中田県議の文教委員会での質疑
長崎市内小学校長の給食費流用問題についての質疑要旨  文教委員会 3月6日

  この質問の3日後、3月9日付長崎新聞が「長崎地検が市民団体の告発を受けて、 元校長の任意聴取や口座の出入金記録を調べるなど裏付け捜査をし、188万5千 円の着服を確認し、告発状を正式受理した」と報道しました。

【質問―中田県議】
 給食費流用問題について教育長に質問します。教育長は昨日の本委員会への教育長報告で「本件について調査をしたが、全容解明を果たすには至らなかったので、調査を終了する」として「本件にかかる今日までの経緯につきましては、極めて遺憾であり、住民訴訟が提起されましたことにつきましても、県民の皆様に対して深くお詫び申し上げます」と陳謝しました。教育長が、「極めて遺憾であり、お詫びする」という内容は、具体的にどういうことを指しているのか、説明していただきたい。

 教育長はこの陳謝の発言に続けて、昨年8月29日付けで通知された県監査委員の監査結果において、本件への対応が「教育行政のありようが問われる遺憾な事態」との指摘をうけたことを初めて述べ「これを重く受け止めて、今後適切な職務遂行につとめる」とのべています。
 この「教育行政のありようが問われる遺憾な事態」とは、なにを指しているかといえば、監査委員の意見で「県教委が、市教委から先に提出された処分内申と、その後提出された相反する退職内申のどちらが市教委の最終判断であるかの確認をしていない。
 さらに3月15日の人事異動内示、普通退職の際にも処分内申の取り扱いをどうするか双方とも確認していない。このような状況下で行われた本件普通退職発令が、教育行政のありようが問われる遺憾な事態だ」とされているのであります。
 そして、そのような状況下で普通退職を発令したのは県教委ですから、監査委員からのこのような指摘をうけたことが県教委として極めて遺憾であったはずであります。また同じく監査委員の意見で「本事案について引き続き事実確認を行い、適切に措置されるよう望むものである」と求められていたが、事実が解明できず、適切に措置できなかったことが遺憾であった。教育長が「今日までの経緯につきましては、極めて遺憾であった」というなら、当然こういう内容が含まれなければならないと思いますが、教育長、どうですか。

【答弁−横田教育長】
 昨年3月以来、この問題で県と市の意思判断の確認が十分でなかったり、その後の処理で明確にこういうものだと示しえなかったことについて、市とも協議を重ねてきましたが、時間が経って、その間県民の方々にご心配をおかけしました。
 市とも共同調査をいたしましたが、住民訴訟で提起されているようなことを証明するような物証を得ることができませんでした。そして監査委員からのご指摘についても、ハッキリした形でお示しできなかったなどの点について、ご心配おかけしたことについて深くお詫び申し上げたいと思います。
 私どもも当時としては、それなりの判断をしたことについては市とも十分もっとすべきではなかったかとのご指摘が、いまとなってみれば、やはりあったと真摯に受け止めなければいけないということでございます。今後、このような処分内申があった際には、十分市との意思の疎通を双方真摯な態度で対応していかないと、結局は教育現場の子どもたち、あるいは保護者の皆様方に教育行政のありかたについて非常に不信感を持たれることについて、非常に残念であると、私どもは受け止めているところでございます。

【質問−中田】
 昨年3月の県教委の対応に落ち度があったことをハッキリと認めにゃいかんですよ。遺憾であったというのは残念であったということではなくて「悪かった、申し訳なかった」とハッキリしてもらわんといかんですよ。

 この問題について横田教育長は、昨年6月28日の本会議一般質問の答弁で「給食費の流用そのものがあったかどうかについては、どうもあったように私も思います」と答弁しています。当該校長本人も、その供述書で「私の借金返済のために流用したことに、後悔と反省をおくる日々です。横領ととられても仕方ない流用について本当に不徳のいたすところです。申し訳ございません」と認めて述べています。
 昨日の説明でも、県教委と市教委の共同調査の結果「当該校の給食費会計には、使途が確認できない金銭の動きが見られた」と報告されています。

 これらを見ればだれが考えたって「校長の給食費流用はあった。処分が必要」と見るのが当然じゃありませんか。それを県教委は、昨年3月ほとんど調査らしい調査もせずに、当該校長を処分なしで普通退職にして2050万円の満額の退職金を支給してしまった。
 そのあと議会から追及され、監査委員の意見も出て、再調査したが事実の確認には至らなかった。しかし、それらの調査は本来事件発覚直後の昨年3月にしなければならなかったことです。
 校長を退職させる前に校長の退職願を保留にして、校長が公務員である時に行うべきものであった。そうすれば今のようにあいまいでない事実関係が解明でき、調査の力が発揮できたはずであります。
 
