長崎で「労災職業病九州セミナー」
労災職業病の根絶へ六百人集う


 「健康で人間らしく働くことができる職場・地域づくりを」と、「第十六回労災職業病九州セミナーin長崎」が十二日と、十三日の両日、長崎市内で開かれました。
 九州各地から約六百人の労働者・研究者らが参加し、「今日の働き方の変化」や「いのちと健康を守る運動」について、講演やパネル討論、分科会が行われました。
 全体集会で、実行委員会代表世話人会議長の田村昭彦氏(九州社会医学研究所)は、JR福知山線脱線転覆事故やアスベスト問題などを例に、働く人たちの働き方の変化を概括、「職場での安全・安心・健康文化を築く社会的ルールづくりこそ最優先課題」と問題提起しました。
 甲南大学経済学部の熊沢誠教授は、「『働きすぎ』も『働けない』もイヤ|現代日本の職場状況」と題して講演。「フリーターやニートと呼ばれる若者がつくり出される一方で、正社員と言われる人の過酷な労働が地続きになっている」と指摘し、解決の糸口がワークシェアリングと労働運動の再構築にあることを強調しました。
 パネル討論では、長崎県内の労働者を対象にした「健康アンケート」(実行委員会)活動や、長崎県労連の「労働相談」、じん肺・アスベスト根絶の会の活動、韓国のマスコミ労働者の労働条件改善の取り組みなどが報告され、活発な討論が行なわれました。

「しんぶん赤旗」2005/11/17