「しんぶん赤旗」2019/5/24
石木ダム建設用地「明け渡せ」 県収用委裁決に怒り
 長崎県と佐世保市が川棚町に計画している石木ダムについて、県の収用委員会が、建設に反対する地権者13世帯に対し、計約12万平方bの土地の明け渡しを命じる裁決を出したとの報道を受け、日本共産党長崎県委員会の山下満昭委員長と辻清人川棚町議候補は23日、建設予定地の川原(こうばる)地区に駆けつけました。

 反対地権者と支援者ら約30人が、付け替え道路の工事現場2カ所に分かれ座り込み、県職員が様子をうかがう中、抗議行動を続けていました。

 今回の裁決により、ダム建設に必要な全ての土地を強制的に取り上げることができるようになりました。反対地権者の岩下すみ子さん(70)は「9年間ここに座り込んでいるが、ここで暮らしていきたいとの一心で頑張ってきた。今のままでは虫けら同然の扱いとしかいえない」と憤りの声を上げました。

 同じく地権者で2015年に農地の一部を収用された石丸勇さん(70)は「県のやり方は人を人とも思っていない。まるで物のような扱いだ」と語気を強めました。

 抗議行動参加者に向けて山下委員長は「現在、他党と共同で県に抗議の申し入れができないか働きかけをしている。やめさせるまで一緒に頑張りましょう」と激励。連日行動に参加している辻さんは「県のやり方はひどすぎる。地元のみなさんと一緒にダム建設中止までがんばりたい」と力を込めました。