 最初、県はいくら調査をせよと求めても、調査は市しかできない、県はできないといいつづけた。やればできるのにできないと言い張る重大な判断間違いを次々に重ねてきて、タイミングを逸した。県民からみれば、どうしてそれをしなかったのか、と一番不信をかうところであります。明確な県教委の対応の誤りであり、これこそ遺憾であったのではありませんか。

【答弁−教育長】
 私は、昨年3月の経過について着任してからお聞きして、やはりこれは内申をする服務監督者である市教委が証拠を出さないといけない。第一の務めだろうと思います。県教委としては、再三にわたり報告するよう求めておるようでございます。
 文書で申し入れをしましても確たるものが出て参りませんので、文部科学省に相談しましたところ、共同調査を申し入れをしたうえでやれば一緒に調査できるということでございましたものですから、監査委員のご指摘もあり、なんとしても明らかにする必要があるとして共同調査をやったものでございます。

【質問−中田】
 だから、その調査を校長の退職願を受理せず保留にしてすべきだったのです。それを県は調査できない、市が持ってこないと、全部市の責任のように言って退職願を受理してしまった。県教委の責任は明白じゃありませんか。

 昨年12月18日の県教育委員会に教育長から「長崎市立小学校における給食費流用問題にかかる県教育委員会の見解及び今後の対応」という最終結論が報告され、確認されました。
 この見解は「長崎市教委が処分を求める理由として示した3点について、いずれも懲戒処分に該当することを客観的に証明できるような証拠を得ることはできなかったので調査を終了する」という結論です。これでは自ら私費流用を認めていた校長を「みすみす取り逃がしたのか、本当に疑いは晴れたのか」と県民の不信は一層つのります。

 長崎市教委も、県教委のこの見解には「納得しかねる」と表明し、1月11日市教育委員5名連名で次のように県教委に申し入れています。「市教委は、むしろ、共同調査の結果、私的流用の疑いがますます濃くなったと判断している。
 県教育委員会も任命権者・処分権者として、元校長に対して、何らかの措置をとる必要があると考えております」として、具体的に3点について見解を述べて県教委の文書回答を求めています。
 処分内申に関して共同で調査をし、双方確認しあって「共同調査結果」という文書までつくった県教委と市教委がまったく違った見解を持った。県教委は「もう何もでない、調査は終了だ」といい、市教委は「この結果を見ても私的流用の疑いがますます濃くなった。
 処分の理由がないという県教委の見解には納得しかねる」といっていることは誠に重大で、県民から見ればいよいよ不信が募ります。県教委は、市教委と共同調査をしてきていよいよ結論を出すときに市教委と協議をしたのですか。なんで共同の結論を出す協議をしないのですか。

【答弁−宮野義務教育課長】
 長崎市教委から6月に資料が届きましたが、なかなか解明できない部分が多い。市に資料の解説を何度かお願いしましたが、回答した通りだという冷たい文書回答でした。なんとか打開しなければいけないということで、市と共同で調査をやったところでございます。 そのおりも処分内申で、しばしば流用したと言っているが、これのどれにあたるのかと聞いたところ、その一つ一つについてはわからない、という返事でした。私どもの結論も、たしかに共同調査のなかで使途不明と思われる金銭の動きはあったものの、どれが果たして私的流用かどうか確認できなかったので、そう返事をしたところでございます。

【質問−中田】
 しかし、共同調査をしてその結果までは双方で合意して確認しながら、それをどう見るかという一番大事なところで大きく離れてしまうのは、おかしいじゃありませんか。共同調査結果をまとめてから話し合いをしましたか。責任あるもの同士の話し合いが必要な問題でしょう。

【答弁−義務教育課長】
 私ども最終的に12月18日に定例県教育委員会に提出しましたので、その内容は事前に電話で連絡を取り合って伝えました。使途不明の金銭のどれが校長の私的流用か確認できないという点では意見が共通していました。しかし、市からはその後再度元に戻って校長の供述書にあるじゃないか、という反論が返ってきたところです。

【質問−中田】
 私は、なぜ話し合って合意をはからないのか、それが必要だといっているのです。電話連絡じゃだめですよ。教育長は、昨日の説明で、県監査委員から「教育委員会の間の連携・確認に不十分な点があった。それがこんな遺憾な事態が生じたと指摘されたことについて、この指摘を重く受け止め、各市町教育委員会とさらに連携を深め、適切な職務遂行に努めてまいります」と言いましたが、そのような配慮はまったくないじゃありませんか。

