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 私は、多良見町で25歳の時、日本共産党への入党と町議選への立候補の要請を受け、悩みました。私はアメリカの大学を卒業しましたが、当時、同世代の海外の青年たちが、心から自分たちの国の未来のために勉強している姿を目の当たりにしました。それに比べて「なんと自分は将来のことをちゃんと考えていないのだろう」と、情けなくなった事がありました。私は、「政治離れが進んでいる」と言われる世代の代表として、「青年たちが政治に関心を持つきっかけになれれば」と思い、25歳での入党と、町議選への立候補を決意しました。
 昨年の統一地方選挙では、多良見町の現有1議席から、初の2議席獲得を目指して奮闘しました。私の応援には友人、先輩や後輩、恩師、そして民青の仲間が集まり、いっしょに選挙戦をたたかい抜き、ついに2議席獲得を実現できました。
 その中で、印象的だったのが青年の活躍でした。昼夜を問わず電話をかけ続け、時には選挙カー(軽トラックでしたが)に雨のなかカッパを着ていっしょに乗り込み、最後にはアナウンサーまでこなす活躍ぶりでした。そのなかの一人は、入党の決意までしてくれました。
 先の衆院選では、その若い力そのままに、電話かけは3000軒、ハガキ書きにアナウンサーと大車輪の働きで、結果は、前回衆院選の比例区で得票が670票、得票率8.15%から、今回845票、10.76%まで伸ばしました。多良見町が県下すべての自治体のなかで一番の伸び率でしたが、これは青年たちの力なくしては実現できなかったと思います。
  町議選後から、毎週「しんぶん赤旗」日曜版に折り込む「読者ニュース」を作成するようにしました。また、「後援会ニュース」は前回の400から、3倍の1200へ増やし、配達の体制も整いつつあります。昨年8月には初めて平和集会を開催し、成功させました。これも、青年を中心に活動しました。7月の参院選では、総選挙比133%の得票を達成し、比例ブロック選出の仁比そうへいさんと長崎選挙区の原口敏彦さんの当選を目標に、青年といっしょになって、力強く前進していく決意です。
 私が強調したいのは、青年の役割についてです。今後の党の活動において、青年の積極的活動と学習は、非常に大切な分野です。将来の新しい担い手となれるよう、党綱領を正しく理解し、日本共産党の考え方を伝え、共感を広げることが大切になります。
 党綱領を正しく理解できないと、それ相応の障害があります。昨日の討論のなかで、ある大学生が「共産主義から資本主義へ進むと思っていた」という話がありましたが、それを聞いてハッとしました。それは、私が中学生のとき、社会の授業で実際に資本主義と共産主義について同じように教えられたからです。そして、「どちらがいいと思うか」と挙手させられたのです。
 私は、両親から「不当な差別や貧富の差がない平等で平和な社会を目指しなさい」と教えられました。父の家系は、熊本でハンセン病患者をかくまって看病していた一家で、母方は大戦中に中国人強制労働者の命を最後まで守り通した一家で、父と母は、それぞれの両親から「差別や不平等に対しては絶対に妥協してはいけない」と学んだそうです。私にも同じように教育し、私はそれが日本共産党の教えだと、子どもながらに理解していました。
 だから、私は迷わず「共産主義支持」に手を挙げました。クラスで私一人だけでした。
 その先生は、「資本主義は努力すればそれだけもうかる能力主義で、共産主義はそういう自由のない抑圧された社会のことだ」と説明されました。私は先生にくってかかりましたが、論破する力もなく、「君の考えは理想論だ」と言われ、無力感が残ったことを覚えています。
 しかし、綱領の未来社会論は、その疑問にきちんと答えてくれました。いまの青年たちへ党綱領を正しく伝えることで、共感を得ることが可能です。綱領には、「生産手段の社会化は、…労働時間の抜本的な短縮を可能にし、社会のすべての構成員の人間的発達を保障する土台をつくりだす」と書いています。不破議長は、7中総での綱領改定案についての報告で、「この文章で注意してほしいのは、一般的な生活の保障、向上の問題とあわせて、人間の全面的な発達を保障することを、未来社会の非常に大事な特徴としていることです」と述べ、「労働時間以外の時間は、各人が自由に使える時間ですから、時間短縮でその時間が十分に保障されるならば、そこを活用して、自分のもっているあらゆる分野の能力を発達させ、人間として生きがいある生活を送ることができる」と、その意義を強調しています。
 現在の青年たちは、「自分の能力を活かせる職場」を探し、「自分の能力を活かせる時間」を必要としています。この日本共産党の綱領こそ、その要求に応えるものではないでしょうか。
 先ほどの中学校での話には、実はまだ続きがあります。昨年の町議選のさなか、私の前にその先生が現れました。そして、私にこういいました。「たった3年間の君しか知らないが、今でもあのことを覚えている。君の言うことを理想論だと言ったことを、今でも後悔している。これからも、差別のない平等で平和な世界をつくろうとしている君を信じて、いつまでも応援するよ。立派になったね」と言われたとき、「人に認めてもらうことは、これほどうれしいものなのか」と、実感しました。さすがに、党員へのお誘いは丁寧に断られましたが、いつか必ず日本共産党へ迎え入れることができるように、綱領を勉強していきたいと思います。
 町議に立候補したときは、「町民のために」と思っていましたが、いまでは、町民のみなさんの笑顔が私を動かしています。
 真に自由、平等で差別や貧富の差がない平和な世界をつくれるのは日本共産党しかありません。笑顔が増えれば増えるほど心が満たされ、憎しみや争いがなくなり、いつか戦争はなくなるのではないでしょうか。
 党綱領を正しく理解し、住民のみなさん、青年のみなさんと共感しあえるよう、がんばります。みなさん、参院選勝利のために、ともに頑張りましょう。
中野太陽さんの党大会での発言全文
大反響の発言で、太陽さんの行くところにはいつも人だまりが