「しんぶん赤旗」2019/6/19
石木ダムの建設工事差し止め訴訟 口頭弁論
 長崎県と佐世保市が川棚町に計画している石木ダムをめぐり、反対地権者らが、県と同市を相手に工事差し止めを求めた訴訟の口頭弁論が4日、長崎地裁佐世保支部で開かれました。県収用委員会が5月21日付で反対地権者らに対し、土地の明け渡しを命じる裁決を出してから初めての弁論となりました。

 地権者の岩下和雄さん(72)は裁決に対し、不要なダムのために土地などを明け渡すことはあり得ないと断言。「世帯が住んでいる土地・家屋を強制的に取り上げダムをつくるなど前代未聞。全国13も類がない行為で絶対に許せない」とダム建設の中止を訴えました。

 石木ダム対策弁護団の鍋島典子弁護士は、「原告らにとって、居住地川原(こうばる)とその地域、人とのつながりは、金銭で代償できるようなものではない、唯一無二のもの。それを奪われることは人間の尊厳を奪われるも同然」と述べ、原告らの言葉を真摯(しんし)に聞いてほしいと求めました。

 次回7月17日に反対地権者ら6人の当事者尋問と治水に関して、水源開発問題全国連絡会の嶋津暉之共同代表への証人尋問が決まりました。

 日本共産党の小田徳顕佐世保市議と辻清人川棚町議候補も傍聴しました。