三月長崎県議会は三月三十日終わりました。

 七千二百八十億円の新年度県予算が審議されましたが、この中で日本共産党が県民と力を合わせて取り組んできた少人数学級が実現しました。
 父母と教員が取り組む「小中高校で三十人以下学級の実施を求める請願」が、八年前から毎年県議会に数万人の県民署名をそえて提出されてきました。
 しかし、県は「少人数学級は金がかかり、効果もわからない」と実施を拒否してきました。
 これに従い、日本共産党以外の各党は、「長崎県では少人数学級は実施しない」と請願に反対し、日本共産党の中田晋介議員だけが「他県の実施でその教育効果は明らか。行き届いた教育のために必要な予算は使うべきだ」と請願に賛成し、少人数学級の実施を求めつづけてきました。
 県下で重大事件がくり返すなか、県もついに少人数学級の実施に踏み切り、四月から今の四十人学級が、小学一年で三十人学級に、小学六年と中学一年は三十五人学級になります。来年度は、これに小学二年の三十五人学級が加わりますが、日本共産党は「小中学校の全学年で三十人学級の実施を」と求めています。

 民主県政をつくる会から「新幹線長崎ル−ト建設の中止を求める請願」が出され、日本共産党が紹介議員となって採択を求めました。県財政が苦しいいま新幹線建設が必要かどうかということは一月の知事選でも大きな焦点となりました。
 県民の世論調査では昨年十二月の毎日新聞で「不必要が五十三%」、一月の朝日新聞では「建設反対十六%」「白紙に戻せ四十%」であわせて五十六%にたっしています。
 中田議員が「この県民世論を無視して建設を強行すべきではない」と討論しましたが、他党は全く意見をいわないまま請願に反対し不採択にしました。
 
 予算案については、日本共産党は「今年も、諫早干拓に三〇億六九〇〇万円、西彼杵高規格道路に四七億円、誘致企業向けの用地造成に二二億九二〇〇万円、企業誘致に一五億九六〇〇億円と大盤振る舞いで注ぎ込む大型公共事業と企業誘致優先の予算だ。いっぽう県民生活向けの予算は切り縮め、特に職員給与を四・八%も引き下げるのは、地域経済に悪影響を与え、民間の賃金も引き下げる悪循環をもたらすもので、県民の利益に反する悪政だ」と反対しました。自民党と民主党が賛成討論を行って、賛成多数で可決しました。

 中田議員は「大型公共事業と企業誘致で県政浮上をはかる、というのは久保知事以来の三十年来のやり方だが当時全国四十二位だった長崎の県民所得が、いまでは四十五位に落ち込んだ。こうしたやり方では県政はよくならないことは証明ずみだ」と語っています。

2006年3月県議会の概要について