長崎県子ども条例についての
堀江県議の質疑

 10月17日 少子・高齢化対策特別委員会


●堀江県議
 子ども条例について質問いたします。
 今日の長崎新聞で、県の子ども条例で中高生と意見交換という記事が掲載をされております。
 中学・高校生を対象にした意見交換を長崎県が、行うということで、長崎東中高を皮切りに始めるという記事でございますが、私がおたずねしたいのは、子ども達の意見を聞くという具体的な内容についてです。
 ここでは生徒の16人が参加をして、子ども条例の内容について、素案について担当課から説明をされて、全体の印象・感想を聞いたと報道されておりますが、実際に子ども達自信が、子ども条例を作るという立場でのそうした意見交換、子ども達の意見を聞くという対応はされないのか、同時に小学生を対象にした意見を聞くというのは考えておられないのか。
 子どもの意見を聞くということで2点まず質問したいと思います。


子ども未来課長
  昨日、長崎市内の東中・東高の児童生徒16名と意見交換をしました。そしてそこに長崎新聞で紹介されているとおり、私どもの条例を説明して各全体の印象とか、育ちたい・育てたい子ども像であるとか、基本的な考え方であるとか個別に意見をうかがいました。
 一点目のおたずねの子ども自身が定める子どものための条例、いわゆる子どもの権利を謳い込んだような条例と考えさせていただいて良いかと思いますが、そういうことをしたいか、という立場での意見交換はしないのか?というおたずねだと思いますが、そのことについては、私どもは制定の主旨をあくまで3本の方針をもった、・少子化対策の推進・子どもの健全育成の推進・いじめや虐待の防止という主に大人の取り組みを定めたもの、として説明は致しております。
 その前段として条例とは何か?というご説明をしました。
 条例とは県や市などが、地方公共団体がその事務について規定するものであり、それは県が行う事務、それから県の施設の使い方、その他県が行うことについて、法律が定めることと矛盾しない範囲で、定めます。というご説明をしました。

 そしてまた、子どもに関する法律が、どういったものがあるかというと、日本国憲法で基本的人権が定まり、教育基本法で教育に関する基本的事柄が定まり、児童福祉法があり、少年法があり、省略形ですが、児童虐待防止法があり、という状況それから次世代育成支援対策推進法があるとそれから法律に準じるものとして、昭和26年に定められた児童憲章がありそして、子どもの権利条約も世界中の政府に対してということで、子どもの権利を守るということを求め、そして日本も1994年に批准していること。
 そして、県や市の条例というのもそれぞれ定めていると。その範囲の中で私どもは、子どもがより夢と希望を持って健やかに成長できる環境をつくる条例を作りたい、と考えているという説明はしました。

 それに対しての反対の意見というか、そういった方面での意見はございませんでした。そういった事から二つ目のご意見でございます、小学生について意見交換を広げるつもりはないか、ということについては、現状では考えていないということです。
 ただし、この条例があくまで子育て支援とか少子化対策だけを定めることかというとそうではございません。どういう子どもを育てたいかとか、基本的な考え方は定めておりますので、その中にどういった子どもの権利があるかということは最小限は書き込んだつもりでありますが、そこが仮に足りないとすると、書き込むということはあるかという風に考えております。
 そこはうかがってまいりたいし、小学生でもこれを理解できるような、解説書なりを作って、意見交換をするという手はありますが、私どもが子どもを主軸に意見を聞いていないと言うことは、大人の取り組みを主に書いたもの、県の事務について定めたものだからでございます。以上でございます。

●堀江県議
 今、課長の答弁の中で、長崎県が作ろうとしている子ども条例は、主に大人の取り組みを定めたものだというお話がありました。
 私は、ブログを開設しておりますが、私のブログのこういう書き込みがありました。「今の内容からいえば子ども条例ではなく、子ども健全育成条例に名前を変えるべきでしょう」。
 今ですね長崎県が2月議会で定めたいと思った子ども条例が、延ばさざるを得ないほど県民の反論が出ているのはなぜか?とそれはですね、子どもの権利を謳ってないからです。
 朝日新聞の10月6日の投書によりますと、48歳の歯科医師の方は、「他の市や町の子ども条例は、涙が出るくらい素晴らしいんだ、子どもは大人とともに社会を構成するパートナーとして大人に認められ、様々な権利が保障される中で他者の権利を尊重する姿勢や、責任感などを身につけます。こういう前文で始まる条例もある、だけど長崎県はそうなっていないその違いにあまりにも悲しくなった。」という投書があっています。
 私はですね、子どもをとらえるときに、子どもは大人のパートナーとしてとらえるかそれとも、保護育成の対象としてとらえるか、そのことによって子ども条例のとらえ方は大きく変わってまいります。
 国連採択の子どもの権利条約では、子どもを一人の権利主体ととらえ、生きる権利・育つ権利・守られる権利・参加する権利に要約される子どもの権利を保障して、大人は子どもにとって最善の利益を第一に考えることを謳っています。
 長崎は保護育成の対象としてしか子どもをとらえていないから、課長がいわれるようにですねこの子ども条例については大人の取り組みを定めたものだと、子どもの権利の条約の立場に立っていないと私は思うんですが。
 県民のみなさんの指摘はですね、私は一つはここにあると思っているんですが、そういう意味では、大人の取り組みを定めたものではなく、子どもの権利条約の立場に立った子ども条例を私は定めるべきだと思いますが、その点の考えはいかがですか?

