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乳幼児医療費助成制度改悪に関する質問
(厚生環境委員会)3月9日
【質問−中田県議】
乳幼児医療費助成について、私は子育て支援にさらに効果がある現物給付に改善するよう繰り返し求めてきましたが、県は「償還払いを維持する」として「現物給付に移行する市町には県の助成を2分の1から3分の1に減らす」という方針を新たに打ち出しました。県下で長崎市が新年度から現物給付の実施に踏み切り、更に佐世保市など県下に広がろうとする機運に、県がブレ−キをかけようとしています。
その理由として、先程こども政策局長は「厳しい財政事情のなか、現物給付の導入に多額の財源を使うより、むしろ、今、緊急に求められている新たな子育て支援施策等への活用を優先すべきである」と述べました。これは知事も立石副知事も口をそろえて言っていますが、それは県の考え方、行政の都合です。そうではなくて県民の声に耳を傾けてほしい。金子知事は昨年の知事選挙で「県民主役の県政」を公約しました。ならば、いま県民が子育てのなかでいちばん切実に支援を求めているものはなにか、ということを真剣に見てそれに応えることを第一にすべきではありませんか。
ここに、一昨年9月に乳幼児医療長崎ネットという子育て家庭や医療関係者などでつくる団体が、子育て中の保護者1万2千人に、県の医療費助成制度についてたずねたアンケ−ト調査の結果があります こどもの医療費助成の方法について、いまのまま、すなわち償還払いでいいと答えた人は1090人で9・2%にすぎず、窓口で自己負担分だけ支払う現物給付をのぞむ人が10298人で86・6%にのぼっています。
そして、何故、現物給付なのかという理由として書かれた意見で、もっとも切実なのは「償還払いだと、お金がないとこどもが病院にかかれない」ということです。
書かれた声は「通院はまだ少額だが、入院になると額も大きくなり大変です。現物給付だと急な病気のとき助かるのにと思います」「お金がなくて病院に連れていけないことが多々あります。病院の先生に『なぜもっと早くこなかったか』といわれるが、まずお金を心配しなければならない現状を察してほしい」「他の県の話をきくとうらやましい。お金がない時風邪を引いたりすると、病院に連れて行けないときもあります」と誠に切実です。
子育ての心配がいろいろあるなかで、やはり一番大きいのはこどもの病気であり、その費用の問題です。こどもがどんな病気になってもお金の心配なく病院にかかれるようにしてほしい、これが県民が一番求めている子育て支援であり、一番効果的な少子化対策だということは、この1万2千人アンケ−トからも明らかだと思います。この点、こども政策局長はどうお考えでしょうか。質問します。
【答弁−浦川こども政策局長】
議員のおっしゃる視点もほんとによく理解できますが、先程現場の声をしっかり着目して、見逃さずに支援をしていくべきだというご指摘もありますが、全く私どもも子育ての中で支援を求めている声なき声、この人たちに対して、ほんとに目を注いだ時に、例えば、先程の発達障害にしてもそうですが、3歳未満児在宅の子育て家庭の親たちにしてもそうですけれども、ほんとに負担感とか、孤独感とか、そういうともかく助けてくれというのを言葉にはしておりませんけれど、非常に厳しい状況があります。
そういった非常に緊急なところに急いで手を打っていく必要な人たちに急いで支援をしていく、これが福祉の考え方であろうということで、今、制度、枠組みは揃って取り組んだばかりだから、次は、今度はこっちの方の支援の待っているところにやっていこうというところに、私どもは軸足を置いているところでございます。
【質問−中田】
九州7県をみても、熊本県が市や町によって現物給付と償還払いのどちらでもよいとして同じ助成をし、福岡県は始めたときから現物給付、佐賀県が1998年に償還払いを現物給付にし、大分県が99年に現物給付に、宮崎県が2001年から現物給付に移行しています。
みんな県民の利便性をよくして子育て支援の効果をあげるためといっています。償還払いで残っているのは九州で鹿児島県と長崎県だけで、全国でも12県と少数です。その長崎県が現物給付にいくどころか逆に、いこうとする市や町には県の補助金を減らして出来ないようにするのは、子育て支援の流れに逆行します。
全国で長崎県のように現物給付の市町には償還払いの市町と格差をつけて補助金を削るようなことをやっている県は他にありません。全国でまったく例がないやり方で、子育て家庭の切実な願いを実現できなくする今回の制度見直しは中止し、本県も一日も早くよその県のように現物給付を実現して県民の願いに応えてほしいと強く要望いたします。 |
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