厚生環境委員会・議案外発言
助産師・助産院の医療連携と妊婦検診の公費負担について
07.12.13
 
●堀江県議
 今年4月改正の医療法第19条では、お産を取り扱う助産院は
@嘱託医を産科医と定めること。
A24時間緊急対応ができる連携医療機関を持たなければならない、と定められています。2008年4月施行です。
 側聞するところによれば、医療連携は困難とも聞いております。そこで質問ですが、医療法第19条の対象となる助産院は県内にどれくらいあるか、来春に向けて連携医療機関は持てているのか、現状を教えていただきたい。

医療政策課長
 医療連携をとる助産所につきましては、分娩をベッドを持っている助産所でございますけど、これは4カ所ということです。
 医療機関との連携が取れてるのかということですが、助産師会からも県の方に協力をいただきたいというようなご要望もいただいておりますし、私どもとしては各助産所のみなさんと連携をとっていただく病院、大学とか、市民病院でありますとかそういうところにできますれば連携がうまくいくような事で話をさせていただきたいと思っております。

●堀江県議
 いわゆる連携をとらなければいけない、あるいは嘱託医として産科医を定めなければならない、これらの4カ所は現状は、来年の4月の執行については十分対応できるという認識でいいんですか。

医療政策課長
 今聞いておりますのは、来年4月に向けて医療機関と話をしてると、いうことで相整いました、という話は私の方では聞いておりません。

●堀江県議
 今の段階で来年4月までに医療連携が取れてなければ、助産院としては開業できないわけでよね。廃業しなければいけない。
 そういう状況の中で、今現状の中で相整いましたということではないという意味は、現状の段階ではまだ来年4月からの施行は十分準備が必要だということですが、そこで質問です。県の対応です。

 もちろんその助産院が必要な医療機関を探したりしないといけないんですがね、私はこの医療法第19条の改正というのは、結局そういう条件が整わなければ廃業しなければならないという大変な深刻な事態だと思うんです。
 特に地域の助産院というのは、私が申し上げるまでもなく非常に今見直されていると思うんですよ。特に出産する選択肢を病院だけでなく、助産師・助産院として選ぶと、いうこともありますし、またこれだけ離島が多い本県ではね、助産師・助産院の役割は多いと思います。
 お聞きするところによると、出産の8割は正常出産ということですから、そういう意味では必ず病院でなければならない理由はないわけで、助産師・助産院の廃業するかもしれないというこういう状況の中で、私は県の役割というものは非常に大事だと思うんです。

 県としてこの問題に関わってのですね、何もされないんですか、それは助産師・助産院が各自でやってくださいていう対応になるんですかね。

医療政策課長
 原則的には緊急対応の際のという医療機関をきちんと定めておくというのがこの法律の趣旨でございますけど、今委員がおっしゃったように、私が相整っていませんと申し上げたのは、まだ今各医療機関と交渉中だということでございまして、そういう緊急対応をやる病院というのもかなり多忙だということも聞いておりますので、ぜひ助産所とあるいはその医療機関そこの話がどういう風に進んでいくかによって、また私どももお話を聞かせていただこうかな、という風に思っております。

●堀江県議
 今の課長の答弁は、助産師・助産院をしている皆さんが、緊急の医療機関を探すということで努力はしているけれども、県としてもそれは勝手にやりなさいということではなく、対応できるところは対応しながら来年の4月以降廃業になるということがないようにしたいという、こういう姿勢があるということを確認してもいいですか。

医療政策課長
 私どもは、周産期といいますかそういう産科医療の中での助産所の役割というものを認識いたしております。おっしゃるように正常分娩が7割以上ありますから、そういったところへの対応ということで、医療機関との連携がうまくいくような所については検討して対応してまいりたいと思っております。

●堀江県議
 県としても、助産所・助産院が廃業にならないように対応したいという前向きな答弁で私は良としたいと思います。
 
 そこで、長崎開業助産師マップというのがあります。これは委員長の許可をいただきました。委員の皆さんにも配布していただきたいと思います。(配布される)

 私は、女性が出産するときに出産場所が病院だけではないと、助産所・助産院もあるということを広く知らせるということは、非常に大事なことだと思っています。
 それこそずっと昔は、お産というと当時は産婆さんが来るという風な言い方をされたというように聞いておりますが、そういう状況というのを、今後も作っていくということをしていかないと出産の安心・安全のサポート体制を作るということではですね、非常に問われる事ではないかと思います。
 これは、長崎県助産師会が作ったパンフレットではありますが、この対応がですね、長崎県の自治体によって違うんです。長崎市は出産した際に母子手帳をもらいにいくんですが、これは、長崎市の資料です。事務局でいただいたんですが、長崎市にはこの助産師マップは入ってないんです。大村市は入っているんです。
 その初めて出産する場所が病院だけではない、という選択肢の幅が一つ広がるんです。そういう意味では、私はこういった県の助産師会が努力をして出しておられる、こういったマップも、一番いいのは母子手帳を配布するときに、この中に1冊入れたらですねかさばりませんから、私は助産師の役割を認識するのに広く効果があると思うんですが、そういう提案をさせていただきます。

子ども家庭課長
 安心安全な妊娠・出産という点で、どういう手段があるかということについての情報の提供・把握は非常に大事なことだと思っておりますので、関係機関とも連携をとりながら、そこら辺については地域の実情もふまえながら確認させていただきたいと思っております。

●堀江県議
 ぜひですね、助産師・助産院はどこにあって、どのような役割をするのかというのが、よくわかる素晴らしいパンフレットだと思っておりますので、活用する方向で検討していただきたいと思います。

 もう一つ、この助産師と関わって、先の委員会で私が取り上げました、妊婦検診の公費負担についてですね。今まで2回していたけれど来年から5回にするように県としては指導したいという課長の答弁がありました。
 しかし、これは実態としては、助産師助産院は長崎県の場合は該当しないんです。助産師の方が妊婦検診してもですね、公費負担の対象にはなりません。県によって違うんですが、なぜ長崎県は助産師の場合は妊婦検診が公費負担の対象にならないんですか。

子ども家庭課長
 今の制度上は、市町が妊婦検診の事業実施主体となってやられております。具体的には長崎県の市町村社会福祉振興財団が各市町と県の医師会と関係機関と協議・調整計りながら、具体的な単価の調整や検診項目の調整をしておる状況でございますが、その中で、助産師が対象になっていないのではないかということにつきましては、誠に恐縮ではございますけれども、経緯については確認しておりませんので、確認をした上でまた対応・検討させていただきたいと思います。

●堀江県議
 私がこの問題を取り上げるには、助産師の方からこの話を聞いて、公費検診の5回になるこれは本当にうれしいことなんだけど、助産師が対象になってないこのことを何とかしてほしい、という要望をうけて質問をしているんです。

 1月に厚生労働省が妊婦検診審査の公費負担の望ましいあり方について、という通知を致しました。これは、先に議会で子ども家庭課長と私がやりとりした内容です。その後厚生労働省は、6月26日に妊婦検診審査の公費負担の取り扱いについて、通達も出しております。
 つまり、助産師・助産院も妊婦検診公費負担の対象となりえるので、そういう指導をきちんとしなさいと、という内容です。ぜひ、県としては関係機関とこのことを協議をされ、来年から助産師・助産院も対象になるように努力をしていただきたいと強く要望するわけですが、見解を求めます。

子ども家庭課長
 今の点のご指摘もふまえて、検討・対応させていただきたいと思います。