(06年10月3日厚生環境委員会)
乳幼児医療費助成の現物給付

長崎市長が「来年から実施したい」と表明

 県こども局長が早急に検討委開催と答弁


 

【質問・中田晋介県議】
 乳幼児医療費助成の現物給付について質問いたします。

 医療費助成の現物給付が実施されますと、県民は、子どもが重い病気になりお金がな
いときでも、一部負担金の800円だけ用意すれば、安心して病院にかかることができるようになって、子育て世帯が一層有効に制度を利用できます。
 そのため、現物給付を求める県民要求が高まっています。子育て団体や医療関係者でつくる「乳幼児医療長崎ネット」が、昨年秋実施した子育て中の保護者12000人に聞いたアンケ−トでも、現物給付を望む声が86・6%と圧倒的多数であります。

  そして、子育て支援を強化するため、医療費助成は償還払い方式から現物給付へというのが世の流れとなっています。近年、乳幼児医療費助成の全部又は一部を、償還払いから現物給付に改善した県は、

  ・2002年度 千葉県が、入院と3歳未満の通院を、現物給付に。

  ・2004年度 大阪府が、3歳未満の入院通院を、現物給付に。

  ・2005年度 宮城県が、入院と3歳未満の通院を、現物給付に。

    おなじく  栃木県が、3歳未満の入院通院を、現物給付に。

  ・2006年度 滋賀県と岐阜県が、一部償還払いから全面的に現物給付に。

 とこの5年間に2県が全面的な現物給付に4県が部分的な現物給付に改善しています。
 また、この9月議会でも、28日の山梨県議会で山本栄彦知事が「保護者の経済的、時間的負担を軽減するために、窓口無料方式にしたい」と現物給付にすることを明らかにしています。
 これは、各県とも、本県の知事や局長が言う困難や障害を、同じように抱えながら、それを乗り越えて、県民の声に応えたものであります。これで、本県のような全面的な償還払いは47都道府県中、12県だけとなります。
 このような状況で、伊藤一長長崎市長が、9月12日の市議会本会議で、来年4月から現物給付を実施する方向を明言しました。
 子育て支援として現物給付の実施を求める議員の質問に対して伊藤市長は「乳幼児医療費助成の給付の方法につきましては、長崎県の制度にそった償還払いの方式を採用しておりまして、その手続きの不便さから、市 民の皆様からのご意見やご不満が多く寄せられているのも事実でありますし、議会の方からも度々今日までご指摘があっております。長崎市内2万5千人を超える乳幼児が対象であり、子育て支援の中でも重要な医療に関する支援でありますこの問題につきましては、関係機関との協議をこれから早急に整えながら、協議が整いましたら、来年4月 の実施と言う形で乳幼児医療費の現物給付を実施する方向で、今後精力的に取り組んでまいりたいと考えています。ただ問題は、実施に向けての長崎県や医療機関など関係者 との協議が必要ですので、その手続きをきちんと踏まえながら、頑張ってまいりたいと 思います」と答弁しています。
 市長も厳しい財政状況の中で高まる市民要求に応えて、
一層子育て支援を強めるため、来年4月からの実施を打ち出したものであります。
 今後、市から県に協議がなされますが、せっかく長崎市長がやりましょうというのを県が駄目だといって断ることがないようにし、どうすれば県と市や町が協力して現物給付を実現し、切実に求める県民の声に応えることができるか、真剣に検討していただく よう、前向きの対応を求めて質問いたします。


【答弁・浦川末子こども政策局長】

 福祉医療制度検討協議会という、県と市町で構成する組織がありますが、合併も落ち着きましたし、長崎市の表明もありましたことから、早急にこの協議会を開催して、考えてまいりたいと思います。