上滝会長の話は、12/4西日本新聞は「県建設業政治連盟の上滝会長は三日、記者会見し、昨年秋、金子後援会から依頼を受けて集めた選挙資金と認めた上で、一部を事務所運営費に使った。前々回の知事選でも同様に支援しており、違法との認識はなかった」と釈明した。と伝えていますし、12/4毎日新聞の談話では「昨秋、知事の後援会事務所から支援を頼まれた。企業に要請し、献金を党支部を通して政治連盟に受けた。知事選のための献金だった」と言っています。
 いずれも金子後援会から依頼を受けた選挙資金だった。とハッキリ言っているではありませんか。これこそだれにでもわかる事実ではありませんか。これが知事が言うように「依頼はなかったけど選挙資金を集めた」というのなら、話の筋道が根本からかわってきて、長崎地検の聴取にもそう答えるでしょうし、直後の記者会見でもそういうはずです。しかしそうは言わずに「依頼があったから選挙資金を集めた」と事実が述べられた、と県民だれもが思いますが知事はそう思いませんか。
 これはいずれ真実が明らかになるとおもいますが、こんな明らかな事実についても、まともに向き合って真相を解明しようとしない知事の態度は、自らの選挙にからむ重大な容疑を解明すべき、県民に対する責任を放棄するものだといわなければなりません。

 第二に、上滝会長が記者会見で「前の知事選でも同様の支援をしてきた」といっていることは重大です。
 私、自民党県連が県選挙管理委員会に提出した政治資金収支報告書を見てみましたが、選挙のたびに受注企業からも献金を集めて使っている実態がよくあらわれています。
 長崎地検の捜索を受けた五洋建設も東亜建設工業も、知事選の前の年になると献金が増えています。五洋建設をみると前々回の知事選の4年前1990年に400万円、次の年も400万円、次も400万円だったのが、知事選前年になると900万円に倍増しています。続く年は500万円 500万円 600万円だったのが、金子知事一期目の選挙の前年1997年には800万円に増えています。そして500万円 500万円 800万円ときて昨年 800万円になっています。
 東亜建設工業も1990年に 120万円次の年が 150万円、 180万円が、知事選前年には350万円と倍増しています。今回も 250万円、 100万円、 200万円が昨年 350万円に増えています。
 自民党県連が集める企業献金の総額もそうなっていて、金子知事一期目の選挙の4年前1994年に9180万円が次の年に6300万円、5450万円になり、知事選前年には1億2300万円に倍増しています。そして1億6110万円、7350万円、1億0150万円と減っていたのが、昨年は1億2540万円とふえて今年の知事選を迎えています。
 しかも、昨年の場合その大半が選挙直前の12月に集中しています。これは例年にはないことで選挙のための献金が集められたことは歴然としています。もちろんほとんどが受注企業です。
 そして選挙の年の支出をみると、選挙アルバイト代、制服ユニホーム代、車借り上げ代、選対会議費、選挙諸経費として使われていることがわかります。
 これをみれば、金額が増えていることからも、集めた時期からみても、支出の面からみても、受注企業を含めた企業からあつめた寄付を使って知事の選挙が行われている実態があることは一目瞭然であります。一般の献金だ、偶然そうなっているんだなどといってすむものではありません。それぞれ、いったいだれがどういってあつめて、知事の選挙が行われたのか、真相を明らかにする責任がありますし、こういうやりかたはやめる必要があると思いますがどうでしょうか。

 第三に、受注企業から寄付を集めて選挙をするのはなぜ違法かという問題です。なぜ公職選挙法はそれを禁じているのか。知事はどうお考えですか。
 私は、禁止されている理由の第一は、公共工事の利益が政治家への謝礼に使われるからで、献金もみんな税金だからだと思います。知事が県民の税金で公共工事を発注して、受注企業がその代金の中から献金をすれば、それも税金の一部です。そんなお金で選挙をしてはならないということで、「選挙が近いからだめ、間があるからいい」「選挙に使うといったからだめ、いわなかったからいい」という問題ではありません。 
 選挙に使ってだめなものは、ほかの政治活動に使うのもよくない。
 企業献金、とりわけ受注企業からの献金はやめるべきだと思いますが、知事はどうお考えですか。
 知事が「2000年度から、企業献金は受け取っていない」といっても、別の三つの方法があります。
 一つは企業名から、企業の代表者の個人名にする。そうやって同じ額が知事の資金団体に入ってきています。
 二つには、企業献金を政党支部が受け入れて、そこから政治家がもらう方法で、この自民党県連の報告書でも、多数の政治家への支給が掲載されています。
 三つは、今度の建設業政治連盟のように企業からあつめたところで事務所を構えて選挙の応援をする。
 こういうやり方をすれば、県工事の受注企業からの献金でも知事の選挙ができます。 こういうことはこの機会に一切やめるべきで、企業献金はどんな形でも、個人としても、党としても中止する、そして政治は企業や業界のためではなく、主権者である県民全体のため公正に行うよう強く求めてこの問題は終わります。
2002年12月県議会
違法献金疑惑を追及した中田県議の一般質問の再質問