郵政事業の民営化に反対する意見書
総務委員会提出
郵政事業は、全国24,700の郵便局ネットワ−クを通じ国民生活に最も身近な通信・物流・金融機関として、広く公平なサ−ビスを提供してきた。全国均一料金の郵便をはじめ、郵便貯金の預払い、年金の受け取り、国庫金の受け払い、簡易保険の取り扱いなど都市部と地方の格差を生じることなく地域住民の立場に立ったサ−ビスを展開している。また地方分権に向けた改革が加速され、市町村合併が進展するに伴い、今後、市町村役場の統合・廃止などにより地域から公的な機関が撤退することが予想されるなか、全国すべての地域に配置されている郵便局に、その肩代わりの機能が期待されている。
しかるに、政府は平成15年4月、日本郵政公社を発足させたが、その成果を見極めることなく、平成16年9月10日「窓口サービス、郵便、郵便貯金、簡易保険の4機能を分社化し、純粋持ち株会社の傘下におく」ことなどを柱とした郵政民営化の基本方針を閣議決定し、さらに郵政民営化関連法案を来年1月の通常国会に提出しようとしている。民営化が行われると、競争原理に基づき収益向上の採算性だけが優先され、あまねく公平なサービスは提供できなくなり、都市部、地方を問わず不採算地域においては、郵便局の廃止や縮小、各種料金の値上げも想定され、地域住民の生活に大きな影響を及ぼすことになる。とりわけ離島、半島など過疎地域を多く抱える本県にとっては、計り知れないサービス低下が懸念される。以上のことから、郵政事業は現在の国営で三事業を一体化した経営形態が最善であると考える。よって、国に対して、現在の国営の公社形態を堅持するよう強く要望するものである。
10月14日 長崎県議会