「しんぶん赤旗」2019/12/7
最新強襲揚陸艦を配備 米軍佐世保基地、侵略性さらに

●最新強襲揚陸艦を配備 ステルスなど運用前提 米軍佐世保基地 侵略性さらに
2019127日【社会】

 米海軍は6日、佐世保基地(長崎県佐世保市)に最新鋭の強襲揚陸艦アメリカ(全長約257メートル、排水量約44970トン)を配備しました。米海兵隊F35Bステルス戦闘機やMV22オスプレイの運用を前提に設計された初めての強襲揚陸艦で、全長・排水量ともに大型化。対地攻撃能力を飛躍的に強化し、侵略的な性質がいっそう強まっています。

 アメリカのフロスト艦長は同日の記者会見で「アメリカは第5世代航空機であるF35Bの能力を高めるため、初めから第5世代艦として設計された」と述べ、海兵隊の航空戦力を最重視していることを強調しました。

 従来の強襲揚陸艦は艦尾にドック式格納庫(ウェルドック)を備え、エアクッション型揚陸艇(LCAC)2機を搭載していましたが、アメリカはこれを撤去。その分、F35Bの燃料を従来より250%、ミサイルなど兵器類を30%倍多く搭載できるようになったといいます。
 格納庫も20%拡張され、F35Bやオスプレイの整備能力を強化しています。

  強襲揚陸艦を中心とした、佐世保の第11揚陸隊は沖縄の第31海兵遠征隊(31MEU)とともに海外遠征を行うことが主任務。岩国基地(山口県岩国市)に配備されたF35Bとともに、佐世保・沖縄・岩国一体となった基地増強です。

 

 


●最新強襲揚陸艦を配備
 なし崩しの基地強化
2019127日【社会】

 最新鋭の強襲揚陸艦アメリカが6日、報道陣に公開されました。佐世保基地内の専用バースに横付けされた巨体は見るものを威圧します。



 佐世保基地の艦隊を統括する第7遠征打撃群のケイチャー司令官は「自由で開かれたインド太平洋地域を守る」と強調。第5世代とされるF35Bステルス戦闘機の運用能力を強化したアメリカの配備は、やはり第5世代戦闘機の配備を進め、南シナ海などで軍事的台頭を強めている中国の存在が念頭にあることをうかがわせます。

 佐世保基地は1991年の湾岸戦争を前後し、在沖縄米海兵隊と一体で著しい増強が進んできました。92年には海兵隊の海外派兵能力を強化するため、強襲揚陸艦を初配備。さらに今回、アメリカに代わってエアクッション型揚陸艇を搭載するため、ドック型揚陸輸送艦ニューオーリンズが追加配備され、第11揚陸隊は4隻から5隻に増強。乗組員も300人増えました。

 佐世保市によれば、今年4月時点で同市に居住する米軍関係者は7374人で、前年の6476人から大幅に増加。占領期を除き過去最高水準です。なし崩しの基地強化が進んでいます。

 加えて、自衛隊も増強の一途をたどっています。陸自相浦駐屯地には昨年3月、「日本版海兵隊」とされる水陸機動団が発足しました。

 長崎大の冨塚明准教授は、「アメリカがF35Bを本格運用することでその攻撃力を増し、イージス駆逐艦や攻撃型潜水艦に頼らずとも単独で侵攻できるようになり、海兵隊の航空戦力の大幅な強化となる」と指摘。加えて「自衛隊も水陸機動団の配備、オスプレイ導入、LCACを搭載する大型輸送艦、F35Bを搭載するための『いずも』型護衛艦の改修など、米国の強襲揚陸艦部隊に相当する編成を始めています。佐世保を拠点に日米が一体でいっそう侵略性を高めることになります。大幅な基地機能強化となり、許されません」と指摘します。