「しんぶん赤旗」2008/10/31
比例候補頑張る
島原半島に共産党の風
 「自民党ば減らさんば」 ふちせ候補に期待

 薬害肝炎訴訟原告の福田衣里子さん、久間章生元防衛相が衆院選に立候補を予定し、全国的にも注目を集めている長崎二区。日本共産党が候補者を立てない選挙区です。
 長崎県のふちせ栄子衆院比例候補は21日と22日、2区の久間氏の地元・島原半島入りし、住民の不安や苦しみを胸に「比例は日本共産党」と島原半島を駆け抜けました。


 二十一日、ふちせ候補は島田一徳島原市議、上田篤雲仙市議とともに島原市内で街頭宣伝。大企業中心、アメリカいいなりの政治を批判し、「人間らしくくらせる社会を」と訴えました。演説を聞いていた八十代の女性は、「年金は少なくなるばかり。子どもと同居しているからいいが、月三万円では暮していけない。共産党にがんばってもらいたい」と話しました。

はっきり言う
 漁民の多い地区では、「油の上がって漁のできん。若っかもんはみんな出ていってしまいよる」「自民党ば減らさんば。税金の無駄遣いばっかりしよる」「魚も獲れん。諫早湾干拓のなかったらこげんことにはならんやった」と漁民たちが口ぐちに不満をぶつけ、「言うべきことをはっきり言う共産党はがんばってほしい」と期待を寄せました。
 客待ちしていたタクシーにふちせ候補は、党の「タクシー政策」を示したビラを渡し、あいさつ。タクシー関係者からは、規制緩和以降客が減り、給料が十万円そこそこで病院代にも不安がある実態が話されました。
 
 市町村合併で一市十六町が三市となり、党の議員は合併前十人が合併後は三人となりました。
 旧有明町では、宣伝カーの声を聞いて男性二人が店から出てきました。「
なんでん上がって百姓はきつか。合併でなんもよかことはなか。どこでんよかけん、自民党は変えんば」と政権交代を期待。同時に民主党も自民党となれあっているからどこまでできるかわからないと話しました。

 庭先で演説会
 翌二十二日は、十七年前の雲仙普賢岳の大火砕流で大きな被害を出した旧深江町で青空演説会。会場は元深江町議の小林知誠さん宅の庭です。農繁期にもかかわらず二十三人が参加。

 ふちせ候補は、後期医療制度や農業問題について訴えました。
 演説会後、参加者と話がはずみ、七十八歳の女性は「普賢岳の噴火も怖かったが噴火はまだ逃げられる。でも戦争はどこにも逃げられない。機銃掃射は怖かった」と戦争中の体験を語り、「もう二度とあんな思いを誰にもさせたくない」と語気を強めました。さらに、「こんな苦労をしてきたのだから年をとったら安心して暮らせるようにするのが本当」と話し、後期高齢者医療制度に疑問を投げかけました。

 ふちせ候補はその後、桑原幸治南島原市議、矢崎かつみ元旧千々石町議らと南島原市、雲仙市で宣伝しました。

 島原半島では、民主党のポスターが目立ちます。国道沿いや島原市の市街地にたくさん張られていました。公明党もちらほら。旧千々石町では、党のポスターが国道沿いにも張られていて元気が出ます。