2002年度長崎県予算案への
中田晋介県議反対討論
3月25日県議会本会議
平成14年度長崎県一般会計予算に反対の討論をおこないます。
政治の最大の目的は「民生の安定」、すなわち国民生活が安心して送れるようにしっかりと支えることであります。しかし、長年の自民党政治のもとで「公共事業には50兆円、社会保障に20兆円」という予算の使い方に端的にあらわれているように、国民の暮らしへの対応はなおざりにされています。
県政においても同様で、二月補正予算とこの当初予算を合わせた本県の公共事業費は、1623億円にのぼり生活福祉費の2・2倍になっています。こうした逆立ちした予算のしわよせは、福祉・保健・教育など県民生活の大切な部分に被害をあたえています。
敬老祝金が削減され、ついに、一生に一回だけ88歳しか支給されなくなりました。県の敬老祝金条例には「事業の目的」として「高齢者にたいして敬老の意を表わし、その長寿を祝福するため敬老祝金を支給し、もって高齢者の福祉の向上に資する」とかかげ、久保県政の時代には75歳以上のお年寄り6万人に毎年おくられていました。それが、高田県政、金子県政とあいついで削減され、今年もらえるのは4200人と14分の1になりまったく形だけのものになっています。
いま高齢化社会を迎え「高齢者を励ましその福祉の向上を図る」という事業の目的がいよいよ大切になっています。その重要な予算の削減に反対いたします。
教育予算では、今年も県立高校の授業料が値上げされ4300万円の県民負担増となります。実に28年連続の値上げで一般物価の4倍という、諸物価のなかで一番ひどい値上げで教育費負担を重くしているのは許せません。
また、県立高校「改革」推進費1289万円で、通学区を拡大し高校入試の総合選抜制を廃止しようとしています。これが実施されれば広くなった通学区の中の高校の序列化が進み、受験競争を一層激しくします。いきたい高校を自由に選択できるのは高い受験能力と、遠くへの交通費が出せる一部の受験生だけで、それができない多くの生徒に不自由を強い、劣等感を持たせるようなやり方は、教育の機会均等をかかげた憲法の精神に反するものとして反対いたします。
市町村合併推進費1億2700百万円は、合併で地方交付税が削られて住民サービスが低下し、市役所や役場が遠くなっておおきな被害をもたらすものとして反対です。
今年も諫早湾干拓事業推進費29億2862万円が計上されていますが、農地は干拓で造成しなくても、県下にはその8・5倍の遊休農地があり干拓の必要性はありません。
干拓事業と有明海漁業被害との関係も、農林水産省第三者委員会がだした昨年12月19日の「見解」が明確に指摘しており、干拓事業は中止すべきであります。
それが止まらない背景に干拓事業受注企業からの政治献金があることが明らかになりました。金子知事にはこの5年間に受注企業から2237万円が献金され知事になったら4倍に増えています。自民党長崎県連には着工以来の16年間に6億8710万円が献金されています。
事業の目的が失われ中止の検討が必要ないま、あくまでも事業継続を主張するのは、こうした政治献金によるのではないかという疑惑は消せません。このような受注企業からの献金の受け取りをやめ、干拓事業もきっぱりと中止すべきであると求めて反対討論といたします。
よろしくご賛同をお願いいたします。