3万7千人の県民署名をそえて「すべての子どもたちにゆきとどいた教育をすすめ、  心かよう学校をつくるための請願」が提出され、中田議員が紹介議員となって一緒に採択を求めましたが、賛成は日本共産党だけ。「財政的に実現困難」などと自民・公明・民主・社民各党の反対で不採択となりました。


〔すべての子どもたちにゆきとどいた教育をすすめ、心かよう学校をつくるための請願〕
1.長崎県の私学助成を増額し、経常費の2分の1助成と私立学校への入学金に対する補助を実現してください。
2.2003年度より実施された私学助成の配分基準に関しては、広く県民の声を聞き、再考してください。
3.すべての学校で小中高30人以下学級(高校職業科25人、定時制20人)を実現してください。
4.公立高校の統廃合をやめて、地域の教育を守ってください。
5.教育費の父母負担を軽減する措置を行ってください。公立、私立の児童・生徒への就学援助・授業料軽減(減免)制度、奨学金制度などを充実してください。  
6.障害児教育充実のための教育条件を整備してください。
7.義務教育費の国庫負担制度を堅持し、私学助成の国庫補助制度を堅持するよう国に意見書を提出してください。


   請願団体 
 長崎の私学助成をすすめる会 長崎のゆたかな高校教育をめざす会


 〔中田議員の請願紹介〕
 請願13号「すべての子どもたちにゆきとどいた教育をすすめ、心かよう学校をつくるための請願」紹介議員の中田晋介でございます。県下から寄せられた3万7076名の請願署名をもっての請願であります。ぜひ、ご採択いただきますようお願いいたします。
 まず父母負担の公立と私立の格差をなくすため、私学助成の増額を求めています。
 昨年度の決算で比較いたしますと、県下の私立高校生の初年度納付金は56万763円で、県立高校の11万7150円の4・8倍になっています。その原因は、私立高校生一人あたりの公費助成が30万3268円で、県立高校生にたいする県の教育費支出121万5839円の4分の1とすくないからです。本年度は私学助成を30万3983円と増額されましたが、それでも全国平均の31万6417円を下回っていて、全国35位であります。県内に学ぶ同じ高校生として不平等であり、この大きな格差を改善するため来年度の私学助成のいっそうの増額を求めます。
 つぎに 30人以下学級の実現をもとめていますが、そのおおきな教育上の効果は、実施してきた県の経験から明らかになっています。過去3年間実施し、今年度小学校全学年で21から33人学級としている山形県の調査では、子どもたちからは「先生の指導が丁寧になった」「話を良く聞けるようになった」「先生とよくはなす」「学習が楽しくなった」「友達が増えた」。先生からは「こどもとの対話がふえた」「個別指導がすすんだ」「児童への理解がすすみ、つまづきへの対応ができる」と効果は明らかであります。
 長崎県では「切磋琢磨できる40人学級がよい」と、少人数学級については否定的でしたが、それをこえる教育効果があるからこそ年々実施する県がふえ、全国で36県にのぼっています。九州でも小学1年で30人学級の大分県をはじめ、宮崎、熊本、鹿児島、沖縄で少人数学級が実施され、来年佐賀県が開始すると表明しました。研究指定校での実施にとどまっているのは、あと長崎と福岡だけになり、おくれています。
 佐世保大久保小事件のあと、10月5日にだされた二次報告では、県教育委員会として今後取り組む対策として、「ひとりひとりの児童生徒に目が届く学校教育環境の整備」の項目で「少人数授業の推進」があげられていました。それが「教育だより・ながさき」の11月号の、事件をくりかえさないための対策の特集では、おなじ「ひとりひとりの児童生徒に目が届く学校教育環境の整備」の項目で「少人数学級編成・複数担任制実施等の研究をおこなう」と発展させられています。今回の事件の対策として「ひとりひとりに目が届く教育のために少人数学級をすすめる」ということが初めてうち出されたのは重要であります。この機会にぜひ実施に踏み切って、他県のように、まず小学校低学年から計画的にすすめていただくよう、つよく求めるものであります。
 なお、本日請願人にかわって請願団体から越尾ますみさんが出席し、請願の趣旨について直接お聞きいただきたいと希望しておりますので、委員長のお取り計らいをお願いして、私の請願紹介といたします。どうぞよろしくお願いいたします。

「すべての子どもたちにゆきとどいた教育をすすめ、心かよう学校をつくるための請願」が不採択に