「しんぶん赤旗」2023/7/14

「BSL4」訴訟 口頭弁論

 長崎大学の医学部キャンパス(長崎市坂本町)で、最も危険度の高い病原体の動物実験施設「バイオセーフティレベル(BSL)4」の稼働準備が進められる中、周辺住民2人が国に対し、同施設をエボラウイルスなどの一種病原体の所持施設として指定しないことを求めた訴訟の第1回口頭弁論が11日、長崎地裁(松永晋介裁判長)でありました。

 訴えているのは、周辺住民でつくる「BSL4施設計画の差し止めを求める会」の代表ら2人で、施設に危険なウイルスが運び込まれ、このウイルスが漏れると、取り返しのつかない損害が生じると主張。さらに、市内を走る小江原断層が施設の間近に迫っているにもかかわらず、大学側は断層の調査すら怠っていると、その危険性を指摘しています。

国側は「訴訟要件を満たしていない」として訴えの却下を求めています。

 開廷前の門前集会では、原告の山田一俊同会代表が「私たちは施設自体を否定しているわけではなく、住宅密集地への建設をやめて欲しいと言っている。大学は当初から坂本地区ありきで強引に建設を進めてきた。大学の都合や利便性だけでなく、地域住民の生命や生活を優先してくれることを期待したい」と語りました。

 「BSL4」施設を巡っては、同会が情報公開請求と、基本構想の差し止め請求の訴訟を起こし、係争中です。