日本共産党が提出した
あいつぐ県福祉制度の改悪を中止するよう求める意見書案

 県庁裏金問題で県政に対する不信を招くなか、県は「敬老祝金の廃止」や「乳幼児医療費助成の現物給付への補助金削減」など、あいついで県福祉制度の改悪をうちだし、県民の大きな怒りを呼び、議会でもその問題点が指摘された。

 敬老祝金制度は、敬老の日に高齢者に祝金を贈り、その長寿を祝い福祉を増進する制度として1970年に創設された。以来37年、多いときには77歳以上の県民6万人に贈られて高齢者から喜ばれてきた。2001年には支給が88歳以上に削減され、支給を打ち切られた高齢者から「年一回の年寄りの楽しみをなくすのか」とつよい批判を受けた。 今回の県の廃止提案に対しても「働きずくめでがんばってきた年寄りに、政治はごくろうさんの気持ちもないのか」「裏金に使う金はあってもこんなことに使う金はないのか」という声がつよく出され、存続が求められている。

 また県は、乳幼児医療費助成で現行の償還払いを現物給付に移行する市町には、県の補助金を2分の1から3分の1に削減する方針を議会に示した。

子育て中の県民の大多数は、乳幼児医療費助成は現物給付とするよう求めている。償還払いでは、必要な医療費をいったん病院の窓口で払ったあと手続きをして、銀行振込で補助金が支給される。そのため医療費の用意がなければ病院にかかれない。これに対して、現物給付は800円の負担金さえあれば、いつでもどこでもこどもを病院にかけることができ、煩雑な手続きも必要ない。

 このように、要望もつよく子育て支援の効果も大きい現物給付を、長崎市が4月から実施に踏み切り県下の市町に広がろうとしている。これに対する県の補助金削減は、市町の現物給付の実施を困難にする。本来、県民の要望に応えて現物給付を促進すべき県が、その実施を妨害し、子育て支援の流れに逆行するこの制度改悪に対して、県議会厚生環境委会の審議でも多くの批判が出されたところである。

 よって、知事はこれらの県福祉制度の改悪を中止し、県民福祉の増進をはかられるよう、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

 (日本共産党から議会運営委員会に提案したが他会派が賛成しないため、動議として成立せず取り下げとなりました。)