「しんぶん赤旗」2019/11/30
石木ダム建設訴訟不当判決 福岡高裁原告控訴棄却
 長崎県と佐世保市川棚町に計画している石木ダム建設を巡り、反対する住民が国に事業認定取り消しを求めた訴訟の控訴審判決が29日、福岡高裁でありました。西井和徒裁判長は、原告住民の請求を棄却した一審長崎地裁判決を支持し、控訴を棄却する不当判決を出しました。

 控訴審判決を受けた報告集会には、バスで駆けつけた地元住民など約70人が参加。原告側の石木ダム対策弁護団の馬奈木昭雄団長は不当判決を批判し、「裁判所は国民・県民の意思に従えということをたたかいで実現していこう」と訴えました。

 原告の岩下和雄さん(72)は、「私たちは50年間たたかってきた。今日の判決は3秒。こういうことは絶対許されない。私たちには今後とも長く、力強くたたかい抜いていく。まだ故郷を離れるつもりは一つもない。」と決意を込めました。

 参加した岩下すみ子さん(71)は「住民無視の判決にがっかりしました。上告しかない。自分たちの住む権利を勝ち取るために、やるだけのことはやる。私たちはどういうことがあっても諦めません」と話しました。

 昨年7月の一審判決は、謝った県の治水計画や、実数値と懸け離れた市の水需要予測について合理性を欠くとは言えないとし、原告の請求を全面的に棄却しました。