「これは、何とかしなくてはいけない!」。長崎県委員会は2004年9月12日と13日の両日雲仙の旅館で、党中央青年学生委員会事務局長の内田裕さんを講師に迎え、県・地区委員会の専従者の学習合宿を行いました。「二中総と青年学生問題」と題した4時間に及ぶ講義は私を含めて、参加者全員に大きな衝撃を与えました。
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 少しは頑張ったと思っていたが…
 
 恥ずかしい話ですが、二中総の参加する前の私は、「中央が青年学生の中での活動を強化するための『特別月間』でも設定してくれないかな。そうすればもっと思い切って取り組める」、「今度の選挙で、長崎の青年分野の活動は少しはすすんだかな」というぐらいの気持ちでした。
 今年、ある大学に十数年ぶりに党支部を確立することができました。参院選前の演説会や決起集会で中野太陽さん(多良見町議)ら青年たちの発言は、県下の党員たちを大いに激励しました。第一声の応援演説にたった大学生のKさんには、マスコミも注目し、ある新聞は写真入りで報道しました。青年たちは選挙カーでもよく頑張ってくれました。「今度の選挙では青年たちの活躍が目立った。救われた思いです」という、感想も寄せられました。
 こうしたことから、不十分とは思いながらも、「少しは頑張った」という気になっていたのです。
 
3割の若い世代を視野に

 こうした私にとって二中総は大きなショックでした。志位委員長の「新しい世代への継承」についての言及に改めて資料を見直すと、長崎県は党員の中で若い世代のしめる比率は、なんと全国45位。血が引いていくような思いでした。
 また、千葉県の代表は、「党大会での中野太陽さんたちの発言に激励されて青年対策を強め…」と切り出し、青年に働きかけることを重視し、実践した参院選の取り組みを具体的に話してくれました。長崎県の取り組みとくらべてなんという違いか。これもひどいショックでした。
 「ただちに行動開始だ」と思い、二中総の昼休みに党本部に内田さんを訪ね、「今度専従者の学習会をするのでぜひ来て話をして欲しい」と要請。県委員会にも会場から、講師要請書を書いて送るように電話しました。
  
 講義の最初に、ある県の党員の年齢別構成のグラフが示され、十年ごとの変化が説明されました。このまま推移するなら、十年、二十年後には党は大変なことになる。そのことを衝撃をもって受け止めざるを得ないグラフでした。
 有権者にしめる二十代と三十代の青年がしめる比率の解明も驚きでした。三割もの青年層を選挙運動の視野に入れなくて、どうして選挙に勝てるのかということが強調され、各県のすすんだ取り組みが具体的に紹介されました。私たちの選挙運動には全くなかった世界でした。
 責任者である「長」の決断の大事さ、青年問題は実践できりひらくことが重要であること、青年に対する見方と成長のための援助の視点、民青同盟の問題…どれも実感をもって受け止めることができました。
 二中総が終わり帰路につくとき、この決定を本当に多くの党員に知ってもらいたいと思いました。「五人以上集まり、要請があればどこにでも報告しに行き、二中総徹底の先頭に立つ」と宣言し、これまでに佐世保、諫早、五島、島原、長崎…など十回以上報告会に参加しました。その中で自らの思いとして、後継者対策に特別頑張りたいという、決意と問いかけをしてきました。

全ての支部が青年の中での活動をと呼びかけ

 しかし合宿のあとは、訴えを少し変えました。長崎県の党員の年齢構成比をカラーのグラフにして示し、「後継者対策は、難しいとかわからないからできない、ではすまない問題です。今、全ての支部が総かがりでとり組むべき課題です」と強調するようにしました。そして、自治体別の青年有権者比率を示しながら、「○○市や○○町にもこれだけ青年がいる。どう接近するから考えよう」と訴えています。
 すると、必ず青年問題に関わる感想や発言が出てくるようになりました。「大事なことはわかったがさてどうするか」、「そういえば温泉施設には夜遅くなると青年たちが沢山来ている」、「(議員だから)ソフトボール大会後の懇親会の案内が来るが、これからは参加しないといけない」、「うちの回りのどの家にも青年がいる」…などです。
 地区委員会も「対策委員会を再開する」(中部地区)、「地区委員長を責任者にした推進委員会をつくる」(南部地区)、「佐世保で開かれる日本平和大会への青年の参加を本気で追求する」(北部地区)など、新たな気持ちで青年のなかでの活動を強めようとしています。
 長崎県では、私を含めて幹部たちが後継者対づくりの重要性を再認識して、これからどう始めようか、というスタートライについたばかりです。実践は文字通りこれからです。
 しかし、「青年の中での活動を強めるということは、重点課題と別個に取り組むのでなく、課題の中で常に貫くべきことなんだと」という内田さんの指摘を肝に銘じてすすめるつもりです。講師資格試験への受験を青年党員にこぞって呼びかける、党を語る講演会に青年を多く組織する…。今の思いを大事に持ち続けて、頑張りたいと思います。
二中総と学習合宿を力に、若い世代の中での活動強めたい
  山下満昭県委員長の手記を紹介します
「しんぶん赤旗」2004/9/23より
写真上は雲仙地獄を見学した講師の内田さんと山下県委員長、下は講義風景