「しんぶん赤旗」2019/12/14
長崎市の男性パワハラ訴訟和解成立 2000万円慰謝料支払
 長崎市の広告制作会社に勤務していた男性(47)が、上司から受けたパワーハラスメントと長時間労働によって、適応障害を発症して休職に追い込まれたとして、損害賠償などを求めていた訴訟が10日、会社側が男性に2000万円の慰謝料を支払うことなどで福岡高裁で和解しました。

 男性は2012年3月から「プラネットシーアール」にデザイナーとして勤務。上司からの暴言や長時間にわたる叱責などのいやがらせを受け続け、14年7月、休職を余儀なくされ、16年1月に労災認定されました。

 和解条項には会社側が、「長時間労働はもとより、パワハラにより従業員が健康を損なうことがないように、真摯(しんし)に努力することを表明する」との文言が盛り込まれました。

 11日、長崎市役所で記者会見した男性は、「がんばってきてよかった。これが当たり前になるように社会が改善されることを願います」と語りました。

 原告代理人の中川拓弁護士は、今回の慰謝料はパワハラ訴訟の中ではきわめて高額だと指摘。「そこまで人を追い込めば、巨額な慰謝料が発生するのだと、ひとつの警鐘になるのでは」と強調しました。