日米地位協定の改定に関する意見書
さる8月13日に発生した、住宅地にある沖縄国際大学構内への米軍ヘリコプタ−の墜落・炎上事故は、幸い大学関係者や住民に人的被害はなかったが、大学校舎をはじめ周辺の民間住宅にも損害を与え、日常的に基地に隣接した生活を余儀なくされている沖縄県民に大きな不安を惹起し、更にはいつ起きるかとの不安が常につきまといストレス障害を訴えている住民の声もある。事故処理の際、大学や自治体から米軍への合同調査や捜査の申し入れがことごとく拒否され、事故原因の究明ができない状況におかれている。
そもそも普天間飛行場は宜野湾市のど真ん中に位置し、事故に対する危機感は常に存在している。そのため、基地を名護市沖に移設することを決めた経緯があるが、その事がなかなか進展せず危険性の排除をどこに求めるかが大きな問題となっている。またこの種の事故は国内の米軍各基地でも発生しており、その都度「再発防止と安全管理」の徹底を強く要請してきているが、一向に事態は改善されず状況は変わっていない。
今回も事故を起こした同型機の飛行を直ぐに再開しており、その一方的行為に怒りをおぼえるものである。本県でも米軍佐世保基地を抱え、これまで米軍人による犯罪や米軍等による事故多数発生し、近年は環境問題も発生し問題となっている。そのような中、日米地位協定の運用改善により米軍の対応は以前より良くなってはいるが、全体的にはその場しのぎの政治的妥協であると見てとれる。
かかる状況下、日米地位協定は1960年に締結されてから44年間一度も改定がなされておらず、抜本的に見直すべき時期に来ているのは明白である。この際、米政府を動かすべく強力な働きかけを実施し、将来に禍根を残さぬよう使命を全うすべきである。よって、政府におかれては国民の財産と人権を守る立場から、日米地位協定を改定されるよう強く要望する。以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
04年10月14日長崎県議会