2008年3月5日 文教委員会
富江高校存続を求める請願についての堀江県議の質疑

堀江県議
 本請願は、富江高校を小規模でも残してもらいたいという請願なんですが、そのことについて3点お尋ねしたいと思います。
 
地元でいろんな声がある中で、存続を求める会をするということは、非常に大きな苦労があると思います。私も、東松浦高校の地元の皆さんと意見交換させていただいたりしましたが、こうした運動を様々な困難を乗り越えて続けていくというのは、非常に苦労があると思っています。そうした皆さんが、改めて今議会に、海を越えて請願をされた苦労を本当に思いながら質問したいと思います。

 一つは、富江高校を存続させてほしいという声は、旧富江町の人だけが言っているかのような高校改革推進室長の答弁にも聞こえました。言われるように、五島市議会も昨年陳情いたしております。それから、集まった署名というのは、旧富江町の人口をはるかに超えています。それを思えば、富江高校を存続してほしいというこの請願の内容、運動というのは、旧富江町の人たちだけが言っていることなんだという認識ですか。その点を確認させてください。

北浦高校改革推進室長
 先ほど答弁したのは、他地区からの声がありますかということで、それは特にないということで申し上げたわけですが、9月に富江高校の存続を求める会というのを富江地区15団体が集まって組織され、富江地区にある団体のほとんどだと思いますが、10月19日に説明会が開かれた折りには、会場に入りきれないほどの多くが集まられましたので、その熱意、思いということは十分認識しておりますし、市長をはじめ、市議会からも陳情、意見書をいただいておりますし、また、1万8000人を超える署名が集まっておりますので、富江地区のみならず、下五島地区の大きな声だということは認識はしております。

堀江県議
 そうしますと、富江高校を残してほしいというのは、単に富江高校がある地元の声だけではないという認識ですね。

 2点目の質問ですが、そこで請願の方が述べられましたが、高校進学について40世帯が断念をすると、こういう調査もあるんだというお話がありました。この点ですが、これは地域の実情にならないのか。発表されております第4次の実施計画、高校改革、教育改革の中では、もちろん望ましい適切な規模、配置、人員を述べながらも、地域の実情ということを一つ述べられております。こういった、実際に今の時点で数字を上げて、高校進学を断念しなければいけないかもしれないという実情があるときに、これは地域の実情にならないのですか。

北浦高校改革推進室長
 その実態調査については、せんだっての少子高齢対策特別委員会でも資料として提出されたものですが、富江中学校のPTA会長で、存続を求める運動に利用するためということで行われた調査結果なんですけれども、その中の、「仮に富江高校が閉校となった場合に、通学手段及び経済的理由などにより、旧福江市内の高校に進学させることはできますか、」「できない」というのが20人ということで、トータル31.9%ですが、まず、その数字については、当初の26人、18.1%というのは確かな数だと思うんですが、再分類というのが、無記名で調査されたものをどうやって再分類されたのかという疑問があって、後半の数字については少し不確かなのかなという思いもあります。26人の数ですが、これは現行の通学定期代、2万円を超える通学定期代であれば、確かに厳しいと思うんですが、新たにスクールバス方式で低い通学費を提示すれば、また変わってくるのではないかというふうに考えております。
以上です。

堀江県議
 少子高齢対策特別委員会の中で高校改革推進室長は、「高校は義務教育ではない。最終的には個人の判断」と、この調査アンケートに対する答弁をされましたね。結局、私が今言った40世帯と、その数字自体に疑問を投げかけながら、高校に進学できないんだという声に対しては、それは何らかの対応でできるんだというふうな答弁かと思うんです。

 私が言いたいことは、この計画案というのは、これは決まった事ではないんでしょう。これは計画ですよね。計画ということは、地元の声も聞き、そして、昨年1年間、県議会の一般質問でも取り上げられ、あるいは少子高齢特別委員会をはじめとしまして、この文教委員会でもいろんな意見が出された。こうした議員の質疑や地元の声や、残してほしいというこの声というのは、これはもう計画の変更にはならないということですか。
 
これまでの答弁を聞いておりますと、この計画は、もう絶対変更しないんだと、閉校計画は予定どおりやると、どんな声があっても、結局はバス代を出せばいいと、5年間出せばそれで済むというふうな、そういう対応をすれば、地域の実情に対応したというふうに私には聞こえるんです。
 だから、計画が決まっていないんであれば、今、「残してほしい」と私も意見を言っておりますし、議会でもこれまで出てきた、請願も、そういう請願が出ている、それは閉校をやめるということにはならないんですか。

北浦高校改革推進室長
 地元説明の当初から、予定では3月の定例教育委員会で最終決定するんだと、それまでは検討するということで申し上げておりますので、委員の認識で結構なんですが、やはり地元の声としては、地元から高校がなくなるその寂しさなり、あるいは経済的な影響なりというような部分も含まれていると思うんですが、私どもは、あくまでもこれから入ってくる高校生のための望ましい教育環境ということを考え、さらに、下五島地区全体、現在4校ありますが、この4校を維持していくと、それぞれが2、3学級の小規模校になって、自分の能力を伸ばす、あるいは進路実現をするための教育環境としては望ましくないと考え、そうなると、自分の進路実現のために、能力を伸ばすためにわざわざ島外に出る子どもがまた増えてくると、そういうふうなことも懸念されますので、やはり大所高所から考え、統廃合を進めるべきだと考えて、地元の声を聞きながらも、最終的にそういう方向に持っていきたいと考えているところです。

堀江県議
 つまり、私が今質問したのは、これは閉校計画なんですよ。だから、閉校計画なので、いろんな意見を聞いて閉校を取りやめるということがあるのかと私は質問しているで、いろいろ遠回しな言い方をしていますが、平たく言えば、閉校まずありき、そういうことですね。3月で決まると言いながら、閉校をすると決めた高校は必ず閉校するということを言ってるんですか。

北浦高校改革推進室長
 5月から地元説明を続けてきて、私どもなりにずっと検討は続けてきましたが、もう3月に入りましたし、最終的な判断を示す時期だと考え、今のような考え方を申し述べたところです。

休憩

堀江県議
 私は、長崎県立富江高等学校の存続に関する請願書につきましては、請願採択の立場で討論させていただきたいと思います。
 先ほど教育長は、この計画を平成13年度から定めてご理解をいただきたいと、そういうご答弁をされました。つまり、この第4次実施計画を教育委員会としては、もう平成13年度から定めているので、閉校ありきで地元の皆さんに対応しているんだなということを改めて思いました。

 昨年、地元の皆さんに説明されて、地元の皆さんとしてはいろんな意見もあるけれども、小規模でもいいから残してほしいというご意見です。少なくとも合意を得ている地域もあるかもしれませんが、県立富江高校につきましては地元の合意を得ていないと、私は思っております。

 しかも、島に4つあるから、そういう話がありましたけれども、広い、あの福江島の中でどういうふうに地域が育ってきたかと考えましたときに、地元の皆さんが、「高校のあるなしは、島の浮き沈みにも反映する」と言った、これは痛切な思いです。それは、単に地元から高校がなくなるから寂しいという、そういう問題ではありません。

 私は、離島を抱える長崎県の教育行政で適正規模という場合に、少人数学級ということで長崎県も実施をしているんだと理解をしています。義務教育と高等学校はもちろん教育の内容が違いますが、地元の皆さんが合意をしていないのに、閉校ありきの計画を続行すると、そういう姿勢は、私は改めるべきだというふうに思っております。富江高校の存続を強く求めて、請願の賛成討論といたします。