 どうして一緒に調査をしたら、協議をして共同して真実を究明しようとしないのですか。なぜ教育委員会同士連携を深め、血のかよった教育行政をやろうとしないのですか。これでは事が正しくすすむはずがありません。

 そして、共同調査の結果疑いがますます濃くなったという市教委の考えに、私も全く同感でありますので、「県教育委員会の見解」が処分の理由にならないといっている3点について質問します。

 第一に、元校長が育友会費を借用したことについて、県教委の見解は「相手方の了解のもとに行われた行為であり、返済もなされていることから、なぜ処分の理由にされたか明らかでない」としています。
 しかし、育友会長が校長からだまされたと市教委に訴えて、今度の問題発覚の端緒になりました。元校長は給食費を私費流用してその穴埋めに使うため、育友会長に「就学援助費の立て替え分」とうそを言って借りている。
 そのことは、県教委と市教委双方が確認しあった、この共同調査結果の文書にも「(5)元校長が、平成16年5月26日に育友会費から26万6千円を借用し、同日に同額を給食費口座に入金した」と記載されているではありませんか。
 校長が給食費を使い込んでいたのを育友会長にウソをいって育友会費を借り出して給食費会計に穴埋めをしたハッキリした証拠じゃありませんか。
 学校長が、その地位を利用し、かつ虚偽の理由で育友会費を借用し、使途不明のまま返済するという行為は、地方公務員法第33条に定めた信用失墜行為の禁止に該当するのではないか。うそを言って育友会長をだましたことが、相手方の了解といえますか。
 教育長どうですか。校長としてあるまじき行為ではありませんか。

【答弁−義務教育課長】
 これは校長が給食費が足りないといって育友会長から借用しています。育友会長は給食が止まってしまうと案じて立て替えをしたということで、キチンと8月に返済されております。

【質問−中田】
 そうじゃありません。校長は育友会長に「就学援助費の立て替え分が足りない」とウソをいったのでしょう。供述書にそう書いてあるし、市教委の調査にもそう答えている。そうやって、育友会の口座から金を借りだして給食費に払い込んでごまかしたんじゃありませんか。

【答弁−義務教育課長】
 私は、就学援助費が入ってこないので給食が止まってしまうということで、育友会長は貸したと聞いております。

【質問−中田】
 そりゃおかしいですよ。最初育友会長から市教委に訴えが来て調べはじめた。その市教委が1月11日の県教委への申し入れ文書のなかで「校長は育友会長に就学援助の立て替え分と虚偽の申し込みをおこない、育友会費から借用したこれは育友会長の真意の了解ではなかった」と最初から調べてきた市教委がいっとるじゃありませんか。

【答弁−義務教育課長】
 発端になった育友会長の申し入れは、校長の普段の行動についてのいくつかの項目があり、その中の一つに借用の問題があったということです。

【質問−中田】
 そうでしょう。それで市教委が調べて、校長が育友会長をだまして育友会費を借り出したこと、給食費を私費流用していたことなどがわかって、校長も供述書をかいて、それをもとに処分内申が出されたんです。だから、市教委の処分内申の理由の第一に、校長が育友会長をだまして育友会費を借り出して給食費の穴埋めをしたことがあげられている。それを共同調査で県と市の双方確認し合ったんじゃありませんか。

【答弁−義務教育課長】
 その校長の供述書が二転三転しているので、キチンとした物証が必要であると市に申し上げました。そして、今回の共同調査のなかで、市の担当にどの部分が私的流用にあたるか聞きましたが、明確な回答が得られなかったので、県としては、こういう見解を持つと市のほうに述べさしていただきました。

【質問−中田】
 この県教委と市教委が連名で出した共同調査結果に「元校長が育友会費から26万6千円を借り出して給食費口座に払い込んでいる」とハッキリ出ているが、校長はそんな勝手なことをしていいのか、と聞いてるんです。

 校長が育友会長にウソをいって育友会費を借り出して、私費に使っていた給食費の穴埋めに払い込んだ、ということが処分に相当すると市教委は言ってるんです。共同調査結果に書いてあるこの事実一つでも処分相当じゃありませんか。物証はあるじゃありませんか。

【答弁−義務教育課長】
 私ども今度の調査で、元校長が確かに育友会の方から5月26日に借用し、8月に戻した事実は確認しております。しかしながら、昨年3月の段階では育友会の方から借用したという金銭の動きの物証はございませんでした。

【自民−三好議員】
 議事進行。このことは中田議員が前の委員会からずっとやってらっしゃるが平行線です。警察に訴えられて裁判にもなっているし、市教委から警察に訴えてもらえばいいんじゃないですか。

