2008年3月6日文教委員会
全国学力テストについての堀江県議の質疑

堀江県議
 全国学力調査等活用事業費について質問します。
 これは新規の事業なんですが、モデル校6校に対しまして行うということですけれども、これは平たく言いますと、学力テストの結果のよくない学校で、学力向上のための改善を図るということですか。

江頭義務教育課長
 昨年度の2月24日に全国学力・学習状況調査というのがございまして、本県につきましては、小学校の国語に課題があるものの、おおむね他の教科については良好という結果が得られたわけです。

 ただ、それは点数上の結果でありまして、内容的には、読みとる力が弱いであるとか、複数の条件下で考えながら問題を読み解くとかという力に大きな課題があるということが示されたわけです。
 そういった課題について、実践のレベルでその解決方法の道筋をつけていくということで、指定校をお願いして、その成果を全県下に普及しようとするものであって、問題があったから、その学校を得に指定して研究をさせようという趣旨で行うものではございません。
 
堀江県議
 義務教育課長、この学力テストというのは拒否できないんですか。
 全国では愛知県犬山市が学力テストに参加していませんよね。だから、長崎県が学力テストに参加をしないということを表明できないのかということをお尋ねしたいと思います。

 愛知県犬山市は、なぜ全国学力・学習状況調査に参加をしないかと言いますと、ここでは競争はなじまない、競争というのは教育になじまないので、こういう国が進める調査には参加せずに、自分たちで子ども達を育てていこうという立場に立っておられるんです。
 愛知県犬山市の例も考えたら、学力テストに参加しないと、そういう考え方もあっていいのではないかと私は思うんですが、その点はどうですか。

江頭義務教育課長
 私どもが全国学力・学習状況調査に参加するというお話でございましたが、基本的には、この全国学力・学習状況調査につきましては、国が実施主体です。参加主体につきましては、市町が参加主体ということになっております。

 県がかかわる、県が設置者である学校は県立中学校でございますので、県教委として市町の学校に対して、この調査に参加しなさいとか、参加をするなとかいう立場にないということを、まず、ご理解いただきたいと思います。

 したがって、本県の子ども達のいわゆる算数、国語、それから中学校の国語、数学についての理解度をはかっていきながら、その課題を検証していくという立場でその結果を活用していきたい。序列化をしていくとか、過度の競争をあおるとか、そういった立場で、この状況調査というものをとらえていくということではないということも、あわせてご理解いただければと思います。
 
堀江県議
 質問の最初に戻りますけれども、そうしますと、今回、新規事業である全国学力調査等活用事業費なんですが、まず、モデル校6校を決めてやろうと、そして、改善状況を全県に広めようという趣旨でやるんだということで、私が指摘するような、結果のよくない学校で学力向上のための改善を図るということではないと言われました。

 そうしますと、もう一点だけ聞きますが、モデル校6校の選出根拠というのはどういうふうになるんですか、そういうのがあるんですか。
 
江頭義務教育課長
 基本的には、私どもが直接その学校を指定してくださいというふうに、学校を一本釣りするという形での指定はいたしません。間に設置者である市町教育委員会というのがございますので、それぞれの地域の学習状況等について、それぞれの市町が結果をふまえた上で、しかるべき学校を指定するというような形でお願いすることになるだろうと思っております。

堀江県議
 しかるべき学校を指定する、そのしかるべき学校とは何ですか。
 
江頭義務教育課長
 冒頭に申し上げましたが、いわゆる点数的な問題ではなくて、いわゆる知識、技能というものをベースにしながら活用力の育成を図るというのが、今回の指導要領の改訂の趣旨でございます。
 そういった観点から、点数がよかろうと、悪かろうと、すべての学校に課題があるわけですから、そういった課題を踏まえながら、指定すべき学校を市町が考えてお願いをするという形になると思います。

堀江県議
 これは新規事業ですよね。新規事業ですから、各市町にそういう話をしないといけないんですよね。県がこういう事業をやるんだと、だからモデル6校を選出すると。でしかるべき学校をお願いしたいと。例えば私がどこかの自治体の教育関係者であれば、今の義務教育課長からの説明だけでは、どこの学校を選んでいいのかわかりませんね。

 新年度の事業でやろうとしてるわけですから、全く何もなしでやるというんじゃないんでしょう。もう少し具体的に話せないんですか。

江頭義務教育課長
 先ほど申し上げましたが、私どもからそれぞれの学校を指定するということではなくて、一つは、先ほど言った思考力、表現力等について課題が顕著であるような学校、あるいは全体としてはいいんだけれども、ある部分が非常に陥没をしている、そういった特徴が非常に顕著な部分について指定をすることはあり得るだろうと思っています。

堀江県議
 全国学力調査等活用事業ですから、全国学力テストをやったことを活用してこの事業を進めるんでしょう。私は何を基準に6校を選ぶのかと、その基準はどうやって市町の教育関係者に言うのかと聞いているのですが、そこをもう少し言えないですか。

江頭義務教育課長
 全国学力調査等活用事業につきましては、調査の活用協力地区というのを先にお願いします。

 例えば、これは市町ですから、長崎市であるとか、西海市であるとか、江迎町にお願いをしますと。そこについては、基本的には、それぞれの地区の子ども達には学力に関して一定の課題がございます。6校ですから、本来なら23市町すべてを地区に指定できればいいわけですが、特に自分の地区の管内のいわゆる学力に課題を感じて、意欲的にその改善に向けて一つの学校をモデルにして取り組んでいこうと言われる地区にお願いをすることが、大前提になるだろうと思っています。

堀江県議
 これは全国で一斉にやるんですよ。長崎県だけが新規でやるんじゃないんです。全国都道府県が新規の事業で、国の方針に基づいてやる事業なんでしょう。その点だけ確認させて下さい。
 
江頭義務教育課長
 これは全国的な取り組みでございます。

堀江県議
 この学力テストの問題は、59号議案ともかかわりますので、59号議案でも、また、引き続き審議をしたいと思っております。