崎空港がある大村市。その中央に位置し、人口28,000人余の地域で活動し、新入党員が支部に馴染み、党員としての活動が軌道に乗るまで親身に援助して、ともに成長する努力を重ねている西大村支部を訪ねました。(学習・教育局 山谷富士雄)
 
 
入党の決意を大切に育てて

 西大村支部は、第22回党大会後の党員拡大で19人の新しい党員を迎え、54人の支部になりました。新入党員は31歳から50歳代、80歳の高齢者まで、支部の生活相談や要求実現の運動の中で出会った人たちです。
 支部にはいろんな生活相談が持ち込まれ、”かけこみ寺”のようです。その窓口は、元大村市議の竹尾一夫さん(77歳)。今年になって、「未払いの残業手当を要求したら、給料を3万円も下げられ、強制配転された」という相談があり、さっそく個人加盟の労働組合をつくり、会社と交渉するよう勧め、解決しました。生活と健康を守る会も、支部の党員が中心になって活動しており、このなかから、新しい党員を何人も迎えました。相談相手には必ず「しんぶん赤旗」をすすめ、社会のしくみを話し合い、「4つの大切」を話し入党の意志をしっかり確認して党に迎えています。

 支部活動が生き生き 

 新しい党員が増えるなかで、支部活動が、少しずつ活発になっています。「くらしと福祉・教育を守る大村市実行委員会」の対市交渉、有事法制・医療改悪に反対する署名や赤旗号外の配布、ポスターはりなどにも新入党員がしだいに参加するようになりました。先日は、7月に入党した人(51歳)が、「こんな党なら、だれにでも勧められる」と友人に「しんぶん赤旗」を購読してもらい、母親と別の友人を党に迎えました。彼はいま、「党のことを学ぶのが楽しい」といって地区党学校に通っています。また、3人の新入党員が「自分のできることから」と「しんぶん赤旗」の配達・集金活動に加わりました。
 支部では入党歓迎会と新入党員学習を大事にし、学習ビデオ「あなたと学ぶ日本共産党」で、党をよく理解してもらうことに力を入れています。入党を働きかけるときにも活用され、約4割の人は入党前に視聴し、新入党員学習は全員がビデオをみて修了しています。  
 支部会議の内容を改善

新入党員を迎えて支部会議の内容を改善しました。新しい党員が増えるなかで、はじめのうちは、”しっかり育てなきゃ”の思いから、びっしりと資料を準備。ところが、新入党員に「話がむずかしか」「待ち遠しい会議にせんばいかん」とズバリ批判されました。 そこで、支部委員会の報告は「できるだけ短く、かみくだいて」を目標にしました。また、4中総決定や国会の代表質問、不破議長の東京「青年のつどい」の講演、党創立80周年記念講演などのビデオ学習をはじめました。これが新入党員に「わかりやすい」と好評で、「わたしも共産党員としてがんばらんといかんね」などの感想がだされています。

 の回りのこと話し合う

 改善のもうひとつは、会議の半分を、一人ひとりの身の回りのことを話し合うようにしたことです。家族の介護、住宅ローンの返済の苦労、仕事が減り会社が危うくなっていることなど、みんなのくらしが手にとるようにわかります。「会議はどうでしたか?」と新入党員に聞くと、「奥さんの介護、大変だろうね、私も主人が倒れて苦労したからよくわかる」「子どものことで悩んでおられたようだけど、私も力になってあげたいと思ってね」との返事が。

家族のように励ましあって

支部会議は、日曜日と火曜日を交互に開き、新入党員には、毎週案内を欠かさず、「少なくとも月1回は」とよびかけ、8割近くが参加しています。また、支部委員5人が全員の連絡網を分担し、支部ニュースを届けたり、音信がないときには尋ねたりして心のつながりを大切にしてきました。支部委員会では今、「2週間に1回の参加を」と希望する曜日と時間、運営についてのアンケートをとっています。
 2月に入党した人(52歳)は、「妻が脳卒中で倒れ、その介護で仕事をやめなくてはならなくなった」と支部に相談にこられました。奥さんの糖尿病の食事や生活費など、困り果てた様子でした。そのとき、「うちの支部では、病人の食事の作り方なども、家族のように援助しあってやっていますよ」と訴え、入党してもらいました。その人は「入党して、安心できるようになった」いっています。看護婦の経験をもつ竹尾俊子さん(62歳)は、新入党員のお年寄りには体調を気遣い、ときには自転車をとばして食事を届けます。また、いつも「どうですか」と支部員に声をかけ、親身になって話を聞いてくれるし、時には本音で叱ったり励ましたりしてくれると、みんなが頼りにしています。
 党費は、2人の新入党員がまだ納入できていませんが、大切さを分かってもらい、54人のうち50人が納めるようになっています。「もう年だからあまり出歩けないが、党費だけは他を切り詰めても」という人もいます。いろんな生活の困難と苦しさをかかえた人たちが、支部と出会って温かい人間集団にふれ、内外情勢など、これまで聞いたことがなかったことを学ぶなかで、党員としての生きがいを見いだしてきている。そんな新入党員の変化と成長をみんなが感じてきているようです。

支部委員会での本音の議論力に

 「支部に馴染んで楽しく活動できるよう成長してもらうには、まず自分が変わらんといかん」と語るのは橋口昭子支部長(66歳)。会議の運営一つとっても、いろんな意見がだされるし、支部長会議での報告をそのまま伝えようとすると「押し付け」のようにとられ、雰囲気も集まりも悪くなる・・・。そんなとき、「自分に支部長がつとまるだろうか」と真剣に悩んだりもしました。支部委員と支部運営のことで激論し、頭にきて”顔もみたくない”と思ったこともありましたが、そんな時にはいつも副支部長の飯笹治義さん(55歳)などに励まされ、また翌日から「新入党員と心を通わせ、みんなで助け合う支部に!」と決意し、がんばることができた。
 そんな本音の議論と努力が、支部委員会の自己脱皮の力となり、いまの支部活動に生かされているといいます。13日の支部総会では、選挙勝利をめざす「政策と計画」を討議し、前回9票差で失った市議会の議席回復をかならず、と決意を固めていました。

  注) 「4つの大切」
  ・「しんぶん赤旗」を読みましょう 支部会議に出席しましょう 
   学習につとめ活動に参加しましょう党費をきちんと納めましょう

新入党員は党の宝
温かく励まし、相談にのって
「この党なら誰にでもすすめられる」
                西大村支部
 2002年10月19日、「しんぶん赤旗」で大村市の西大村支部のことが紹介されました。筆者は党中央学習・教育局の山谷富士雄さんです。