【質問−中田】
 これは県の教育行政で起こった重大問題ですから、議会として解明する責任があります。私は議会の100条調査が必要だと提案しています。司法の対応があっても、議会は議会として解明しなければなりません。続けさせていただきます。この共同調査結果の(5)に記載された二つの口座からの金の引き出し預け入れについて校長から納得のいく説明があっていますか。県教委は納得したのでしょうか。

【答弁−義務教育課長】
 校長が育友会長をだましたかどうかという確認はしておりません。

【質問−中田】
 だからいかんのですよ。こういう共同調査の結果がでたら、その一つひとつについて県と市で、これが物証になるかならんか、どうみるか協議をすれば、双方の考えが明らかになるじゃありませんか。それをしないからこんなことになるんです。

【答弁−義務教育課長】
 共同調査で主な疑問点が明らかになりました。いくつかの使途不明金について市教委はどうみるか、と聞きましたら、それは校長に聞かないとわからないといいました。そこで、私ども元校長に二回聞きました。その際市教委にも一緒に校長に事情を聞きましょうと申しましたが、市の方から拒否を受けとります。

【質問−中田】
 前の委員会でも明らかにしましたが、これまでの県教委のひどい対応に市教委に大きな不満があったのです。それが共同調査をし、共同の結果を出したのですから、さらに話し合って真相を究明する合意をはかるべきだったのです。

 次に進みますが、第二に、元校長の私費流用について、県教委の見解は「平成15年から17年にかけて、当該校給食費会計に、使途が確認できない金銭の動きがあったことはあきらかになったが、元校長による私的流用の事実を証明する物証は得られなかった」としています。しかし、もっとも重大なことは元校長が供述書で、借金返済のために流用したといって私的流用の事実を認めていることです。その期日とそれぞれの金額を書き出し、それが13回194万1千円にのぼっています。

 その点について県教委と市教委連名による「共同調査結果」では、
 @「通常郵便貯金預け払い状況調書に記載されている理由不明の支出のうち、本人の供述書に対応すると思われる月日及び金額」として9回138万6千円があったこと。

 A「通常郵便預金通帳(給食費)の写しに記載されている支出のうち、本人の供述書に対応すると思われる月日及び金額」が2回15万円あったこと。

 B「育友会費から26万6千円を借用し、同日給食費口座に同額を入金した」こと。

 などが明らかになった、と記載されています。これらの合計12回180万2千円が供述書の期日、金額と証拠書類の期日、金額が合致していれば、これこそ私的流用の物証ではありませんか。

【答弁−義務教育課長】
 それらについて市教委にどれが私的流用でしょうか、ときいたところ、それは校長本人に聞かないとわからない、という回答でした。たしかに供述書と一致した数字が浮かび上がってきましたが、最終的に私的流用であるということの認定については、県も市もできなかったというのが私どもの最終的な見解でございます。

【質問−中田】
 県も市もというのは間違いです。県教委は認定しなかったけれども、市教委は認定していますよ。なによりも校長の私的流用を認める供述書がある。それと証拠書類とこれだけの一致がある。それがなによりの証拠だといっています。市も認定しなかったというのはウソです。取り消してください。

【答弁−義務教育課長】
 私ども、共同調査の結果使途不明と思われる金銭の動きがあったことは確認しました。市のほうに私的流用はどれかと聞いたところ、校長に聞かないとわからないという回答でした。校長の供述書は二転三転して一貫性がないので不十分だから、その数字に当たる物的証拠を出してほしいとつよくお願いしたのです。

【質問−中田】
 通帳の出し入れ、預金センター原簿の出し入れの記録と、一番最後のくわしい供述書が合致すれば判断できるじゃありませんか。いつまでも、まだわからんと言う方がおかしい。県教委は、二度にわたって元校長の聞き取り調査をしたというが、このような頻繁な使途不明の引き下ろしを、校長はどう説明をしているのですか。
 それが合理的に説明できないないならば、供述書でいっていた私費流用と考えるべきではありませんか。こんな12回180万円もの金の出し入れに合理的な説明がついていますか。借金返済の使い込み以外のなにものでもないじゃありませんか。

【答弁−義務教育課長】
 使途不明金の使い道について、元校長は覚えていないと答えました。私どもには調査権がありませんのでそれ以上は聞き出すことが不可能ということで、調査の限界を感じた次第でございます。

【質問−中田】
 校長の退職を認めて、退職金も渡してしまったから、校長が態度を変えて、覚えていないなんていいだすんです。そんなでたらめな話がありますか。給食費会計で出したり入れたり12回180万円もの使途不明金を出した校長の責任は問わないのですか。こんなでたらめなことは処分の対象になりませんか。

