「しんぶん赤旗」2019/7/31
石木ダム「強制収用」取り下げを求め 200人以上県庁行動
 長崎県と佐世保市が川棚町に計画している石木ダムをめぐり、県の収用委員会は5月、ダム建設に必要な全ての土地を強制的に取り上げることができる「収用裁決」を出しました。

 石木ダム建設絶対反対同盟、石木川まもり隊、石木川の清流とホタルを守る市民の会など8団体は30日、ここに暮らす13世帯約60人の暮らしを奪うなと、「強制収用」取り下げを求めて県庁行動に取り組みました。

 県庁ロビーには県内のみならず、福岡や佐賀からも200人以上が集まり「ダム建設反対、強制収用するな」と声を上げました。

 石木ダム建設絶対反対同盟の岩下和雄代表(72)は「50年間我々を苦しめてきた、必要のない石木ダムをつくるために、私たちの同意もなく強制収用するなど絶対に許されない。知事に会うまで帰らない」と訴えると参加者から「知事出てこい」の声が上がりました。応対した県河川課の職員は、知事は東京出張で不在だとくり返し、不誠実な態度に終始しました。

 福岡市から参加したという女性(34)は「必要がないことがはっきりしているのに、住民を追い出してつくるなどあり得ない」と憤りの声を上げました。

  地権者の石丸キム子さん(68)は「話し合いをしようとしていた矢先に強制収用するなど、銃を突きつけられて話し合いをしようと言われているのと同じ」と語気を強め「でも、こんなに大勢のみなさんに集まっていただいて、それが力になる」と語りました。