2008年3月6日 文教委員会
私費外国人留学生奨学金について

堀江県議
 私立学校振興費の問題について質問いたします。
 私費外国人留学生奨学金についてです。私費外国人留学生奨学金につきましては、中村総務部長が委員会の冒頭に述べられましたように、高等教育の推進の基本方針に挙げられている施策です。ですが、予算額が前年比マイナスなんですけれども、これはどうしてマイナスなのか説明を求めます。

百岳学事振興課長
 委員ご指摘のとおり、平成19年度の予算は5,000万円、そして平成20年度の当初予算で計上しているのは、4,500万円、1割カットでございます。
 この部分につきましては、やはり本県の未曾有の財政危機に伴う、いわゆる収支構造改革に伴って1割のカットをおねがいしているところでございます。

堀江県議
 未曾有の本県の財政危機という中で、私は、そこの削減カットの対象に、こうした施策が項目として挙げられるということは非常に納得ができないという立場で話しています。

 これは、今年500万円、向こう3年間それぞれ同じ額で1,500万円の削減なんですが、言われるように、この奨学金の制度はこれまでいろいろ変わりまして、最終的に月3万円、年間36万円を留学生に対して補助するということになりましたが、そうしますと、3年間で39人、約40人の受けられるべき外国人留学生の奨学金が削られるということになりますね。

 私は、長崎県が国際交流も含めてこれだけ進めているのであれば、こうした部分は10%のカットをすべきではないと思うんですよね。むしろ、今後増やしていけば、長崎県の将来のためにもよくなるというふうに思うんでが、10%カットというだけの理由しか述べられませんでしたけれど、これは増やしていく方向にはないんですか。

百岳学事振興課長
 この私費留学生の奨学金制度につきましては、実は経過がございまして、平成11年に私立の大学・短大に通う私費留学生に授業料減免をした場合に、それを補助するということで、いわゆる私立大学・短大に通う私費留学生の修学環境の改善等々を奨励するために設けたもので、当初、予算1,000万円からスタートしたものでございます。

 その後、長崎県長期総合計画におきまして、当時の長崎県における留学生の数が412人でございましたけれども、10年経過後は800人という倍増計画を立てて、私費留学生の増を図ってきたところでございますが、現在では約1,000人、正規の学生としては800人程度の目的を達成したところでございます。

 そして、なおかつこの間、1,000万円からスタートした事業を年々増額に努め、そして平成19年度、5,000万円で奨学金を創設したところでございますが、今回、先ほども申し上げましたように、本県の厳しい財政状況を踏まえ、この事業につきましては1割カットをお願いするということに相成った次第でございまして、私立大学・短大の方におきましても、やはり引き続き存続するためには、長崎県の財政事情を考慮するとやむを得ないというご意見も賜りまして、この部分につきましては1割カットで計上させていただいております。

堀江県議
 これは、意見としては相違点になるかと思うんですが、これは一定の目的を達したと言われればそうかもしれませんけれども、逆にまた、今後、長崎県の将来も含めて、こういう形で母国に帰られた皆さんが架け橋になっていただくということも含めて、私はこれは非常に大事な制度だというふうに思っております。

 そういう意味では、私はカットの方向ではなくて、同額の方向も検討していただきたいという思いを込めて質問させていただきましてので、意見を申し上げておきたいと思います。