【答弁−義務教育課長】
 私どもには共同調査の結果、このように使途不明金の動きがわかったのでございます。私どもが昨年3月6日に市から処分内申をいただいた段階では、なんの物的証拠もありませんので、処分の裏付けになる資料がないまま退職に至ったのでございます。

【質問−中田】
 だから当時校長が出した退職願を、ろくに市教委に確認もしないまま、すぐさっと認めて退職させたのが県教委の落ち度だったと言っているのです。当時、校長が公務員である時にこういう共同調査をやっていれば、そんな「忘れた」なんていうことは許されんのですよ。私は公金にこういう説明もつかんような使途不明金を出した校長は、相当の処分が必要だと思います。

 次に、第三に校長が給食費の郵便通帳を処分したことについて、県教委の見解は「給食費の私的流用が発覚しないように意図的に通帳を処分したかどうかは不明である」といっていますが、校長は供述書で「一時流用したために整合性に欠けるため通帳を切り替え処分した」と言っており、流用が発覚しないように処分したと考えるのが当然ではないですか。そもそも学校給食の通帳を処分して、金銭の収支がわからないようにすること自体が処分の対象になりませんか。

【答弁−義務教育課長】
 この点について校長に聞きました。校長の話では、当時市の担当課長のほうから、帳簿と通帳が合わないという指摘を受けたので合わせるため、新しい通帳じゃないといけないんじゃないかということから、意図的に隠すということじゃなくて、キチンとしなければいけないという思いから元の通帳は廃棄した、と本人は言っています。

【質問−中田】
 自分に都合のいいことは覚えていて答えるのですね。それを信用するんですか。都合の悪い180万円の使途不明金については覚えていないといって答えようとしない、隠すということじゃないキチンとしようとしただけというのは信じるのですか。

【答弁−義務教育課長】
 もっともっと突っ込んで聞きたいんですけれども、そこには県教委としての権限がないので、調査の限界を感じたところでございます。

【質問−中田】
 だから、あなたがたは調べるタイミングを逃したのですよ。去年の3月だったら校長にこんな勝手なことを言わせることはない。発覚直後で話も生なましい。そういうときに県と市が一緒に調査していればこんないい加減な話はなかったはずです。
 それを限界だといって処分もしない、反省もしない、ただ教育長が遺憾でありましたといってすみますか。以上、市教委が相当の処分が必要だとしてあげた3点の、どの問題をとってみても、共同調査の結果、いよいよ疑いは濃くなっております。

 育友会長をだまして26万6千円を育友会の通帳から引き出して、給食費の口座に振り込んで穴埋めしたこと、これひとつとったって処分の対象になりますよ。給食費の通帳を管理していて、こんなにたびたび金銭を出したり入れたりして、使途不明金があって、その説明をつけきらん、忘れたとごまかす、この一つとったって処分の対象ですよ。
 公金を12回180万円も引き出して使途不明で使った校長は処分の対象になりますよ。公金の通帳を市教委からつじつまが合わないと指摘されて処分してしまえば、そのことが証拠隠滅で処分の対象じゃありませんか。
 これだけ共同調査の結果が出ているのに、県教委があえて見ようとしない。そしてなんとか、自らが行った普通退職を正当化しようとしていることは見え見えです。この問題に対する県教委の対応は最初から間違っています。

 問題を市教委と協力して解明しようとする立場は全くない。校長から自己都合の退職願が出たらすぐ認めてしまう。校長の退職の5日前に市教委から「処分はどうなったのか」と異議申し立てがあっているのに聞こうともしないで、普通退職させてしまって2050万円の退職金を満額支給している。それが6月に報道で明らかになって議会でも問題になってやっと再調査する。追及されると市が証拠を出さんと逃げるけれども、市が県に提出した資料で、今言ったようなことは全部明らかになっているではありませんか。

 共同調査の結果でも、市が処分の理由としてあげた3点とも、そのとおり校長に重大な問題があることがハッキリしたのに県教委は見ようとしない。
 私はこれで幕を引くなんてことはとんでもないと思います。県教委としてこういう事態を招いた責任を明らかにして、当時の立石教育長はじめ関係者が明確に責任をとる必要があります。後任の横田教育長がひとこと「遺憾でありました。お詫びします」と言うぐらいではすまんですよ。市教委は県教委の最終見解に全面的な反論をたてていますし、県民の誰が聞いたってこんな県教委の対応では納得しません。世の中通りません。
 ますます不信を買います。この「県教委の見解と対応」は撤回して、市教委と十分協議を尽くして、真相を県民の前に明らかにするよう強く求めて終わります。