「しんぶん赤旗」2019/6/1
非常勤女性職員 県と男性上司をパワハラで提訴 
 長崎県の非常勤職員だった女性が、男性上司からセクハラやパワハラを受け、適応障害を発症し退職を余儀なくされたとして5月30日、県と男性上司に対し慰謝料と未払い賃金など計約470万円の支払いを求めて長崎地裁に提訴しました。

 訴状によると、女性は昨年4月から福祉系の部署に勤務。男性上司から、至近距離までイスを移動し執拗(しつよう)な身体の接近を受ける、いきなり手を握られその際女性の胸に上司の手がふれるなどのセクハラを受けたと主張。

 業務についても、メモを取ることを禁止し、業務内容を全く教えようとしない一方、「あなたはやる気がない」などと何度も叱責し圧力をかけました。女性は他の上司に相談しましたが改善してもらえず、同年6月、休職に追い込まれ、適応障害の診断を受けました。提訴前、県に対し被害を訴え、職場環境の改善などを求めましたが、県はハラスメントの存在を認めず、女性を雇い止めしました。

 女性は同日、長崎市内で記者会見し「相談を受けた上司がまともに対応していたらこんなことにはなっていない。非常勤職員は使い捨てではない。これ以上県庁に雇われた女性職員が犠牲者にならないよう、安心して勤められる環境をつくってほしい」と訴えました。