「長崎市中央地区『九条の会』」結成に110人
「六十年間平和を守ってきた憲法のどこがいけないのか」と九条守る決意新たに


 「六十年間平和を守ってきた憲法の何がいけないのか」ー。被爆地長崎の中でも歴史・文化のかおり高い市内中央地区で十二日、「長崎市中央地区『九条の会』」が結成されました。
 「県九条の会」呼びかけ人の一人・越中哲也氏(郷土史家)や、「会」の代表に選出された料理研究家の脇山順子氏、元中学教師の斉藤武男氏、被爆者の川副忠子氏をはじめ、住職や牧師、弁護士、医師、カトリック司祭など十六氏が呼びかけたもの。同市古川町の長崎銀屋町教会に約百十人が集いました。
 越中氏は、「憲法九条の精神を中央地区から」とあいさつ。県九条の会事務局の前原清隆氏(長崎総合科学大学教授)が「新しい情勢のもとでの憲法」をテーマに講演しました。
 前原氏は、「自民党の『新憲法』草案は改憲でなく別物の憲法。国のあり方を別の形に変える一種のクーデターを意味する」とのべ、現憲法の「不戦の誓い」を第二次世界大戦ぼっ発時点まで引き下げるものだと指摘。それによって国がどう変わるかを解明しました。
 城山国民学校の友人や身内七人を原爆で一瞬に亡くした斉藤武男氏は、「犠牲者は今もなぜ死んだのか分からずにいると思う。九条を変えることは原爆犠牲者を二度殺し、戦争犠牲者を犬死させること」と、九条を守る思いを語りました。
 集いでは、「九条を守ろう」の声を地域の多数者にするため、会への賛同者や加入者を広げ、宣伝・署名など啓蒙活動に取り組むことを確認しました。

「しんぶん赤旗」2005/11/16