「しんぶん赤旗」2023/5/16

「原発ゼロをめざす長崎連絡会」総会

 「原発ゼロをめざす長崎連絡会」は14日、長崎市内で第12回総会を開きました。元福井地裁裁判長の樋口英明氏がオンラインで「私が原発を止めた理由」と題して講演しました。

 樋口氏は、裁判長だった14年5月に大飯原発3、4号機の運転差し止めを命じる判決を下しています。

 樋口氏は、原発は▽人が管理し続けない限り暴走する▽人が管理し損なった時の被害の大きさは比類がない―の2点を理解することが大切だと強調しました。

 福島第一原発事故は、本来、東京を含む避難区域250`に及ぶ被害の大きさだったが、様々な奇跡の連続で東日本が壊滅する大規模被ばくの4000万人避難とならず、15万人余の避難だったと指摘。それだけ被害が大きいなら原発はやめておこうと考えるのが極めて正常だが、そうなっていないと批判しました。

 3・11を経験し▽使用済み核燃料は処理できない▽原発事故は停電、断水でも起きる▽原発は見当外れの低い耐震性で造られていることが判明―の三つの事実を知ってしまった我々の責任は重いと述べ、「裁判官が原発の危険性を知らないというのは罪だ。私たちは原発のことを知ることから始めないといけない」と語りました。

 総会では活動報告と方針が示され、役員を選出しました。