2001年度長崎県一般会計予算の特徴
    2001.3.2 日本共産党県議団
〔1〕総額9545億2800万円。前年当初予算に比べて988億3000万円11.5%の増。この中には事業が終了した雲仙災 害対策基金の償還分1千億円が収入支出にはいっている。これを除いた実質収支では前年比0.1 %の減額で、6年ぶり、金子県 政でははじめてマイナス編成となった。

〔2〕
借金収入である県債は、雲仙基金分を除いた実質で1087億5700万円。収入に占める割合は12.7%で前年の12.5%より増えている。2001年度末の県債残高は9643億円で前年より237億円増え、県民一人当たり63万6000円、四人家族 で254万円。
 借金払いに当てる公債費は1149億円で、82億5000万円7.7 %の増。収入に占める割合13.4%は過去最高で、収入支出ともいっそう借金体質がつよまっている。

〔3〕公債費が一般財源に占める「公債比負担比率」は、1999年度決算で20.7と危険ラインの20をこえ、前年度の20.5より悪化している

〔4〕県税収入は1068億6900万円11.2%で、前年より1.8 %減。実質の自主財源比率は28.6%で前年より0.5 %低下した。このため財源不足は789億円で前年より115億円増えて過去最大となり、財政運営はいっそう深刻化している。
 この財源不足は起債547億円と、基金の取り崩し242億円をあてている。県の基金残高は2001年度末で280億円を残すのみとなった。

〔5〕公共事業費は1605億0300万円で生活福祉費727億5 300万円の2.2倍。
 国の「公共事業に50兆、福祉に20兆」という逆立ちした関係が県予算でも同じく表れている。
 大型公共事業、大企業奉仕の主な予算
・諫早湾干拓事業 31億円   ・第二西海橋建設費 10億円・女神大橋建設費 78億1500万円
・諫早ソニーエンタティンメント立地補助金 15億円       ・長崎アーバン開発27億8300万円
・長崎サンセットマリーナ支援 4億7500万円         ・・出島バイパス  66億円
・市町村合併推進費 9251万円(前年より倍加)

〔6〕直接くらしにかかわる予算は、実質で生活福祉費8.5 %(前年8.7 %)、環境保健費3.9 %前年3.7 %)、教育費20.9%(前年21%)で、これらの合計は33.3%で、前年の33.4%が改善されない過去最低水準。改善されたのは、市町村国保事業に県が補助金を出す事業が創設され1000万円予算化された。
  改悪されたものは
@敬老祝金・これまで「88歳以上に毎年5千円の支給」を「88歳に一回だけ1万円支給」に。
 長寿祝金・「100 歳で10万円」を「5万円」に。あわせて3200万円を削減した。
A福祉医療・乳幼児、母子家庭、障害者への医療費助成の自己負担を「一回530 円を800 円に」「一か月の上限2120円を3200円に」引き上げる。
B県公共公共料金値上げ・26年連続の県立高校授業料値上げ、月9000円を2001年度から9100円に、2002年度9200円、2003年度9300円に値上げ。県立大学授業料を年18000 円値上げして49万6800円に。
 これらを中心に16件の値上げで1億0300万円の県民負担増。
C農業改良普及センターの統廃合・現在の12センター2支所を7センター3支所に減らす。
 「長崎と西彼」「諫早と大村」「島原と加津佐」「佐世保と江迎」を統合、平戸は支所に。離島は現状どおり。職員212人を191人に10%減らす。