「しんぶん赤旗」2011/5/21
土曜 人とき
長崎の保育を充実する会事務局長
魚谷廣二さん(58)

保育所でご飯出してと運動

 「社会的矛盾があれば、そのことで困っている人のために、改善を求めていく」。その思いを胸に、3年前から「長崎の保育を充実する会」の事務局長として活動しています。

 国の保育制度は時代遅れと、訴えます。1948年に3歳児以上を保育する制度として発足した公的保育制度。国の基準通りの長崎では62年経過する現在も当時の米の配給制度時代と同じ基準のままです。
 児童福祉施設である保育所でも3歳児以上はご飯がなく、おかずしか提供されていません。

 2歳児から3歳児のクラスに上がった途端、各家庭から主食を持参する必要があり、夏は暑さで主食が傷みやすく、冬は冷たい主食を食べるといった状況です。「先生、ご飯が冷たいよ」。子どもの声を聞き、解決するために奮闘しています。

 長崎市役所従業員組合副執行委員長を務めています。27歳から市役所で働き始め、労働組合活動に参加。36歳のときに同労組の保育所支部を担当して、保育の充実を父母と一緒に求めてきました。

 家庭での育児方針は、「ほめて育てる」。おねしょをしても、スープをこぼしてもほめました。
 座右の銘は「初めはみんな、ルーキーだった」。育児も含めて、恐れずに何でもやってみる。経験がなくても、温かい目で見守っています。