2003年度県予算に対する反対討論
      中田晋介県議
03年3月14日 県議会本会議

  日本共産党の中田晋介です。党を代表して第3号議案 平成15年度長崎県一般会計予算に反対の討論をおこないます。
 反対する第一の理由は、ますます暮らしに冷たい予算になり、県民のこえに応え得ないものになっているからであります。
 予算総額は7844億8千万円ですが、そのうち、直接県民の暮らしのために使われる生活福祉費、環境保健費、教育費の合計が予算全体に占める割合は35%しかありません。久保県政の1975年に53%、高田県政の82年に43%を占めていたのに比べれば、はるかに県民の暮らしに予算を使わない県政になっています。
 そのため、高すぎる国保税を下げるために、市町村国保に県の補助金の増額を求める声が出されつづけていますが、わずか1千万円に押さえられています。
 本県と同程度の財政規模の群馬県が4億8000万円、奈良県が4億8700万円、岐阜県が3億7000万円、山梨県が2億9900万円、山口県が2億9000万円の補助をしているのに比べれば、本県の1千万円はあまりにも少なすぎます。
 また、教育面では、全国で30人学級など少人数学級づくりがすすめられています。福島県では小学校一年、二年と中学校一年で30人学級、山形県では小学校一年から五年まで33人学級にするなど、すでに全国過半数の26県ですすめられていますが、本県はまったく行われていません。
 暮らしでも教育でも、本県は大きく立ち遅れた予算になっています。
 いっぽう、ゼネコン型の大型開発や大企業優遇には湯水のように予算が注ぎ込まれています。県下に農地はたくさん余っていて、すでに目的が失われている諫早湾干拓事業に今年も29億円がつぎこまれますし、第二西海橋建設に36億7500万円、女神大橋建設に90億円、県外企業の誘致推進費が、助成と貸付を合わせて21億5千万円と大盤振る舞いです。
 これこそ見直して削減し、県民の暮らしにまわすべきであります。
 また、県民の利益に反する予算としては、市町村合併の支援交付金と基金積立で44億円も注ぎ込まれ、県立高校改革推進費1270万円は、統廃合でつぶされる高校の地元から、本議会に二件も存続を求める請願が出ており、そのまま予算化することには反対であります。
 最後に、県政をすすめる前提として、知事選挙への違法献金問題に関わる知事と後援会の関与について、知事自らの解明をつよく求めるとともに、金権腐敗を根絶するため、政党も政治家も、公共事業受注企業からの献金を、いかなる形でもきっぱりと中止し、県民全体の利益に奉仕する公平で清潔な県政への転換を強く求めて、新年度予算への反対討論といたします。ご賛同をお願いいたします。