「しんぶん赤旗」2022/12/21

「長崎被爆地域拡大協議会」つどい

 国が定めた地域外で被爆したため、被爆者と認められていない「被爆体験者」でつくる「長崎被爆地域拡大協議会」(被拡協)は15日、つどいを開き、約20人が参加しました。被爆体験者の支援を続ける県保険医協会会長の本田孝也医師が講演しました。

 本田氏は、厚生労働省が来年4月から被爆体験者の医療費助成に胃がんなど7種類のがんを加える方針を示したことについて「広島の『黒い雨』被害者を認めて、なぜ、長崎の体験者を被爆者と認めないのかという本論から話を外すための時間稼ぎだ」と批判しました。

 同省は、被爆体験者について人体への放射線の影響を認めず、原爆体験による精神疾患が認められる場合にのみ、がんを除く疾患・症状を対象に医療費助成を行ってきました。本田氏は「放射線の被爆を受けているのだからがんになると考えるのが合理的。そもそも精神的影響としたことに無理がある」と指摘しました。

 長崎原水協の大矢正人代表理事は、被拡協が長崎の体験者も被爆者と認めろという基本的要求と、体験者事業の改善についても、具体的に要求を掲げてきたことに大きな役割と意味があったと述べ、今後は、全てのガンを対象にという要求を掲げながら運動を進めていこうと話しました。

 つどいでは、すべての被爆体験者に被爆者健康手帳の交付などを求める要請文を採択し、加藤勝信厚労大臣に送付しました。