十二月県議会では、イラクへの自衛隊派兵をめぐる意見書問題が大きな焦点になりました。日本共産党から、小泉内閣が計画するイラクへの自衛隊派兵について「閣議決定された派遣基本計画では、安全確保支援活動の名目で米占領軍の兵員輸送など後方支援にあたることになっている。米占領軍の一部とみられてゲリラ攻撃やテロの対象となることは避けられない。今回はじめて重火器を携行しての派遣は、攻撃を受けたら武力で反撃することを前提としており、武力の行使を禁止している憲法9条に違反する」と派遣に反対する意見書を提案しました。

派兵容認の意見書を自公民社が決議

  これに対し自民党から、自衛隊派兵を「国際社会におけるわが国の責務に基づく人道支援のため」と美化しながら「派遣にあたっては現地情勢を把握のうえ、慎重に判断を求める」という意見書案が提案されました。
小泉首相も「派遣にあたっては慎重に判断する」といいながら派兵を強行しており、自民党の意見書では、すこしも派兵の歯止めにはなりません。
ところが、公明、民主、社民党の各会派は日本共産党の派兵反対の提案には賛成せず、派兵を美化し容認する自民党案に賛成して多数で可決しました。日本共産党は自民党案に反対しました。

四万人署名で教育の充実を求める請願

  長崎の私学助成をすすめる会、ゆたかな高校教育をめざす会から「すべての子どもたちにゆきとどいた教育をすすめ、心かよう学校をつくるための請願」が4万人の県民署名をあつめて提出されました。中田晋介県議が紹介議員となって採択を求めました。
請願は「私学助成の増額。小中高校で30人以下学級の早急な実現。財政効率優先の学校統廃合の中止。教育費の父母負担を軽減するため児童生徒への就学補助、授業料減免制度、奨学金制度などの充実」を求めています。 県内の私立高校生の負担は、県立高校生の4・9倍で、公費助成は県立の4・2分の1です。県内に学ぶ同じ高校生として、この大きすぎる格差を改善するため私学助成の増額が強く求められています。また30人学級づくりが30都道府県に広がり、九州でも鹿児島、宮崎、沖縄で取り組まれ、佐賀、大分が実施を検討中で、残るは長崎、福岡の2県だけになっています。教師の目が届き心がかよう教育をすすめるため本県でも急いで実施すべきです。ところが他会派は「私学助成増額というが、私学は自分の金でいく学校だ。その覚悟でいったんだろうから、これ以上出せん」などと討論して自民、公明、民主、社民の各党が反対、日本共産党だけの賛成で不採択となりました。

中田議員の県政一般 質問

  県が発注した工事の入札で長年にわたり談合を繰り返していた企業に、損害賠償の請求をおこない、とりかえして県民のために使え、と知事に要求しました。
入札における談合は、市場経済における最も悪質なルール違反として懲役刑や罰金刑で処罰されます。同時に談合による落札予定者が高値による落札で不当な利益をえて、発注者が損害をこうむります。 そのため公共工事適正化法では、談合が発覚した場合、知事が企業に損害賠償の請求に努めることとされています。他県では談合企業への損害請求に積極的に取り組んでおり、宮城県では契約額の三十四%、大阪府は十五%、神奈川県は十四%を請求しています。
長崎県では、県土木部発注の工事で、大手ゼネコンなど二十五社が六年間にわたって談合を繰り返し、談合があったとされる契約は二百八件、二百九十一億円にのぼる事実が、昨年六月明らかになっています。明らかになって一年半になりますが、まだ県は損害請求をしておりません。大阪府と同じ十五%を請求すれば四十三億六千万円になります。一日も早くとりかえして県民のために使うべきだ、という中田県議の要求に、土木部長は「他県の事例も参考にし、損害額を確定して適正に対応したい。損害がある場合には損害賠償を請求する」と答弁しました。

  巨額の費用で道路建設

 西彼杵半島経由で長崎と佐世保を結ぶ自動車専用道路「西彼杵地域高規格道路」計画について、総事業費の金額と経済効果の具体的な検討内容を質問しました。総事業費は九八年の試算でなんと三千八百億円、諫早湾干拓の一・五倍の巨費を投じることが、はじめて明らかにされました。知事は「この道路があれば住民の通勤通学や業務活動の圏域の拡大、買い物や通院など日常生活における利便性の向上、農産物の輸
送、観光の振興がはかれます」と抽象的にのべるだけで、具体的な計画交通量すら示せませんでした。今後計画にしっかりメスを入れ事業の必要性について徹底して検討していきます
イラクへの自衛隊派兵問題
 民主、社民も自民に同調