「米国の臨界前核実験の中止を求める決議」
(英国に対しても同様の決議をおこなった)
長崎県議会は、米国の臨界前核実験に対して、これまで強く中止の要請及び抗議をしてきたにもかかわらず、これを無視して米国が通算16回目の臨界前核実験を、しかも今回は特に英国と共同で強行したことを、極めて遺憾に思うものである。
悲惨な原爆被爆を体験した長崎県民は、世界の恒久平和実現のため、あらゆる機会を通じて、すべての国の核実験の即時中止と核兵器の廃絶を全世界に訴えるとともに、米国が世界のリーダーとして、核不拡散条約(NPT)や包括的核実験禁止条約(CTBT)などに示されている核軍縮の努力を誠実に果たされるよう繰り返し求めてきた。
しかし、米国は、今日の世界の核不拡散体制の根幹をなすCTBTの批准を放置したまま実験を続行し、さらに、昨年11月に国連本部で開かれた第二回CTBT発効促進会議には欠席し、12月にはロシアに対し、弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約からの一方的脱退を通告し、ミサイル防衛構想の推進を明確に打ち出した。
また、今回の実験が英国と共同で行われたことは、他の核保有国の臨界前核実験を誘発し、際限のない核軍拡競争の再来の危険性さえ含んでいる。これらのことは、世界の核兵器廃絶への機運を大きく損ない、全世界の人々に不安と脅威を与え、CTBTの空洞化を招くことが懸念される。
よって、被爆県である本県議会は、米国が臨界前核実験を含むすべての核実験を直ちに中止し、CTBTの役割を再評価し、早期に批准するとともに、核廃絶に向け真剣に取り組むよう強く要求する。
右、決議する。
長崎県議会
日本共産党の提唱で全会一致、「米国の臨界前核実験の中止を求める決議」を可決