子ども未来課長
 先ほどご説明いたしました通り、子どもの権利条約あるいは児童憲章を否定する立場はとっておりません。
 同じ流れの中で、この条例を考えております。そして、子ども2の資料の3ページでございますが、3の基本的な考え方、中程でございます。B「子どもはあらゆる暴力や身体的または精神的な苦痛その他の不当な扱いなどを受けることはなく、人としての尊厳は守られます。また、子どもも社会の一員としてルールを守り、他の人の権利を尊重することが大切です。」ということでパートナーとしてとらえております。以上でございます。

●堀江県議
 子どもの権利条約を否定する立場には立っていない。そうではなくて、子どもの権利条約を前面に出した、長崎県の子ども条例を作ってほしい、と私は非常に思います。
 そこでパブリックコメントですが、今回10月からということなんですが、これはこれまで通り、10月からということで出されました10月16日付けの素案をもとにこれは県民にパブリックコメントをいつから開始をするのかそのことも教えてください。

子ども未来課長
 否定するではなくて、尊重する立場での条例でございます。
 それからもう一つ10月16日の案でパブリックコメントをする予定は今のところございません。今県民のみなさまのご意見を聞いておりますのは、より県民のみなさまの意志が反映されたものにする、条例をそのようにするということですので、現在の意見交換をもとに必要があれば、修正を加えそれをもう一度同じ手続きをとりながら、各子どもに関わる審議会等のご意見もうかがいながら、来年4月にパブリックコメントが開始できれば、という風な事を考えております。

●堀江県議
 子ども条例を尊重するんだったら、前面にだしてやってほしいと、いうことを強く要望したいと思います。
 そこでですね、素案が一度出されようとしたんですけれども、パブリックコメントにはまだ入らないと、しかしそうしますと、県民のみなさんは、子ども条例をどうやって目にしたらいいんですか?
 関わる方達がですね県民の中でほんのわずかですよ、素案をみられる方達は、ですが、できてしまってからでは遅いわけで、広く意見を聞くということであればですね、今後10校あわせて20校の子ども達の意見を聞くというのもあってもですね、広く素案そのものもですねパブリックコメントという形にならないにしても、何らかの対応をされないと、みられませんよね。この点はどんな風に考えておられるんですか。

子ども未来課長
 ただ今委員ご指摘のものについては、情報公開室には備えてあります。
 そこに来ていただくとコピーが取れるというようになってるんですが、現在それではなかなか取れないということで、具体的に要望があった方には差し上げたりしているのですが、パブリックコメントを開始したわけではないということを、現在内部で調整中でございます。
 ホームページでみられるようにするのか、どうするのか、もう少し検討の時間をいただきたいと存じます。なんらかの形でみなさまにふれないと意見が申し述べられないでしょうから、その点は充分考えていきます。近々に行います。

●堀江県議
 今課長が言われたように、何らかの形で目にふれないと、広く意見を聞くと言ったって聞いたことにはならないわけですよ。
 情報公開までしたらもらえますよと言うことですけれど、備えてあると言うことですが、そういうことでは、私は広く意見を聞くという立場に立っていないと思っておりますので、今のところ現状ではですね、担当課なりに見せてほしいと来れば出しますよと言うことであっても、そうであればそういう内容を広く公開するなり、色んな形で知らせてですね、広く本当に聞くという立場に立った対応をしていただきたいという事をですね、要望しておきたいと思います。そういう立場であると認識していいですか?

子ども未来課長
 ご理解いただいて結構でございます。

●堀江県議
 子ども条例につきましてはですね、広くまず県民に知らせることがなければ県民の声は聞けませんから、パブリックコメントという手法をとらなければ、別の方法も含めて、ぜひ対応していただきたいという風に思います。