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「すみやかな核廃絶署名」 真っ先に集めんば 原水爆禁止世界大会成功へ 深紅に輝くデイゴの花が咲き誇る長崎市の平和公園。二〇〇六年原水爆禁止世界大会を前に、被爆地長崎から「すみやかな核兵器廃絶のために」署名を出足早くと、被爆者や世界大会実行委員会のメンバーが連日取り組みを強めています。 定例の六九行動の日ではない十六日も、「雨が降らない日はがんばろう」と励ましあい、年金者組合長崎支部や新日本婦人の会の人たち八人が、訪れる観光客や修学旅行生、市民らに元気に声をかけています。 核兵器廃絶の署名を二十年以上続けている椿山春四さんは、昨年五月のNPT(核不拡散条約)再検討会議で被爆地長崎の代表がパレードしているパネル写真を示し、「みなさんの署名が核兵器廃絶の声をさらに大きくする力になります」と訴えます。 署名テーブルが混んでいるときをさけ「書かせてください」と駆け寄った森陰洋子さん。「被爆者じゃないけど、何回も原爆の話を聞きアニメ映画『アンゼラスの鐘』も観ました。核兵器は絶対いりません。戦争はひと握りの人の欲で、人類みんなが苦しむだけです、やってはいけない」と静かに話しながら署名しました。 「今年は市民も観光客も、署名してくれる人が増えたようです」と話す椿山さん。「日本中で広がっている『憲法九条守れ』の取り組みが反映しているのでは」「外国の観光客も真剣で、中国の人も『平和は大事』といって署名してくれる」といいます。 十一時二分、原爆が投下された時刻に「原爆許すまじ」の曲が流れてきました。署名を訴えているメンバーが平和祈念像の方に向き直り帽子をとって手を合わせます。周囲でも同じようにじっとうつむく人が目立ち、しばし静寂が流れました。 この日も公園とその周辺には、平和学習の一環として近くの緑ヶ丘中学の子どもたちや、県内の社会科見学の子どもたちが被爆遺構を巡っています。「原爆とか戦争とかが、なぜあるんですか」と疑問を投げかける子どももいました。 「被爆地が真っ先に署名を集めんば。五百万目標の責任の一端をしっかり担わんば」。炎天下、きょうも「すみやか署名」の運動を広げるため、「核兵器廃絶の意思表示をあなたも」と呼びかける声が浦上の丘に響きます。(長崎・田中康) |
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