2002年9月県議会
西村県議の住基ネットに関する質疑
総務委員会での委員外発言(2002・9・27)
住民基本台帳ネットワークは凍結また中止を
質問(西村) 貴重な時間に発言の時間を頂きありがとうございます。
私は住基ネットについて質問をさせていただきます。提出されています説明書の3ページに、県の認識としては「現在まで順調に稼働できている」と。そして個人情報の保護の問題とかいろいろ不安の声もあるけれども「個人情報の保護に万全を期す」ということで、これを「円滑に運用していく」と書かれていますが、県が個人のプライバシーの侵害などに万全を期せる状態になっていると認識しているとしたら、県民の不安とは余りにもかけ離れた認識と思います。 全国的にも、住民の不安は高まっていますし、参加しない自治体や、施行延期を要望した自治体とか、また市民の人権侵害などがあれば接続を停止するという自治体がでてきているということは、この住基ネットがいかに個人のプライバシーの侵害という部分について危険なものであるかということを、実施自治体が一番よく知っているからだと思います。
なぜ、そういうことになっているのか。それは法律だけでは万全でないということで、法律成立のときに付則がついたんですよね。個人の情報の漏洩だとか、不当な利用というプライバシー侵害の危険性がないように、「個人情報保護に関する法整備を含めたシステムを整えることが前提」だということで、付則がつけられたのに、これをやらずに稼働したことが非常に政府としては強行だったと思うんですね。ですから、不安があるのは当然です。
私はそういう意味で、県としてこれを万全だと、個人のプライバシーの保護が出来ると考えているのか。お尋ねします。
答弁(渥美市町村課長) 確かに個人情報保護法が未成立ではございます。しかし、住民基本台帳法のなかで、システムより利用できる情報は4情報、氏名、住所、生年月日、性別。そういう情報等に限られていること。また、情報の提供先と利用目的が法律等で限定されていること。民間の住民票コード利用が一切禁止さていること。情報は専用回線のみで送受信されること。担当職員には通常の守秘義務違反の2倍以上の罰則が適応されるなど、さまざまな措置が取られております。
加えて長崎県におきましては、セキュリティー規定の制定、緊急時対応計画の策定、操作利益の回復等の対策を講じており、そういうことについては万全の体制を取っているつもりでございます。
質問(西村) 総務省から全国の市町村等に出しているこれ(パンフ)で言っているのと、今言われたことは全く同じで、「万全の個人情報保護対策を行っています」と、住民基本台帳法できちんと確保されていますといっています。しかし、その法律制定の論議のなかで、「万全でない」からこそ個人の情報保護のために別に個人保護法保護法案などの制定で「所要の措置」をとるよう付則が付いたんですよ。それができてないということは、万全ではないということ
は明らであります。
それと、「不正浸入、情報の漏洩を防止します」と言いますが,今のコンピューターの常識としては、絶対浸入できないということはあり得ない。この事は常識としてそうした危険がある事が明らかです。 また、「情報が限られている」と言いますが、現在個人情報提供を93事務にしていますが、すでに法改正案が出されておりそれを264事務に広げようとしています。となると、これは際限なく広がっていく可能性がある。そうした事について、国民の前に何ら安心材料を示せないまま、これが稼働した。
しかも、県の場合は利用目的が何だったかということについては、本人に情報開示するとなっていますが、国会の論議では、個人情報がどう使われたかについての開示請求に対して、全国センターではそれに答えない、法ではそうなってないと答えているんですね。県では出来ても、全国的にはダメなわけです。
私は、住民の不安に答えられる状況になるまでは、県として(住基ネットは)凍結、または中止をすべきということを申し上げ終わります。