「しんぶん赤旗」2010/4/10
土曜人とき 
「日本のうたごえ祭典in長崎」運営委員長
田中實さん(80

「平和他のたびへ」を大合唱
  長崎のうたごえ運動の草分け的存在です。
 10月に開かれる「2010年日本のうたごえ祭典in長崎」。その成功のために日々奔走しています。

 とても80歳とは思えないのびやかなテナー。

 「歌は子どものころから好きでしたね」。学校では先生から指名されてみんなの前で歌っていました。

 4歳のとき蓄音機をせがみ、毎日レコードを聴いていたといいます。

 長年、長崎市の議会事務局で働きました。長崎の歴史への造詣が深く、年号もすらすらと出てきます。年齢を感じさせない歯切れのよい話し方。祭典で「長崎の歴史と文化を発信したい」と意欲的です。

 河上肇の『貧乏物語』に影響を受けました。労働組合活動のなかで史的唯物論の正しさを確信。職場に合唱サークルをつくり、歌でたたかいを励ましました。

 「うたごえは労働運動の力。みんなの心をひとつにします」。出世コースの部署に配属されながら節を曲げませんでした。

 1945年、海軍兵学校に入学。長崎への原爆投下は山口県で聞きました。家族が被爆しました。

 日本被団協事務局長の田中熙巳さんは弟です。祭典のテーマは「平和」。

 千人で「平和の旅へ」を大合唱します。

今年は被爆65周年。「核兵器廃絶の流れを感じられる祭典に」と意気込みます。

 とにかく元気です。健康法は「歌うこと」。みんなに歌う喜びを広げようと、今日もバイクを走らせます。