「しんぶん赤旗」2019/8/3
仁田佐古小学校統廃合を巡り市が情報操作 市民の会申し入れ
 統廃合に伴う長崎市立仁田佐古小学校の新校舎建設を巡り、市民から疑問の声が上がっています。

 長崎市は耐震補強工事が完了した旧佐古小学校跡地に新校舎建設を決定し、補強工事完了から5年後に校舎を解体しました。これに対し、「養生所等遺跡の完全保存を実現する市民の会」共同代表の鮫島和夫・相川忠臣の両氏は、耐震補強工事と解体工事費用2億7600万円の支出は不当だと、2018年4月、田上富久市長に返還を求める訴訟を長崎地裁に起こしています。

 市民団体もねばり強く運動を続けており、

くらしと地域を考える長崎市民の会(代表委員・吉田省三)は、6月25日、長崎市が二つの市立小学校の統廃合を巡り、情報操作を行ったとして田上富久市長宛てに事実確認と謝罪を申し入れました。10人が参加。日本共産党の中西敦信市議が同席しました。

 申し入れ書では、2013年の「佐古小学校・仁田小学校統廃合地域懇話会」で、旧・佐古小は耐震補強工事を終えていたにもかかわらず市が工事前の耐震データを示し、意図的に旧・佐古小の方が危険だと思わせるよう情報操作をしたと指摘しています。

 現在、建設が進められている旧佐古小跡地からは長崎大学医学部の源流とされる「小島養生所」の遺構が見つかりましたが、市は保存を求める声に耳をかさず全面調査もせず遺構を破壊しています。

 市は懇話会の議事録を明らかにすることを拒んでおり、吉田代表は「検証するためには議事録が必要。今回に限って出せないとは問題だ」と指摘。同会の山本誠一氏は「これは明らかなデータ改ざん。責任の所在を明らかにし、工事はスットプするべき」と求めました。

 応対した市教育委員会の西原政彦施設課長は「この件は裁判で係争中であり、その中で明らかにしていく」との回答をくり返しました。