけば、どの子も能力が伸びる、そういう教育行政ではなくて、そこに適応できない子どもたちはどうなっていくのかという問題が出てくるんです。私は、長崎県がつくる振興基本計画の中には、こうした人間像は入れるべきではないと思っております。
見解を求めても、そういうふうにしますということになるんでしょうから、平行線ですので、次に行きたいと思います。 |